ニュースレター(1月9日)1217.75ドル ギリシャのユーロ脱退懸念で金相場上昇
週間市場ウォッチ
今週金曜日のPM Fix金価格は、トロイオンスあたり1217.75ドルと前週同価格より3.8%上昇しています。
年明け、週明け月曜日は、25日に行われるギリシャ大統領選出「失敗」総選挙の結果、ギリシャのユーロ脱退の懸念が広がる中、株価が下げドルが買われ、リスクオフが進む中、金相場は上昇することとなりました。
また、WTI原油は2009年4月以来の50ドルを割ることとなりました。
翌火曜日は、前日の流れを受け継ぎリスクオフが進む中、金相場はトロイオンスあたり1220ドルを超えるまで上昇することとなりました。この要因として、米国ISM非製造業景況指数が、予想と前回を下回ったことも上げられています。
水曜日は、注目のFOMCの議事録が発表されるのを市場が待つ中、金相場は緩やかに下げることとなりました。これは、同日発表されたユーロ圏の消費者物価指数が-0.2%と予想と前回を下回ったことから、ECBによる量的緩和が近いと市場が見たことから、ユーロが下げドルが上げたためです。
そして、ニューヨーク時間外にFOMC議事録が発表され、内容が予想よりもタカ派的コメントではなかったことから金は多少買い戻されることとなりました。
木曜日は、株高、ドル高が進む中、金は緩やかに下げることとなりました。これは、欧州中央銀行(ECB)のドラギ総裁が、ECBが今後実施する刺激策がどのようなものであっても国債購入を含む可能性があると述べたことが好感され、株高となり、ユーロ安ドル高が進んだことからです。
また、米シカゴ連銀のエバンス総裁が、シカゴ大学での講演で利上げを早めるリスクについて、「カタストロフィー(壊滅的)」という強い単語で表現した事も伝えられたことが、利上げは開始されても緩やかなものになるという観測が広がり株高も進んだようです。
金曜日は、12月の米国雇用統計が発表され、非農業部門雇用者数は、25.2万人と、予想の24万人を上回り、前回数値は32.1万人から35.3万人へと上方修正され、失業率は5.6%と前回5.8%と予想の5.7%より改善していることが明らかとなりました。しかし、米平均時給は前月比−0.2%と予想と前回を下回り、前年比でも1.7%と低い水準となり、労働参加率も62.7%と前回修正値の62.9%を下回っったことからも、金相場は上昇することとなりました。
その他市場のニュース
- 2014年のインドの金輸入が、インド政府の数々の金輸入規制にもかかわらず、前年比8.5%増の849トンとなったことがレポートされたこと。
- 11月の香港から中国へのネットの金輸出が99トンとなったことを中国国家統計局が発表したこと。
- CMEが金の1キロバーの先物コントラクトを1月26日から香港で取引可能とすることを伝えたこと。
ブリオンボールトニュース
今週は新年早々仕事初めということもあり、弊社リサーチの分析が、多くの英国主要メディアで取り上げられました。
- 火曜日に発表された、ブリオンボールトが毎月まとめている、個人投資家の金投資の傾向を示す金投資家インデックスは、12月に50.5と11月の52.1から大きく下げ、2010年2月以来の低水準でとなり、下げ幅は2013年春以来の大きさとなったことがブルームバーグで伝えられました。
- ブリオンボールトのリサーチ主任エィドリアン・アッシュの、ポートフォリオに金を含めることで、収益率がどのように変化するかについての分析がBankrate.comで取り上げられました。
- 著名ファンドマネージャーの金相場の先行きの分析をまとめた、英主要日刊紙テレグラフの記事で、ブリオンボールトが金投資方法の一つとして取り上げられました。
- 英国主要日刊紙のディリーメイルのウェブサイトで、ブリオンボールトリサーチ部門の、主要アセットクラスの年間収益率の比較、金投資家インデックス、ポートフォリオにおける金の割合とその収益率の分析が取り上げられ、ブリオンボールトが金投資方法の一つとして紹介されました。
今週の主要経済指標の結果は、下記のリンクでご覧いただけます。
ロンドン便り
今週は日本に休暇で来ていますので、ロンドン便りはお休みさせていただきます。