金市場ニュース

ニュースレター(2019年1月11日)政治リスクとハト派的米FRBで金相場は7か月ぶりの高さへ

先週のニュースレターは、週末が弊社オフィスの移転であったために本日遅れてお届けしています。

週間市場ウォッチ

先週金曜日午後3時発表のLBMA価格は1288.95ドルと、前週金曜日のLBMA価格のPM価格(午後3時)から0.7%上げています。また銀価格においては、同日12時発表のLBMA価格はトロイオンスあたり15.68ドルと、前週のLBMA価格(午後12時)から0.1%下げています。

先週も米政府の一部期間が最も長い期間閉鎖されていることからも政治リスクの懸念が残る中で、米中の貿易協議への楽観的な観測も広がったものの、FRB高官やFOMCがハト派的であったことから、金相場は7ヶ月ぶりの高さへと上昇することとなりました。それでは、曜日ごとに市場の動きを追ってみましょう。

月曜日金相場は一時1295ドルへと先週終値から0.7%上昇後に、1288ドルで終えていました。

これは、ドルが先週金曜日の良好な米雇用統計にもかかわらず、2ヶ月ぶりの低さへと下げていることが要因となりました。

その背景は、パウエル議長が金曜日に「市場は中国経済を中心に世界景気の下振れを不安視している。金融政策はリスク管理だ。迅速かつ柔軟に政策を見直す用意がある」と、これまでのコメントを覆していた事が背景となりました。

火曜日金相場は、英国時間ではドルインデックスが強含む中トロイオンスあたり1280ドルまで下げていましたが、ニューヨーク時間引け後にトロイオンスあたり1290ドルまで上昇して終えていました。

当初の下げは、米中貿易交渉への楽観的観測がトランプ大統領のコメントからも広がっていたこと、また同日発表のドイツの鉱工業生産、ユーロ圏の景況感指数が予想を下回ったことからユーロが弱含んでいることもドルを相対的に強めていたことからでした。

しかし、ニューヨーク時間後半に自律的反発で上昇していました。

水曜日金相場は、ドルインデックスが前日比0.5%下げる中、トロイオンスあたり1287ドルへと上昇して終えていました。

同日世界株式は全般上昇していました、これは米中貿易交渉が3日へと延長されていることからも、楽天的観測が広まっていたことからで、米株価は4営業日連続で上昇していました。

また、ニューヨーク時間に複数の地区連銀総裁が利上げに慎重姿勢を示し、また同日公開された12月の米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨が、ハト派的な内容だったことを受け利上げ観測が後退したことで、同日終了直前に急騰することとなりました。

木曜日金相場は、米国株価が下げる中で上昇し一時トロイオンスあたり1297ドルまで上げた後に1291ドル前後を推移していました。

同日米株価が下げているのは、米百貨店メーシーズなど2018年の年末商戦の売上高が失望に終わったとの見方から小売り株が軒並み急落して始まったことからでした。

また、一部政府機関が閉鎖せざるをえなくなった、トランプ政権と議会のメキシコ国境の壁の費用を含む予算における合意の見通しが立っていないことも懸念材料となっていました。

さらに、前日発表されたFOMC議事録や米連邦準備制度理事会(FRB)高官の発言などで追加利上げに慎重な姿勢が示されたことも背景となっていました。

金曜日金相場はトロイオンスあたり1295ドルまで上昇後に1290ドルで終えてていました。

同日はアジアの株式市場は全般上昇したものの、欧米株式市場は全般下げていました。これは、メキシコとの国境の壁の建設を巡り、トランプ米政権と議会との対立が続き、政府機関の一部閉鎖が21日目に入っていることからも、米政治の先行き不透明感に対する警戒感が引き続き上値を抑えることとなりました。

そのようなことからドルインデックスも4週続けて週間の下げを記録していました。

なお、9日終了した米中貿易協議においては、ムニューシン米財務長官は10日に、中国の劉鶴副首相が1月中に通商協議で訪米する「可能性が高い」との見方を示し、トランプ米大統領も同日、米国は中国との通商交渉で多大な成功を収めていると強調していることも、アジア株を押し上げることとなりました。

 

その他の市場のニュ―ス


  • 金のETFの最大銘柄のSPDRゴールドシェアの残高は、先週0.5トン減少し797トンと、引き続き昨年7月31日以来の高さとなっていたこと。

  • コメックスのデータは、米政府機関の一部が閉鎖されているために、この閉鎖が解除され次第発表が行われるとのこと。

  • 中国の中央銀行が先月金準備を増加させて1853トンと、2016年10月以来初めて増加させていたことが明らかになったこと。

  • 月曜日から米中の貿易関連交渉が北京で始まる中で、前週金曜日に中国人民銀行が金融緩和をしたものの、中国の人民元が対ドルひと月ぶりの高さへと上昇していたこと。

来週の主要イベント及び主要経済指標

今週15日には英国議会でEU離脱協定案が採決されます。これが否決された場合英国のEUからの合意のない離脱の可能性が高まることからも、この行方に市場は注目することとなります。

また、米国の政府機関一部閉鎖が、トランプ大統領と議会がメキシコ国境の壁の費用を予算案に含めるかについて合意して解除されるのかも重要なイベントとなります。

その他の指標においては、月曜日の中国の12月貿易収支、火曜日の米国卸売物価指数、ニューヨーク連銀製造業景気、水曜日のドイツと英国の消費者物価指数、米地区連銀経済報告(ベージュブック)、木曜日のユーロ圏の消費者物価指数、金曜日の日本全国消費者物価指数、英国小売売上高、米国鉱工業生産、ミシガン大学消費者物価指数などとなります。

ブリオンボールトニュース


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先週の市場分析及び投資ガイドページには下記の記事が掲載されました。

主要経済指標(2019年1月7日~11日)今週の結果をまとめています。

ロンドン便り

29日より日本に入っていましたので、今回までお休みとさせていただきますが、今週からからロンドンオフィスへ戻りますので、通常通りお届けします。

ホワイトハウス佐藤敦子は、オンライン金地金取引・所有サービスを一般投資家へ提供する、世界でも有数の英国企業ブリオンボールトの日本市場の責任者として、セールス、マーケティング及び顧客サポート全般を行うと共に、市場分析ページの記事執筆および編集を担当。 現職以前には、英国大手金融ソフトウェア会社の日本支社で、マーケティングマネージャーとして、金融派生商品取引のためのフロント及びバックオフィスソフトウェアのセールス及びマーケティングを統括。

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