インドの金輸入関税引き上げによる影響を憂慮
多くの業界関係者が憂慮していた、インドの金輸入税を引き上げが、今週インド政府によって行われた。
India Expressで取り上げられた野村證券のアナリストは、金のインドへの流れが、「非公式な方法」へとシフトするとコメントしている。
そして、「インド政府の関税引き上げは、(金輸入増加)の状況に働きかけるもので、必ずしもその原因に対応しているものではない。」と続けている。
「経常収支の赤字拡大は、インドの国外からの投資の必要性を高めた。」とNDTVは述べ、「1991年の通貨危機を思い起こすものだ。この際、インド準備銀行(RBI)は、国家破綻を避けるために、471トンの金をローンの担保として欧州へ送る必要があった。」
昨年1月から3月に精錬された金の輸入税が1%から4%へ引き上げられ、2012年10月までの12ヶ月間に、金の輸入は28%減少している。
インド国内の精錬業にとっては有利となるこの変更は、インド国内の既存の金をリサイクルを進める目的でもある。それは、精錬以前の金鉱石の輸入は、その率の引き上げは2倍に抑えられたからだ。
しかし、今回の精錬された金の輸入税を4%から6%に引き上げた際に、精錬されていない金鉱石への輸入関税も2%から5%へと引き上げられたため、先の恩恵はほぼ消失したことになる。
「中期的には、この引き上げにより金の輸入は押さえらるかもしれないが、それは緩やかなものでしょう。」とクレディ・スイスの貴金属チームはコメントしている。
2013年に10%金の輸入が減少することを予想し、「ルピーの通貨価値、インド国内価格の水準、インド経済の状況が、金の需要を決定することになると考える」と結んでいる。
先日発表された経済省の金輸入を抑えるためのレポートに関しては、「金を金融システムに組み込む方法や金ETFは、効果を上げないと考える。」とクレディ・スイスは予想している。
金の輸入は、インドの2011年から2012年の会計年度の輸入総額の11.5%を占めていると、ウォール・ストリートのインドの関連企業であるLiveMintは伝えている。
「これは、2008年から2009年の同数値が6.9%であったことから増加しているといえる。」
ワールド・ゴールド・カウンシルのムンバイ事務所所長のAmresh Acharya氏は、「金購入を行う根本的な目的は、インフレと通貨危機のヘッジである。」とロイターへ述べている。
「この目的を必要とする状況は引き続き存在している。」
ボンベイ貴金属協会の代表であるMohit Kamboj氏は、この輸入関税引き上げに関して、「政府への歳入はこれにより増えるが、輸入需要を消し去ることはない。」としている。
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