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【金投資家インデックス】18ヶ月ぶりの価格の下げで金の購入が進む

しかし、金投資を新たに始めようとする人々の数は弱気市場並みの低い水準へ下げていました。

個人投資家の金購入は、6月に価格が18か月ぶりに下げたことから急増していました。ここで、ブリオンボールトのエイドリアン・アッシュがその背景を解説しています。

先月末に金価格は、2016年11月にトランプ大統領が就任して以来最大の月間での下落率を記録していました。

このドル建てで4.7%の下げ幅となった先月、ブリオンボールトの顧客で月間で金売却が購入を上回ったネット売却者数は5月から44.7%減で、月間のネット購入者数は10.0%増となっていました。

そのために、金投資家インデックスは、5月の9ヶ月ぶりの低さの52.4から今年最高の54.8へと上昇していました。そして、この数値の前月からの上昇率は昨年9月以来の高いものでもありました。

個人投資家の金投資へのセンチメントを表す金投資家インデックスは、ブリオンボールトの顧客が実際に行った取引のデータを基に算出されており、50である場合は月間のネット購入者数がネット売却者数と完ぺきに一致したこととなります。

そしてこの数値は、トランプ大統領が就任以来、20ヶ月中17ヶ月で月間平均金価格と逆の動きをしています。

 

 

個人投資家は、価格が下げている時に購入し、上昇している際に一時的に購入を止めるか利益確定をするなど、金投資に対しては未だ慎重であるようです。

この慎重さは、株式市場が悪化する政治的リスクや貿易摩擦に関わるリスクに耐えられる間は、理解できるものです。

しかし、慎重ではありながらも金価格の急落で購入が進んだことで先月金投資家インデックスの数値が上昇したことから、新たに金を購入した投資家の数が2015年末の弱気市場が終了して以来の低さであるという、金への興味が必ずしも高くないという状況を隠してもいました。

ブリオンボールトにおいて新たに金を購入した投資家数は、先月の4年ぶりの低さとほぼ同じでありました。

Google Trendsのデータでは、「Buy gold」のインターネット上での検索数は、5月の11年ぶりの低さから大きく変化してなく、金融危機直前の2007年7月以来の低い水準となっていました。

2018年の年初からの新規顧客数は、過去5年間の6ヶ月毎の平均値から25%減となっています。これを地域別に見ると、米国からの顧客数は24.8%減、英国は34.6%減、そしてユーロ圏は15.5%減となっていました。

しかし重量で見ると、ブリオンボールトの顧客は、その保有量を6月に52.5キロ増加させ、顧客全体が弊社の保管場所のロンドン、チューリッヒ、ニューヨーク、トロント、シンガポールで保有する金の総量は38.6トンと、史上最高値を記録した今年3月の38.8トンを若干下回る量まで増加させていました。

 

 

そして、銀の需要もまた重量においては6月に増加しており、ブリオンボールトの顧客の銀保有量は5トン増の722トンと史上最高となっていた。ちなみに、この総量は7ヶ月連続で史上最高値を更新し続けていました。

銀のネット売却者数は、5月から7.1%減少していたものの、ネット購入者数も0.8%減となっていました。そのために、銀投資家インデックスは、5月の50.6から50.9へと若干の上昇のみにとどまっていました。

ブリオンボールトは2017年からプラチナも提供しており、先月はブリオンボールトの顧客によるプラチナの購入量が金購入量を上回り56キロ増の0.6トンと、顧客によるプラチナ保有量は、新記録を更新していました。

そして、7月初旬のドル建てにおいて新たな14年ぶりの大幅なプラチナ価格の下げは、再びバーゲンハンター的動きを引き起こしました。

しかし、個人投資家全般を貴金属投資へと向ける力とはなっていないようです。

多くの貯蓄家や投資家は、メディアの見出しを飾っている、既に上昇を続けている投資商品を好んでいるようです。

そして、2018年夏に、残念ながら金と銀とプラチナ価格には、全くその気配が見られないようです。

 

エィドリアン・アッシュは、ブリオンボールトのリサーチダイレクターとして、市場分析ページ「Gold News」を編集しています。また、Forbeなどの主要金融分析サイトへ定期的に寄稿すると共に、BBCに市場専門家として定期的に出演しています。その市場分析は、英国のファイナンシャル・タイムズ、エコノミスト、米国のCNBC、Bloomberg、ドイツのDer Stern、FT Deutshland、イタリアのIl Sole 24 Ore、日本では日経新聞などの主要メディアでも頻繁に引用されています。

弊社現職に至る前には、一般投資家へ金融投資アドバイスを提供するロンドンでも有数な出版会社「Fleet Street Publication」の編集者を務め、2003年から2008年までは、英国の主要経済雑誌「The Daily Reckoning]のシティ・コレスポンダントを務めていました。

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