WGC最新レポート:第3四半期にインドの金需要が増加し中国を上回る
金市場開発団体のワールド・ゴールド・カウンシルが本日発表した最新レポート「Gold Demand TrendsQ3 2014 (2014年第3四半期の金の需給)」によると、インドの宝飾品需要が第3四半期に前年同四半期比60%増となり、総需要量が226.1トンと、2011年以来世界一の金の消費国であった中国の194.1トンを上回った。
ちなみに、中国の金需要は前年同四半期比37%減と、2013年の金相場急落による金需要の急増の影響を受けている。しかし、中国の金需要の中でも前年同四半期比38%減と大きく下げた宝飾品需要は、今四半期157.1トンであり、2012年同四半期が148.2トンとほぼ同水準であることからも、2013年が突出していたことが明らかであるとこのレポートは述べている。
世界の金総需要は2014年第3四半期929.3トンと、前年同四半期比2%減となった。この内、宝飾品の需要は4%減で534.2トン、金地金と金貨を含む投資需要は6%増の204.4トン、テクノロジーは5%減の97.9トンとなった。
なお、投資需要において顕著であったのは、金のETFの残高の減少が今四半期41.3トンととなったものの、9月末までの通年で84トン弱の減少と、前年9月末までの12%に留まったこと。
なお、中央銀行の需要は92.8トンと前年同半期比9%減となったものの、通年においては、335トンと前年の324トンとほぼ同水準となっている。ここで、ロシアが全体の需要の半分以上を占めていることにレポートは注目している。
なお、ロシア中銀の金準備増加に関しては、今週ロイターが、欧米の経済制裁の影響からロシア国内で産出された金をロシアの商業銀行が国外へ売却できないことからも、ロシアの中央銀行が購入していることを伝えている。
金の供給サイドにおいては、今四半期は前年同四半期比7%減となったものの、通年では3,147.4トンとほぼ変化はなかった。
しかし、リサイクルは、2007年以来の低水準で、今四半期250.2トンと前年同四半期比25%減となっている。これは、金相場が下げていることからであり、先進国と発展途上国共に減少していることもレポートは明らかにしている。