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金投資傾向は過去5年で最低値へ

個人投資家の金投資傾向を表す金投資家インデックスは、金相場が上げる中、ポートフォリオのリバランスが進んだことを示こととなりました。

2014年最後の金投資家インデックスは、過去5年間で最も低い水準となりました。ブリオンボールトのリサーチ主任エィドリアン・アッシュがここで解説しています。

オンラインにおける金現物投資においては世界最大のブリオンボールトにおける、実際に行われた取引を元に算出されている金投資家インデックスは、その月に金保有量を増加させた顧客数と減少させた顧客数のバランスを表すものです。

この数値が50である場合は、ブリオンボールトにおける54000人のユーザーのその月のネット購入者数とネット売却者数が完璧に一致したことを示します。

2014年12月のこの数値は、前月の52.1から50.5へと下げることとなりました。そしてこの下げ幅は、2013年春の金相場が25%急落した時以来の大きさであり、この数値は5年ぶりの低さともなりました。

ブルームバーグ端末においてはBVGDINDXとして表示されているこのインデックスは、2011年9月に71.7と最高値に至り、2010年2月に48.8と最低値を記録しています。

それでは、なぜこの月にこのように下げたのでしょうか?12月の金相場の上げは、米国ドル、ユーロ、英国ポンド全てで上げるという、2014年に6回のみ起きた稀なものでした。そのため、新規の投資を思いとどまらせるものとなり、既存の顧客の利益確定を進めるものとなりました。

また、年末の価格の上昇は、金を売却し他の投資商品を買うといった、ポートフォリオのリバランスを行う機会を与えるものともなりました。

2014年にドル建て金相場はほぼ横這いとなりました。しかし、英国の株価が1.2%下げる中、英国ポンド建て金相場は2014年に5.9%上昇しました。そして、ユーロ建て金相場においては、ユーロの価値が下げ、預金金利と国債の金利が下げる中、13%増となっています。

ユーロ圏の投資家においては、ポートフォリオ内の金の比重を高めていたことは、ユーロ圏の国の破綻やギリシャ総選挙後にユーロ脱退などが起こった場合、懸命な選択であったと後に思うかもしれません。しかし、ファイナンシャル・アナリストやメディアは、フランスやドイツの株式市場は、ECBがデフレ脱却のために今年量的緩和を開始した際には、急騰するだろうと予想しています。もしそうなるのであれば、2014年の金相場の上げを利用して、他の資産を購入したことは、十分に意味をなすでしょう。

しかし、金を株や債券と共にポートフォリオへ含むことは、収益率を大きく減少させること無く、リスクを軽減させることは、下記に示す年間の収益率で確認できます。ここにおいてはS&P500と米国債を保有している米国の投資家のポートフォリオに金を含むことでどのような効果があったかを表しています。

2015年の金相場はしっかりとしたものです。しかしこの水準は、金相場が過去最高値を記録した金融危機真っ只中の2011年から2012年の40%にすぎません。そのため、金を投資ポートフォリオへ含むことを考えているのであれば、時期を逃さないようにすることを薦めます。

エィドリアン・アッシュは、ブリオンボールトのリサーチ主任として、市場分析ページ「Gold News」を編集しています。また、Forbeなどの主要金融分析サイトへ定期的に寄稿すると共に、BBCに市場専門家として定期的に出演しています。その市場分析は、英国のファイナンシャル・タイムズ、エコノミスト、米国のCNBC、Bloomberg、ドイツのDer Stern、FT Deutshland、イタリアのIl Sole 24 Ore、日本では日経新聞などの主要メディアでも頻繁に引用されています。

弊社現職に至る前には、一般投資家へ金融投資アドバイスを提供するロンドンでも有数な出版会社「Fleet Street Publication」の編集者を務め、2003年から2008年までは、英国の主要経済雑誌「The Daily Reckoning]のシティ・コレスポンダントを務めていました。

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