ニュースレター(2013年7月5日)1212.75ドル 予想を上回る雇用統計で金下落
週間市場ウォッチ
今週金曜日のPM Fix価格は、トロイオンスあたり1212.75ドルと前週同価格から1.7%の下げとなっています。
週明け月曜日、金価格は先週金曜日の上げを受け継ぎ、更に上げることとなりました。これは、先週3年ぶりの低値をつけたことの反発による上昇と、金先物市場でショート(空売り)ポジションが増加している中、価格上昇に伴うショートカバー(買い戻し)などによるものです。
翌火曜日、金価格は緩やかに下げることとなりました。これは、先週金曜日からトロイオンスあたり80ドルほど上昇していた金価格の、益出しの売りが進んだことからです。
また、混乱が続いているエジプト情勢が長期化の様相を見せていること、そして緊縮財政下のポルトガルの連立政権が、閣僚の辞任によって政権存続に対する懸念が広がり、リスクオフも進んだ模様です。
水曜日は、翌日の米国独立記念日の祝日を前に、週末を含む長期休暇を取るトレーダーも多いことから、ポジション整理が進む市場となりました。
内容としては、米国主要経済指標の結果を受け神経質に価格は動きながらも、エジプトの反政府デモが激化し、ポルトガルの連立政権の2閣僚が辞任したことから、政権存続への懸念が広がり、地政学的リスクから、ショート(空売り)ポジションを休暇前に手仕舞う流れが進んだことから、金価格は前日比上げることとなりました。
米国主要経済指標では、金曜日の雇用統計発表前に給与明細書作成代行会社ADPが発表する全国雇用者数は、予想と前回を上回ったものの、ISM非製造業景況感指数は予想と前回を下回るものとなったために、FRBの量的緩和縮小の観測が雇用データの結果では高まり金価格は下げ、製造業指数の結果では量的緩和継続観測へと動き、価格を上げることとなりました。
木曜日は、米国が独立記念日で祝日であったこと、また金曜日に米国雇用統計発表を控えて、薄商いの中狭いレンジでの取引となりました。
そのような中、イングランド銀行と欧州中央銀行が金融政策発表を行い、政策金利は据え置かれるなど、基本的に政策に変化は無かったのですが、両総裁が当面は低金利政策を維持するというフォワードガイダンス的声明を出しために、それぞれの通貨が下げ、ポンド建てとユーロ建ての金価格が一時急騰することになりました。
金曜日は市場注目の米国雇用統計が発表され、6月の非農業部門雇用者数は19万5千人と予想を上回り、前月数値も2万人上方修正されたことから、金価格はトロイオンスあたり1227ドルへと急落し、その後ロンドン時間16時の段階で1215ドルまで下げています。

他の市場ニュース
- 中央銀行の金購入が5月も進んだことが明らかとなったこと。詳細は「中央銀行金購入ペースは引き続き強いものの減速」をご覧ください。
- 香港統計局によると、香港から中国への金の輸出が、ネットで109トンと4月よりも33%増加し、年初から5ヶ月間で、2012年の2倍の水準となっていることが明らかとなったこと。
ブリオンボールトニュース
今週弊社が発表した6月の金投資家インデックスが、ブルームバーグで取り上げられました。ここで は、弊社インデックスにおいては、金投資への強気傾向は維持されたものの、先月の過去8ヵ月で最も低い水準に留まることとなったこと、そして4月から6月の取引高が前期比31%増の7.3トンとなったことがレポートされています。
ブリオンボールトの米国市場責任者のミゲル・ペレス-サンタイアが、金投資インデックスが発表された2日に、ブルームバーグ、ウォールストリートジャーナルなどの主要メディアからインタビューを受け、昨今の金価格急落後の金市場の先行きについて解説をしています。ここで、ミゲルは大規模な投資家が利益確定の売却をする中、より多くの小・中規模の投資家が金を積み増しているとコメントしています。
今週市場分析ページには、下記の記事が掲載されました。
- ブリオンボールトリサーチ主任エィドリアン・アッシュの「金価格の急落時も、金投資家インデックスは安定した水準を保つ」
- ブリオンボールトリサーチ部門の「UBSがシンガポールに金保管場所を開設」「中央銀行金購入ペースは引き続き強いものの減速」
また、今週の主要経済指標の結果と解説は、下記のリンクでご覧いただけます。
ロンドン便り
英国からのニュースとしては、今週月曜日から英国中央銀行イングランド銀行の総裁に就任したマーク・カーニー氏が、昨日の初の金融政策発表で、当面の低金利政策に明言するフォワードガイダンス(時間軸政策)的声明を出すなど、カーニー色を鮮明にさせたことなどを含め、就任前後には彼の人となりが取り上げられています。
カーニー氏はイギリス人の伴侶を持つもののカナダ人で、319年の歴史を持つイングランド銀行の総裁が英国人以外であるのは初めてのこと。そして、G8内の中央銀行総裁では最年少の48歳。今回の抜擢は、カナダ中央銀行総裁として、金融危機時からカナダを守ったとして、ファイナンシャルタイムズやタイム誌でも、金融界を代表する人物として認められていたことなどからです。
昨年11月に任命された際には、その報酬額がキング前総裁よりも10万ポンド(約1千5百万円)多い、62.4万ポンド(約9千5百万円)であることなどが取りざたされましたが、総裁専用の専属運転手を断り、電車通勤をすることを希望したことなどが、好感を呼んでいます。
また、今回就任前日には、BBCを含む多くの主要メディアなどが、米国俳優のジョージ・クルーニとカーニー総裁の容貌が似ていることも取り上げたことから、弊社リサーチ主任も含め、経済紙の数紙はカーニー氏を中央銀行のジョージ・クルーニーと呼んでいます。
先に追加し、英国の夏景色を飾るウィンブルドンからのニュースとして、クルム伊達公子選手について。
彼女が、引退後現役復帰し、今年42歳でシングル3回戦進出を果たしたことを英国メディアは称え、インディペンデント紙は、「今大会における最も感動的な物語の1つ」として、クルム伊達選手を取り上げていました。
彼女のいつまでも自分を高めようとする戦いぶりは、国を超えて誇らしく感じられているようです。
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