ニュースレター(2013年7月12日)1279.75ドル バーナンキFRB議長の発言で緩和縮小観測が後退し、金価格急騰
週間市場ウォッチ
今週金曜日のPM Fix価格は、トロイオンスあたり1279.75ドルと5.2%上げています。
週明け月曜日は、先週金曜日発表された雇用統計の結果が予想を上回り、量的緩和縮小観測が広まることでドル高と共に売られた金は、緩やかに買い戻されることとなりました。これは、先物市場でネットショートの水準に膨らみつつあるショートのポジションの自律反発によるものでもあったようです。
翌火曜日は更にその上げ幅を広げることとなりました。これは、同日アジア時間に発表された中国の6月消費者物価指数が予想を上回ったことから、中国の金の需要が高まることが期待されたためです。
水曜日は、市場注目の先月の連邦公開市場委員会(FOMC)の議事録が発表とバーナンキ議長の講演での発言で、金価格はトロイオンスあたり40ドルほど急騰することとなりました。
まず英国時間夕方に発表された議事録では、多くのFOMCメンバーが量的緩和縮小に慎重であったことが明らかとなり、その後、バーナンキFRB議長が講演後の質疑応答で、「米インフレ率は依然低水準で、失業率は雇用の健全性を誇張している可能性があるため、当面は金融緩和策を継続する」との方針を示したことから、前回FOMC以来、9月には行なわれると予想されていた量的緩和縮小の観測が後退したためです。
木曜日は、前日バーナンキFRB議長の発言を受けて金価格は上昇を続け、ロンドン早朝にはトロイオンスあたり1300ドル近くまで上げたものの超えられず戻しましたが、ロンドン時間午後に発表された、米国の前週の新規失業保険申請件数が予想と前回を上回ったことから、1280ドル台を維持することとなりました。
本日金曜日、ロンドン時間午前中は今週の価格上昇の調整で緩やかに下げ、ロンドンPM Fix発表時間前に上げたもののトロイオンスあたり1269ドルから1282ドルの狭いレンジで推移しています。

他の市場ニュース
- 月曜日に発表されたCFTC(米再起の取引委員会)によると、ロングポジションの減少し、ショートポジションが増加し429トンと過去最高を更新したこと。、
- 10日水曜日に、米国格付け会社S&Pが、イタリアのソブリン格付けを「BBBプラス」から「BBB」へ格下げしたこと。
- 韓国中央銀行の金準備が今年6月までに20トン増加し104.4トンとなり、世界34位となったことがワールド・ゴールド・カウンシルの統計で明らかとなったこと。
- 金のフォワード・レート(GOFO)が2008年11月以来初めてマイナスとなっていること。
ブリオンボールトニュース
今週、ブリオンボールトの設立者で代表取締役のポール・タスティンのインタビュー記事がロンドンのビジネ スを紹介するサイトで取り上げられました。ここでは、「従業員35人で年間の売上高5億ポンド(約753億円)を生み出すブリオンボールトのポール・タス ティン」という見出しで紹介されました。
また、ブリオンボールトのリサーチ主任の市場分析が、先週金曜日のフィナンシャルタイムスの投資セクションの昨今の金価格に関するレポート、「金が投資家を途方にくれさせる」という記事で取り上げられました。このレポートは、短期で利益を出す目的の投資家とリスクヘッジの投資分散目的の投資家で、価格下落時の対応が異なると解説しています。
今週市場分析ページには、下記の記事が掲載されました。
- ブリオンボールトリサーチ部門の「日本国内の金地金と金ETFの需要の高まりから日本の金輸入量が増加」
- スタンダードバンク東京支店長池水雄一氏の「インドの金需要」
- はじめての金読本の「ドルには順風、金には逆風」
また、今週の主要経済指標の結果と解説は、下記のリンクでご覧いただけます。
ロンドン便り
英国からのニュースとしては、先週末のウィンブルドンでアンディ・マリーが優勝したことが今週前半には大きく伝えられていました。英国人がウィンブルドンの男子シングルで優勝したのは、1936年のフレッド・ペリー以来77年ぶりとなり、英国中が注目していましたが、優勝を決めた瞬間には歓声がうねりのようにウィンブルドンを包んでいました。
翌日の新聞の一面は、すべてアンディ・マリーで飾られ、彼に爵位を与えるべきだという声も高まっています。
このニュースに絡んで、英国の歴史と政治を垣間見せる話題をご紹介しましょう。
英国は歴史的にイングランド、ウェールズ、スコットランド、北アイルランドの4つの国で構成されています。そのため、それぞれの国の人々は、英国の一部であることを認識しながらも、ウェールズ人、スコットランド人などとそれぞれの国の人間であることを誇りに思っているために、英国人(British)と呼ばれることは受け入れても、イングランド人(English)と呼ばれることには強い抵抗感があります。
そのため、ニューヨークタイムスがアンディー・マリーを英国人(もしくはスコットランド人)ではなく、イングランド人と紹介した記事のツィートには、スコットランドから訂正を求めるのツィッターが押し寄せたようです。
また、スコットランド議会の第一党であるスコットランド民族党は、公約で2014年までに、スコットランド独立の是非を問う住民投票の開催を明言しています。そこで、スコットランドの自治政府党首が、今年アンディー・マリーが優勝した際に、センターコートのロイヤルボックスで英国旗ではなくスコットランド国旗を振りかざしたことへは、スポーツに政治を持ち込んだと多くの人々に非難されていました。
オリンピックは、英国として参加しますが、ラグビーの6カ国対抗試合など伝統的なスポーツでは、それぞれの国で戦うなど、英国人のアイデンティティは複雑なものがあります。
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