ニュースレター(11月14日)1169ドル ショートカバーによって金相場が急上昇
週間市場ウォッチ
今週金曜日のPM Fix金価格は、トロイオンスあたり1169ドルと、前週同価格から1.2%上げています。
週明け月曜日は金相場は金曜日のショートカバーによる急騰の調整と、ドル高株高が進む中、押し下げられることとなりました。
翌火曜日は、欧米がベテランズデー(退役軍人の日)で、多くの国が祝日あることからも取引薄の中、先週金曜日のようなショートカバーもあり、前日の下げを多少戻すこととなりました。
水曜日は、ウクライナ東部に再びロシア軍部隊が侵入したとの報道があり、一時的に金相場を動かしましたが、狭いレンジでの取引となりました。
木曜日もまた主要経済指標の発表がない中、狭いレンジでの取引となりました。
本日金曜日は、市場注目の米小売売上高が0.3%と発表され、予想の0.2%を多少上回ったことから、一時下げた金相場ですが、ミシガン大学消費者信頼感指数発表後にドルが弱含み、金が反発で戻したところで、ショートカバーが入った模様で、トロイオンスあたり1175ドルまで急上昇することとなりました。
コメックスでの金と銀の先物オプションのショートポジションが増加していることからも、このようなショートカバーによる価格の急騰が起こりやすい環境ではあるようです。
他の市場のニュース
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金値決めの新方式はICEがとり行うことが先週決まりましたが、この新方式に参加を希望する企業が既に13社(現在4社)あることをLBMAが火曜日明らかにしたこと。 -
欧米の経済制裁の影響から、ロシア中銀が国内で産出された金を購入していることをロイターが伝えたこと。 -
FXの指標レート操作疑惑の調査結果を受けて欧米主要銀行が制裁金の支払いを命じられたことが伝えられたこと。 -
イスラーム国が、過去に使われていた独自の通貨(純金と純銀)を発行することを発表したと伝えられたこと。 -
市場関係者の話として、ロンドン貴金属市場協会が、金融指標を扱うリスクを考慮し、来年1月30日よりゴールドフォワードレート(GOFO)を発表しない可能性があることが伝えられたこと。
ブリオンボールトニュース
本日、弊社 ロシア語サイトがローンチされました。今後は、ロシア語サーポートスタッフが、ロシア語でもブリオンボールトの顧客をサポートします。
ファ イナンシャルタイムズが、金値決めの新方式が先週ICEに決定したことを受けて、銀値決め、プラチナとパラジウムと金値決めの新方式が異なる3社で行われることの市場の反応、同日明らかとなったFXの指標レート不正操作のニュースにも触れ、詳細の解説記事を掲載しました。
ここでは、ブリオンボールトのリサーチ主任のエィドリアン・アッシュの「(世界最大のロンドン金市場が100年近く続くOTC取引であることに対して)希望する会社同士のOTC取引を制限する理由はない。」というコメントも取り上げられています。
今週のブリオンボールト市場分析ページには下記の記事が掲載されました。
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ブリオンボールトのリサーチ部門の「WGC最新レポート:第3四半期にインドの金需要が増加し中国を上回る」
今週の主要経済指標の結果は、下記のリンクでご覧いただけます。
ロンドン便り
今週英国では、人類史上初めて彗星に着陸機フィラエを投下したロゼッタ探索機のニュースがトップで伝えられています。
この探索機は欧州宇宙機関(ESA)によって2004年の3月に打ち上げられ、今年8月にチュリュモフ・ゲラシメンコ彗星に到着し、11月12日にロゼッタ探索機からフィラエは投下され着陸に成功しました。
当然人類初の快挙であることからも、このニュースは伝えられているのですが、このプロジェクトに参加している英国人科学者のMatt Taylor博士がユニークなキャラクターであることからも、メディアはこぞって彼のことも取り上げています。
彼の ユニークな点は、まず典型的な科学者の装いとは異なる奇抜な洋服のセンスと両腕を覆うタトゥーですが、ロゼッタ探索機からフィラエが彗星に投下された際に、専門家としてBBCのインタビューに答え、探索機が無事着陸しているタトゥーを自分の体にほったほど、その成功を確信していると語り、足のタトゥーを見せたビデオは、ツィッター等のソーシャルメディアであっという間に広まったとのことです。
Matt博士の家族に言わせると、彼は天才的な頭脳を持ちながらも、多層階の駐車場でどこに車を駐めたかを忘れてしまったり、かなり方向音痴であり、日々の生活ではあまり役に立たないこともある人だというコメントを取り上げた記事は、昨日の イブニング・スタンダード紙 では一面に取り上げられていました。
大学では物理を専攻し博士号を修得後、欧州宇宙機関(ESA)で勤務し、地球の回りのエネルギー粒子線、太陽風と地球の地場の関係等を専門としているとのこと。
本日は、フィラエ搭載の電池が今週土曜日までに無くなる可能性があると伝えられています。そのため、彗星のサンプル採集に必要な作業が出来なくなる可能性があり、太陽電池のパネルの方向を将来太陽に近づいた際に再度発電できるように動かすことも試みられているとのこと。
時空を越えてとまでは言わずとも、10年を越えて行われる、太陽系の起源を知るためのこのプロジェクトが、Matt博士等の多くの科学者の活躍で、より多くのデ-ターを入手し成功することを祈って止みません。