「大きな政府」が金価格にどのような影響を及ぼしたのか
今年は、21世紀の傾向とは異なり、非常に稀な年となったようです。
2013年に、政府は小さくはなりませんでした。ブリオンボールトのリサーチ主任、エイドリアン・アッシュが、ここで解説しています。
しかし、金価格の急落は、政府の規模が急速に大きくならなかったためであるかもしれません。
今年、21世紀の継続していた傾向が終わりを告げました。それは、米国政府がその規模を急速に拡大することを止めたのです。
まず、議会が、第2次世界対戦以来最も少ない法律を通しました。その数は、タイム誌によると52であったとのことです。そして、この数は、それまでの最少であった1995年の88よりも、大幅に少ない数です。
次に、2013年は、米国連邦政府の歳出額が、2008年以来最も少ない年であったとのことです。
実際、米国議会予算局(CBO)データによると、2013年は3年連続で歳出が減少した年であり、1973年以来もっと下げ幅が大きかった年でもあります。
しかし、この稀な年においても、オバマケア(オバマ大統領が推進する医療保険制度改革法)、無人偵察機による暗殺、ほぼ全世界を監視するビックブラザー的監視体制を止めることはありませんでした。そして、米国政府の債務を減少させることもできませんでした。しかし、地方政府の債務を含む米国政府の債務総額は2013年に、2009年以来最も少ない増加となりました。これは、全体像を掴む上では重要な事でしょう。
私達は、より「小さい政府」が理想であると考えます。そして、大部分の金投資家は、「小さい政府」を望みます。事実、2013年がもたらしたのは、政府の規模拡大ペースの減速です。
しかし、貿易収支に現れる米国政府と米国消費者の二重債務は、一握りの金購入者が10年以上前に、その傾向をいち早く見い出す、重要なデータだったのでした。そして、米国貿易赤字が改善するには程遠い状況です。しかし、このレビヤタン(聖書の巨大な海獣)のような貿易赤字幅拡大の停滞は、今年の金価格を傷つける事となったのでしょうか。
多くのコメンテーターや社会主義者すらも気付いたように、人々は、政府を信頼できないために金を購入します。
その場合、2014年は米国政府の歳出は史上最高となることに注意すべきです。そして、その額は議会予算局によると、2023年まで留まることなく上昇し続けることが予想されています。
地方政府の債務も含む米国公的債務総額は、2006年以来最も速いペースで増加することが予想され、2018年以降までも毎年その史上最高額を更新し続けるとのことです。
そのため、21世紀の傾向である、「大きな政府」は終わりを告げていないのです。それは、単に連続的データが、今年多少なりとも迂回しただけだったのです。