インドの新たな3%の物品サービス税(GST)が金市場にどのような意味があるのか
世界第2位の金消費国は物品サービス税の導入で間接税が簡素化されることとなりました。
金市場の開発団体のワールド・ゴールド・カウンシルは、3%の物品サービス税は、インドの経済を押し上げることから金需要を高めると予想しています。
新たな物品サービス税は、事前予想の5%を下回り、今後は金へ一律13%(10%の関税と3%のGST)と、これまでの12.5%(10%の関税と1%の売上税と0.5%のサービス税)より増加するものの、この税金を今までのように別々に支払う必要がなく一括で払えるとのこと。
過去5年間に関税や物品税は、世界第2の消費国の人々の金需要を抑えるために、引き上げられるなど変動し続けていました。そして、その一環として昨年11月には高額紙幣を廃止するという手段さえとられたのです。
しかし、モディ政権は物品サービス税(GST)を一律3%課することを今月初めに決定し、7月1日から導入されることとなります。
「この簡素化された税構成は、金のサプライチェーンを透明化し、効率を高める事となります。」とワールド・ゴールド・カウンシルは述べています。
「3%の物品サービス税(GST)は、業界の予想を下回りました。そして、業界の反応は、この変更により税率は多少高まるにもかかわらずポジティブです。」
アラブ首長国連邦の金のディーラーは、インドの新たな物品サービス税(GST)が発表されたことから、金の需要が一時的に高まることを予想しているとこの国のプレスがレポートしています。
「インドの金価格が多少ながらも物品サービス税(GST)の導入で来月上昇することで、アラブ首長国連邦の宝飾取引が、インドと比べてより魅力を増すことになります。
インドと中東諸国の金需要は、世界の金需要の35%を占めていると、先週シンガポールで行われたアジア・パシフィック貴金属会議で貴金属アナリストのPhilip Klapwijk氏が述べています。この割合は1980年代の22%からも増加していることを見ることができます。
しかし、このような需要は長続きはしないだろうとドバイのディラーは述べています。それは、アラブ首長国連邦と他の湾岸諸国は、その物品サービス税(GST)を5%へと引き上げ、来年1月に導入しようとしていることからです。
LiveMintのレポートによると、サービス物品税(GST)の導入前に、インドの宝飾店が在庫を増加させ、金購入需要が今ひとつであったことから、インドの金価格は世界価格比を下回っていたとのこと。
インドの金ディーラーは、輸入価格から3.50ドルのディスカウントを提示していたともロイターがレポートしています。これは、2016年末以来の水準でした。
6月から9月は通常はインドの金消費需要は下落します。それは、ヒンドゥー教の暦上は結婚に適した吉日がないことからです。
「アジアの金市場は静かだ」とトムソンロイターGFMSコンサルタント会社のアナリストのCameron Alexander氏ロイターに答えています。
「今週の価格の上昇は在庫増加を促したが、金購入需要は高まっていない。」と続けています。