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【金投資家インデックス】個人投資家の金購入がコロナ危機が継続する中で記録的水準へ

先行きの不透明さが個人投資家を金現物購入へ向かわせているようです。

金投資センチメントは、新型コロナウイルス感染が引き続き世界に広がる中で、かつて無い強さを見せています。

先月6月末までに顧客の31億ドル(3360億円)相当の貴金属を保管するブリオンボールトは、個人投資家が金を購入してロンドン、チューリッヒ、ニューヨーク、シンガポール、トロントで保管することを可能とするサービスを提供しています。

ブリオンボールトの金投資家インデックスは、その月に金を購入した顧客数と金を売却した顧客数のバランスによって、85,000人の顧客全体の金へ対するセンチメントを示します。この数値が50であった場合は、その月の購入者数と売却者数が完璧に一致したことを意味するように設定されています。

先月6月は、5月の60.7から下げているものの60.2と、4ヶ月連続で金投資家インデックスは60を超えることとなりました。これは、世界金融危機時の2011年8月から10月にこの高い水準を維持した期間を超える長さとなります。

そして6月の数値は、もし2020年3月からの急騰がなければ、8年半ぶりの高さでもありました。

金投資家インデックスの強さは、新規顧客数は3月から5月までの記録的な数値のほぼ半数となったものの、過去5年間の月間平均の2倍を超えるなど、新規顧客によって牽引されていました。

また、銀投資のセンチメントも6月に記録的な強さを見せていました。しかし、銀投資家インデックスは3月の史上最高値の75.1から引き続き下げて、5月の59.2も下回る57.0を付けていました。

しかし、Covid-19危機以前の5年間の平均と比較すると、銀投資家インデックスは6.3%上回っており、金投資家インデックスは10.7%上回っていました。

ブリオンボールトにおける新規顧客数は、6月に減少し、3月から5月までの記録的な数値から52%減となったものの、過去5年間の月間平均を135%上回っていました。これはユーロ圏からの新規顧客が157%増と牽引をしていました。

そして、ブリオンボールトにおける顧客保有の金総量は、0.7トン増加して43.6トンと再び最高値を更新し、その評価額は25億ドル(2670億円)となっていました。

また、顧客が保有する銀総量は18.1トン増の1,041.5トンと12ヶ月連続で最高値を更新し、その評価額は5億9800万ドル(640億円)となっていました。

この背景はどのようなものなのでしょうか。感染率から経済への影響など、新型コロナウイルスが世界へ与えた全容が明らかになるにはまだ時間がかかることでしょう。その間、その不透明感からも現物地金への需要は留まることがありません。世界的感染が広がる中で、発表されるデータの信頼性も疑問視され、多くの人々が資産を保全するために金購入を選択しているのです。

エィドリアン・アッシュは、ブリオンボールトのリサーチダイレクターとして、市場分析ページ「Gold News」を編集しています。また、Forbeなどの主要金融分析サイトへ定期的に寄稿すると共に、BBCに市場専門家として定期的に出演しています。その市場分析は、英国のファイナンシャル・タイムズ、エコノミスト、米国のCNBC、Bloomberg、ドイツのDer Stern、FT Deutshland、イタリアのIl Sole 24 Ore、日本では日経新聞などの主要メディアでも頻繁に引用されています。

弊社現職に至る前には、一般投資家へ金融投資アドバイスを提供するロンドンでも有数な出版会社「Fleet Street Publication」の編集者を務め、2003年から2008年までは、英国の主要経済雑誌「The Daily Reckoning]のシティ・コレスポンダントを務めていました。

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