【金投資家インデックス】金と銀の投資需要が記録を付け、1月として過去最大の需要を記録
2月1日の新規顧客数は2020年2月の一ヶ月分へ急増していました。
昨年の記録的な数の個人投資家が新たに金地金現物への投資を行った後、2021年1月には、更に過去に例のない数の個人投資家が貴金属投資を初めていました。
今年1月には、PCサイトとスマートフォンアプリで金地金、銀地金、プラチナの現物取引をオンライン市場で提供し、38億ドル(4,020億円)相当の顧客保有地金を保管するブリオンボールトでは、創業以来15年間で最高の1月の金投資需要と新規顧客数の記録を更新していました。
これは、1月の最終週末に初めて口座を開設した人の数が記録的な数字となったことにも牽引されていました。そして、その需要は2月一週目にも継続し、2月初日の月曜日は、1日で開設された新規口座数の過去最高記録をも更新することとなりました。
そしてその数は、昨年2月一月分の数値とほぼ同じ高い水準でした。
現在の金の需要増加は数年前から始まっていましたが、昨年のコロナ危機は、記録的な貴金属の需要に拍車をかけましたが、2月の第一週は前例のない高い水準で新規口座開設が行われていました。
これは、より多くの人々が、これまで以上に現物の金地金を貯蓄や投資に加えているということからでしょう。
先月の金地金需要は、0.4トンの顧客の売却量を遥かに上回り、2470万ドル(26億円)相当の資金流入という1月の記録を達成し、ノーザンロックが倒産した直後の2008年1月と4年後の欧州債務危機の際をも上回ることとなりました。
2012年1月以来の銀需要に加え、プラチナ(主に工業用金属で、グリーンエネルギー技術や電子機器など幅広い用途に使用)の需要が継続していることからも、すべての顧客資産の価値が米ドル建てで、前年同月比53.0%増(円建てで47.4%増)となっていました。
そして、2月第一週の銀の保有総額は創設以来初めて10億ドル(1,050億円)を突破することとなりました。
そこで購入者数と売却者数のバランスを表す金投資家インデックスは、先月前月比1.4%上昇して57.8に達し、2011年以来の1月としては最高値を記録していました。
この数値が50.0である場合、売却者数よりも購入者数が多いことを示しています。昨年3月に世界的なコロナ危機により、金投資家インデックスは65.9に達し、8年半ぶりの高値を記録していました。
2021年1月には、ブリオンボールトで口座を新たに開設した顧客数は、前年同月比133.9%増で、過去10年間の1月の月間平均を127.3%上回っていました。
そして、これは英国と米国の投資家によって牽引され、それぞれの国の新規顧客数は、前年同月比364.0%と242.9%増と上回っていました。
2月は1日月曜日に一日あたりの口座開設数の記録を更新し、昨年2月一ヶ月間の87.9%を1日で記録して始まっていました。
これはなぜなのでしょうか。
新年は金・銀投資の新規口座開設が活発になる傾向があります。1月の新規口座開設は、過去10年間で7回、12ヶ月間の平均を上回っていました。
2020年にコロナ危機が始まって以来、金や銀を少しでも保有することの緊急性は、特に米国や英国の投資家の間で、これまで以上に高まっているようです。
景気回復に向けた厳しい見通しは、記録的な低金利、過去にない水準の緩和的金融政策、膨大な財政赤字と相まって、現物金地金の歴史的にも富を保全する役割からも魅力を高めています。
一方、銀地金投資家インデックスは、1月に10.3%上昇し、4ヶ月間の最高値の59.8となり、1月の数値としては過去10年では最も高い値を記録していました。
先週のレディットユーザーによる銀地金の購入を促す投稿は、水曜日の夜から銀価格を20%押し上げました。そして、2021年の銀地金は、世界の経済環境を背景とし、特にグリーンエネルギーや5G通信設備の導入による産業需要の堅調な見通しの両面から見ても、確かなものであると考えられます。
新たな関心が高まる中で、銀貨などを販売する地金商は在庫が尽きることとなりましたが、専門市場の保管場所には十分な在庫があります。そこで、品不足というのは、単に短期的なロジスティックスによる問題であり、銀の在庫不足ということではありません。
このような状況の中で、銀地金を購入する際には、需要を満たすことに苦労しているディーラーがいるため、コインや小型地金のマージンが上昇することに注意しなければなりません。また、専門市場以外で銀を購入する際には、英国や欧州の投資家は付加価値税(VAT)を支払わなければならないことも気をつけるべきです。これは、専門市場の地金のみを提供しているブリオンボールトを利用している人々が避けられる費用です。