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【金投資家インデックス】コロナ危機で新たな金投資家が急増するとともに 金・銀需要が記録的に高まる

記録的な需要と記録的な金と銀の新たな一般投資家数となりました。

先月5月に新型コロナ危機が一般投資家の安産資産としての金への需要を高め、工業用途の高い銀の需要も押上げていました。

そして、プラチナ需要の高まりと価格の上昇からも、ブリオンボールトで販売されて保管されている3つの貴金属の評価額が、5月末の段階で30億ドル(3230億円)を超えていました。これは、2020年初から23.7%増で昨年同時期からは51.1%増となります。

この需要増加は、今年3月から5月までの新規顧客数が、昨年の3ヶ月平均を413.5%上回るという記録的な数の新規顧客に牽引されていました。そこで、これまでの記録であった世界金融危機に起因する欧州債務危機の渦中である2011年8月から10月の数値を4.7%上回ることとなりました。

株式市場がロックダウン(都市封鎖)以降の経済回復への楽観的見通しで上昇する中で、多くの一般投資家は、セキュリティーの観点で分散投資をする必要性を強く感じています。

金は究極的な富保全の手段として2020年の様々な危機の中でその輝きを増しています。そして、現在世界の主要中央銀行が前例のない規模の金融政策、そして主要国政府が緊急経済対策を導入したことで、工業用途の需要が多く、しかもインフレヘッジでもある銀へもスポットライトを当てることとなりました。

コロナ危機が欧州と北米を襲った3月初旬以来、ブリオンボールトの顧客は3.8トンの金を追加購入保管していました。そして、この規模は2005年にサービスが開始されて以来の記録的なものでもあります。

これにより、顧客によって保有されている金地金量はほぼ1割増(9.7%)で、過去最高の42.9トンとなり、評価額で24億ドル(2560億円)となりました。

この金地金は保険がかけられた上で、顧客が選択可能なロンドン、チューリッヒ、ニューヨーク、トロント、シンガポールの5つの異なる保管場所で貯蔵されています。そしてこの規模は、中央銀行の金準備としても、トップ46を除く127カ国の中央銀行が保有する量を上回るものでもあります。

そして、金鉱山会社のマーケティング団体のワールドゴールドカウンシルがデータをまとめている、世界の75の金を裏付けとする上場投資信託の残高においても、トップ13を除く金ETFの残高を上回る規模となります。

金が10%ほどである工業用途需要が60%である銀においては、小売で販売されている銀貨や銀地金とは異なり、ブリオンボールトではVAT(付加価値税)20%が課されることはありません。そして、3月から5月までにブリオンボールトで購入されて保管された銀の量も190トンと過去最高を記録していました。

そして、顧客が保管する銀地金総量は、22.8%増で1,023トンのこれまでの記録を更新し、評価額も5億7900万ドル(620億円)に達していました。

金価格は5月にドル建てで8年ぶりの高値を更新し、他の主要通貨では史上最高値を更新していました。

そのような中で、月初から月末までに金を購入した量が売却した量を上回っていたネット購入者数は、3月の史上最高値から下げて、前月4月からも16.4%下げることとなりました。

しかし、売却量が購入量を上回っていたネット売却者数もまた23.6%下げていたことから、金投資家インデックスは5月に60.7と、4月の62.3から多少下げ、3月の8年半ぶりの高さの65.9からも下げることとなりました。

金投資家インデックスはその数値が50であった場合、その月の購入が売却を上回った顧客数と売却が購入を上回った顧客数が完璧に一致したこととなります。この数値は昨年6月に10年ぶりの低さの49.1まで下げ、米国国債の格下げや欧州債務危機、英国における暴動が起きていた2011年9月に71.7と最高値を付ていました。そして、今回のように3ヶ月連続で60を超えたのは2011年半ばに一度のみ記録しています。

銀投資家インデックスも3月に記録的なペースで急騰した後に、4月に67、5月二59.2と2ヶ月連続で下落していました。

それは、先月銀の購入量が売却量を上回っていたネット購入者数が4月から21.7%減少したのに対し、5月に銀価格は14.7%上昇して4年ぶりの月間で最も速いペースの上昇を見せていたことからも、売却量が購入量を上回っていたネット売却者数は41.3%増加していたからでした。

そして、プラチナの需要を見ると、顧客の保有量は前月比47.4%増加して1.4トンで、評価額は3300万ドル(30億円)となっていました。

ブリオンボールトは、サービスを開始以来15年間に貴金属投資を安全に簡単にそして対費用効果高く行うことを可能とすべくサービスを提供してきています。この世界規模の新型コロナウイルスの感染の拡大とロックダウン(都市封鎖)は、すでに安全に貯蔵されている地金を、自宅にいながらオンラインで24時間売買できるという利点をより明確にすることとなりました。

そして、貴金属コインや小型の地金は、多くの小売店は店舗を閉めなければならなかったことから、在庫補充や買取をすることができなませんでした。それに対し、ブリオンボールトのPCサイトとスマートフォンアプリで提供されているリアルタイム市場は、安全で流動性が高くスプレッドが狭い地金専門市場と繋がっていることからも、ロックダウン中も記録的な数の一般投資家が利用することを可能としたのでした。

専門市場で認められている保管運営業者とロジスティクス会社は、ロックダウン中に輸送に使う旅客機が通常のスケジュールで運行されてない中で、またソーシャルディスタンスを保って業務を行わざるをえないことで、顧客の保有する資産を安全に効率的に取り扱うのは困難こともあったものの、アジアと欧州と北米がロックダウンをして国境管理をしている際も確実に運営を続け、ブリオンボールトのサービス提供を可能としたのでした。

エィドリアン・アッシュは、ブリオンボールトのリサーチダイレクターとして、市場分析ページ「Gold News」を編集しています。また、Forbeなどの主要金融分析サイトへ定期的に寄稿すると共に、BBCに市場専門家として定期的に出演しています。その市場分析は、英国のファイナンシャル・タイムズ、エコノミスト、米国のCNBC、Bloomberg、ドイツのDer Stern、FT Deutshland、イタリアのIl Sole 24 Ore、日本では日経新聞などの主要メディアでも頻繁に引用されています。

弊社現職に至る前には、一般投資家へ金融投資アドバイスを提供するロンドンでも有数な出版会社「Fleet Street Publication」の編集者を務め、2003年から2008年までは、英国の主要経済雑誌「The Daily Reckoning]のシティ・コレスポンダントを務めていました。

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