ニュースレター(12月26日)1177ドル クリスマス休暇で薄商いの中、株高で下げた金相場はショートカバーで戻す
今年最後のニュースレターをお送りいたします。なお、新年最初のニュースレターは、1月10日から開始させていただきます。
本年中のご愛顧に心よりお礼申し上げます。明くる年も変わらぬお引き立てのほどをよろしくお願い申し上げます。
週間市場ウォッチ
今週最後のAM Fix金価格は、クリスマス休暇に入る前の24日で、トロイオンスあたり1177ドルと、前週金曜日のPMFixから3.3%下げていました。しかし、本日午後5時は1195ドルと、前週金曜日PMFixとほぼ同水準となっています。
週明け月曜日は、金相場は欧米がクリスマス休暇に入る中で薄商いの中、株式市場は「サンタラリー」と呼ばれる上昇機運が強く、金市場においては売りが売りを呼ぶ形で大きく下げることとなりました。
翌火曜日は、昨日の下げを多少戻したものの、トロイオンスあたり1,180ドルを割る水準で推移しました。
同日発表された米国第3四半期GDPは前期比年率で5%と、過去10年間で最も高い水準となり、ミシガン大消費者信頼感指数とリッチモンド連銀製造業指数も予想を上回りましたが、耐久財受注と新築住宅販売件数は下回るなど、経済指標はまちまちの結果となりました。しかし、好調であった第3四半期GDPの結果が株価を上げ、ドルインデックス は8年半ぶりの水準に上昇したことからも、金にとっては厳しい環境となり、翌日のクリスマスイブを前に、ポジション整理が進んだ模様です。
水曜日は、米週次新規失業保険申請件数が28万件と予想を下回り、NYダウが過去最高値を更新する中、金相場は小幅ながら下落することとなりました。
木曜日は、クリスマスで欧米は祝日で休場であることからも、東京は開いていたものの相場はほぼ動きませんでした。
金曜日は、欧州はボクシングデーで休場の中、バーゲンハンティング的買いとショートカバーで、金相場は月曜日の下げをほぼ取り戻すこととなりました。
ブリオンボールトニュース
今週のブリオンボールト市場分析ページには下記の記事が掲載されました。
- ブリオンボールトリサーチ主任エィドリアン・アッシュの「2015年の金市場の先行き」
今週の主要経済指標の結果は、下記のリンクでご覧いただけます。
ロンドン便り
今週のロンドン便りでは、クリスマスの日の午後3時に毎年行われる、女王陛下のクリスマスメッセージと呼ばれる、女王陛下がその1年を振り返って行うスピーチについてお届けしましょう。
このクリスマスのスピーチは1932年にジョージ5世のラジオでの放送で始まり、ジョージ5世の息子のジョージ6世、そして娘のエリザベス女王へと引き継がれ、1957年にはテレビで放送され、2012年には3Dでも放映されています。
今年のメッセージのテーマは「和解」で、第一次大戦勃発から100周年であることからも、ここでもお伝えした、第一次大戦で亡くなった人々を追悼するロンドン塔のセラミックのポピーのインスタレーションにも触れ、第一次大戦中の1914年のクリスマスの日に戦っていた英国軍とドイツ軍が一時休戦をして、お互いにプレゼントを渡したという「クリスマスの休戦」についても語り、北アイルランドの和平協議やスコットランド独立などにおいて、和解と許すことが如何に大切かも説いています。
そして、アフリカでの紛争やエボラ出血熱の犠牲者のために働く援助活動家や医療関係者の無私無欲の行為を称え、“Even in the unlikeliest of places, hope can still be found.(思いもよらない場所でも、希望は見つけることができる。)”と結んでいます。
50年を越えてクリスマスメッセージを届けているエリザベス女王ですが、今年のメッセージはより心に響く内容であったように思います。
余談ですが、このメッセージの中で、女王陛下が北アイルランドのベルファストを訪れた際に、ゲーム・オブ・スローンズ(Game of Thrones)のセットを訪問したことに触れたことで、このテレビ番組のファンがソーシャルメディアで盛り上がっていたことも主要メディアは伝えています。
皆様は、どのようなクリスマスをお過ごしになりましたか?来る2015年が、皆様にとって素晴らしい年となることを、心からお祈りしています。