金市場ニュース

ニュースレター(1月22日)1096.25ドル 世界株安、原油安が金相場を押し上げる

週間市場ウォッチ

今週金曜日のLBMA金価格のPM価格はトロイオンスあたり1096.25ドルと前週同価格から0.2%上昇しています。

週明け月曜日は、キング牧師の誕生日の祝日で米国市場が閉まっていたことからも、狭いレンジでの取引となりました。

しかし、この間原油価格は28ドルを割るなど、過去12年間の最低の水準へと下げることとなりました。これは、週末16日にイラン制裁が解除されたことによる、イラン産原油輸出を警戒したことが要因となった模様です。

また、同日中国人民銀行は、オフショア銀行の人民元預金に預金準備率を適用すると発表しました。これは、中期的に人民銀行によるオフショア人民元管理の強化、長期的には国境を超えて人民元の流れを管理するシステム構築を目指すものとされています。

火曜日金相場は、中国のGDPが前年比6.9%増とぶりの25年の低い伸びであったものの、中国政府の何らかの政策が期待されたことから、中国と欧州株式が上昇する中、緩やかに下げることとなりました。

水曜日金相場は、原油が一時26ドル台へと下げ、世界同時株安が進む中、トロイオンスあたり1104ドルへと上昇することとなりました。

なお、同日発表の米国消費者物価指数は、前月比-0.1%、前年比0.7%と、共に予想0%と0.8%を下回り、住宅着工件数も予想の120万件を下回る114.9万件なりました。また、ゴールドマン・サックスやIBMなどの予想を下回る米企業決算報告も株安の要因となった模様です。

木曜日は、同日行われた欧州中央銀行の金融政策発表では、主要政策金利と中銀預金金利が、それぞれ0.05%と-0.30%と据え置かれましたが、ドラギ総裁の記者会見のコメントで、3月金融緩和が示唆されたことからも、追加緩和期待が広がる中、前日の下げの反発もあり、株式市場が上昇し、ドル建て金相場はロンドン時間に下げていましたが、ニューヨーク時間に原油価格が上昇始める中、金相場も上昇することとなりました。

本日金曜日、金相場はロンドン時間緩やかに下げることとなりました。これは、前日の流れを受け継いで株式市場が戻し、ドルが強まったことからです。しかし、ニューヨーク時間に入り、金相場は上昇しています。

なお、今週の26ドル台まで下げた原油価格は17%上昇して31ドル台へと上げています。

その他の市場のニュース

  • 先週末に発表された、先週火曜日のコメックス金先物・オプションの資金運用業者のネットロングポジションは、過去9週間で初めて強気となったものの、小口の報告不要ポジションは未だ弱気で、過去26週間で20週ネットショートとなったこと。それに対し、コメックス銀先物・オプションの資金運用業者のポジションは、2013年以来初めてネットショートとなったものの、小口の報告不要ポジションは未だ強気でネットロングとなったこと。

  • ETFにおいても、金と銀のセンチメントは異なり、金の最大銘柄のSPDRゴールドシェアは、昨年11月初旬の水準へと残高を増加させていますが、銀のiシェアーズ・シルバー・トラストは、過去2ヶ月で最も低い水準へと残高を減らしていたこと。

  • プラチナ価格が金価格を下回る水準へと下げていたことから、2015年に日本地金商大手の田中貴金属工業のプラチナの販売量が前年比3.6倍となったことが伝えられたこと。

  • 木曜日に、バークレイズ銀行がインベストメントバンク部門の1200人の人員を削減することが伝えられ、内部メモによるとと言及した上で、貴金属ビジネスを売却することも検討しているとも伝えられたこと。

  • ロンドン貴金属取引所(LME)が、ワールド・ゴールド・カウンシルと5つの銀行と共に、金の先物コントラクトや、セントラル・クリアリング(中央清算)の可能性を検討しているとブルームバーグが伝えたこと。

ブリオンボールトニュース

毎月月初にブリオンボールトがまとめ、発表している金投資家インデックスの12月の数値について、金に関する日本語情報サイトのゴールドニュースサイトが「金・銀投資への個人投資家のセンチメントは引き続き強気」と取り上げています。

12月の数値では、金投資家が引き続き強気であることが明らかとなりましたが、更に2015年年間でも、金投資家は、金保有量を1.7トン増加させるなど、価格の下げを利用して着実に金を積み増していることが明らかとなりました。これにより、ブリオンボールトの売上も10%増の3億7500ポンド(約625億円)となったことも伝えられています。

今週の市場分析ページには下記の記事が掲載されました。

ロンドン便り

今週英国では、2006年11月に毒殺された、元ロシア連邦保安庁(FSB)幹部アレクサンダー・リトビネンコ氏の公聴会の報告書について大きく伝えられています。

当時、英国の諜報機関MI6やスペイン政府にロシアの組織的犯罪関連のアドバイスをしていたリトビエンコ氏が、ロンドン市内の日本大使館もある高級オフィス・住宅街メィフェアのホテルで、日中お茶に放射性物質ポロニウム210を入れられて毒殺されたことからも、大きなニュースで伝えられていました。

ロンドン警視庁は、リトビネンコ氏を殺害したのは、このメイフェアのホテルでリトビネンコ氏と会っていた、旧ソ連国家保安委員会(KGB)元職員アンドレイ・ルゴボイとドミトリ・コフトゥンの両容疑者と特定しています。

しかし、2人はそれぞれロシアに逃亡し、ルゴボイ容疑者はロシア国家会議の議員に当選しており、ロシア政府は英政府の身柄引き渡し要求をずっと拒否しています。

今週は公聴会の結果、すでに起訴されているロシア人2人の犯行を断定した上で、FSBに指示されたのはほぼ間違いないと認定し、「(この暗殺を)ロシアのプーチン大統領やニコライ・パトルシェフFSB長官(当時)がおそらく承認していた」と結論付ける報告書が発表されました。

ロシア外務省はこの報告書を受けて「事件は政治的に利用されている」と調査を批判したと伝えられています。

クリミアを併合するなどウクライナ問題では、ロシアに強い姿勢で向かった英国キャメロン首相も、シリアやイラン情勢でロシアと協力する必要もあり、この報告書発表後に強くロシアを非難することが困難であることも、インタビューの中で垣間見えています。

英国政府は、報告書が発表された後、テレサ・メイ国務長官が、ロシア政府を強く非難するとともに、容疑者の資産凍結を発表していますが、その対応は甘すぎるというのがメディアや世論のコンセンサスのようです。

英国政府には、ロシアを敵に回すことは避けながらも、英国内で法的に認められて暮らしていたリトビネンコ氏の暗殺を許すことなく、解決に向けてあらゆる政治力と外交力を使ってもらいたいものです。

ホワイトハウス佐藤敦子は、オンライン金地金取引・所有サービスを一般投資家へ提供する、世界でも有数の英国企業ブリオンボールトの日本市場の責任者として、セールス、マーケティング及び顧客サポート全般を行うと共に、市場分析ページの記事執筆および編集を担当。 現職以前には、英国大手金融ソフトウェア会社の日本支社で、マーケティングマネージャーとして、金融派生商品取引のためのフロント及びバックオフィスソフトウェアのセールス及びマーケティングを統括。

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