コモディティマーケット大幅下落 今後の行方
ドットコモディティ株式会社コモディティ・アナリストの吉田哲氏が、9月末に急落したコモディティ価格の背景とその下値の目安を、「Commodity Board」で解説しています。
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●概略
9月23日(金)から週明け26日(月)にかけて、今月上旬に1,900ドルを突破し史上最高値を更新したNY金が1,600ドル台を割り込むなど、世界の株式・コモディティマーケットをはじめとしたリスク資産からの資金流出が相次いだ。
期間が延長され20日(火)・21日(水)に行われたFOMCでは、追加金融緩和についての言及が期待されたが、短期国債を売却し長期国債を購入し結果とし て長期金利を引き下げを図るという、積極的な緩和とは言えない施策が提示されたことで、FRBの手詰まり感が現れたことが嫌気され株式・コモディティマーケットは弱含む展開となった。
FOMC後は、再びマーケットの関心は欧州に向く展開となったが、週末にかけて行われたG20での欧州の金融危機への対応について、参加国の足並みが不ぞろいであることが露呈されたことが、株式・コモディティマーケットの更なる下落を招いた。
FOMCでの米金融政策の手詰まり感、欧州の金融危機への対応への足並みが不ぞろいである点がリスク資産からの資金逃避を誘い、現金化の動きが加速して大幅下落となったと考えられる。
コモディティマーケット全般では大幅下落による資金逃避により、主要銘柄で取組高の減少が目立ってきている。さらにNY金においては先週末に証拠金の引き上げにより投資効率の悪化から資金流出が懸念されている。
マーケットの厚みが低下する中で、一たびインパクトの大きいニュースが入ってくれば、今後も価格が乱高下することは想像に難くない。
●下値の目安:200日移動平均線
単に「下落したから割安感が生じている」とするよりは、一つの目安を設定し今後の値動きをうらなう材料とするのも一計かと思われる。
その目安の一つとなり得ると考えられるのが、株式や債券などで中長期のトレンドを推し量る際に用いられる手法とされる「200日移動平均線」である。
移動平均線は、過去の一定期間の値動きに対して今の値位置を相対的に比較し高いのか安いのかを表す目安として用いられることがある。
トレンドが出ている時には、移動平均線が「下値支持線」になったり「上値抵抗線」となったりする。
例えば、上昇トレンドの最中に価格が下落して移動平均線に接近すれば、過去の一定期間の値動きの中での安い値位置に接近していることとなり、割安感から買いが集まりその後価格が上昇すれば、この移動平均線は「下値支持線」とし相場をサポートした格好となる。
また、この「200日移動平均線」そのものが中長期的なトレンドを示すと言われ、「200日移動平均線」が上昇していれば、そのマーケットは中長期的な上昇トレンドを形成しているとされ、逆に下落していればそのマーケットは下降トレンドを形成しているとされる。
以上の点を踏まえ、「200日移動平均線」を現在のNY金のマーケットに当てはめてみると以下のとおりとなった。
9月26日の取引終了時点での200日移動平均の値は1523.1ドル、実価格との乖離は71.7ドル。
200日移動平均線の値が下値の目安となり、実際の価格と移動平均線までの乖離が下値余地という計算になる。
先述のとおり、米国の金融政策の手詰まり感や、欧州の金融危機への対応について足並みが揃っていないことに加え、取組高が減少していることでコモディティマーケットが今後も乱高下にさらされる可能性は否定できない。
「200日移動平均線」は一例だが、今後のマーケットの動向について目安を設定の上、今後の動向を注視していきたい場面と思われる。
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