ニュースレター(1月16日)1277.50 スイス中銀がスイスフラン上限を撤廃し金相場急騰
週間市場ウォッチ
今週金曜日のPM Fix金価格は、トロイオンスあたり1277.50ドルと、前週同価格から4.7%上昇しています。
週明け月曜日は、日本が成人の日で祝日の中、金相場は前週金曜日の上げを受けつぎ緩やかに上昇することとなりました。
前週金曜日の上げは、雇用統計の賃金が前月比マイナスとなったことが注目されたためですが、これに加え、原油価格が下げることによる株安、ギリシャのユーロ脱退懸念の広がりも要因となりました。
火曜日は、原油価格が5年9ヶ月ぶりに45ドル代へと下げる中、リスクオフが進み、世界的に株安ともなり、金相場は更に上昇しました。
水曜日金相場は、ロンドン時間午後からニューヨーク時間にトロイオンスあたり1240ドルまで過去3ヶ月の最高値まで大きく上げ戻すこととなりました。
この上げは、同日ヨーロッパ司法裁判所が、ヨーロッパ中央銀行が信用不安の拡大を食い止めるため2012年に導入したユーロ圏各国の国債の買い取り策につ いて、合法だという見解を示したこと、また、米小売売上高が前回と予想を下回る−0.9%となったことが要因とみられます。
木曜日は、スイス中銀が2011年9月以降行っていた、スイスフランの上限を抑えるための無制限の為替介入を中止することを発表し、スイスフランが急騰し、対ユーロでは30%強即座に上昇するなど、為替市場が荒れる中安全資産として金は買われ、金相場は急騰することとなりました。
金曜日も前日の流れを受け継ぎ、金相場は更に上昇し、ユーロ建て金相場は、2013年5月以来初めてトロイオンスあたり1100ユーロを超え、ポンド建て金相場は、過去15ヶ月で最も高い水準のトロイオンスあたり840ポンドを超え、ドル建てはトロイオンスあたり1280ドルと2014年9月以来の高い水準となりました。
その他市場のニュース
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世界銀行が世界の2015年のGDP成長率を3.4%から3.0%へと引き下げたこと。 -
ロンドン金属取引所(LME)の銅の価格が8%減と急落したこと。
ブリオンボールトニュース
今週は、先週発表されたブリオンボールトの金投資家インデックスの12月分の数値のプレスリリースが、金関連の情報を日本語で網羅するサイトのゴールドニュースで取り上げられています。
また、スイス中銀がスイスフラン上限を撤廃したことにより、安全資産としての金相場が大きく上昇したことを受けて、ブリオンボールトにおける取引量は、過去2−3年の日々の平均の2倍となり、2013年春の金相場急落時以来の高水準となったことが、英国主要日刊紙のタイムズ・オンラインで取り上げられました。
今週の市場分析ページには下記の記事が掲載されました。
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ブリオンボールト・リサーチ主任のエィドリアン・アッシュ「金投資傾向は過去5年で最低値へ」
今週の主要経済指標の結果は、下記のリンクでご覧いただけます。
ロンドン便り
今週も緊急で日本滞在が延びたために、ロンドン便りはお休みさせていただきます。