GFMS Gold Survey 2014
スタンダードバンク東京支店長の池水雄一氏が、「池水雄一のゴールドディーリングのすべて2」で、今週発表されたGFMSの最新レポート「Gold Survey 2014」をまとめています。
今週は GFMS Gold Survey2014の要旨をまとめてみましょう。
東洋の需要の盛り上がりと西洋の機関投資家の売りによって、世界を動くゴールドバーの量は飛躍的に増大し価値ベースで25%も増えました。この強烈な現物買いは2013年後半に先物市場を少しだけですが、バックワーデションにしました。(現物が不足気味になり、先物よりも高くなる現象)西洋のETFから 出てくる現物をはじめととして、それらすべてを中国が吸収したのです。ロンドンのグッドデリバリーラージバー(約12kg)をリファイナリーでキロバーな どの個人投資家向けの小さなバーに鋳直す必要があり、それが時間のづれを起こし、各地のマーケットで現物のプレミアムが大きく上昇するになりました。
・鉱山生産は6%増加して3022トンで史上最高値を更新。
・生産のオールインコストは27%上昇して1620ドル。これは進行中のプロジェクトや延期されたプロジェクトの資産価値が商品相場の下げによって会計上下方修正されたため。約414ドルがその部分にあたり、これを差し引いたオールインコストは1205ドル。
・世界のスクラップ回収からの供給は22%減少して6年ぶりに低い数字である1280トン。これはドル建てゴールド価格が大きく下がったのが要因。
・現物需要の合計は15%増加。堅調だった宝飾需要と個人投資が減少した工業用需要をカバーし、その上に中央銀行の買いがありました。
・宝飾需要は18%の増加で2361トン、過去6年間で最高の数字。価格の下落がその最大の要因。
・工業用加工需要は2%の減少。電子材分野での省ゴールドの動きのため。
・現物投資は33%の急増で1377トンの過去最高数字となりました。中国とインドを中心とするアジアの主要マーケットでの大きな買いがその原動力でした。
・コインの生産は297トンで過去最高となりました。それに対してメダルはインドの需要減のため数量は減りました。
・公的機関の買いは前年から25%減少。ただ歴史的に見るとまだ高水準。
・鉱山会社のヘッジの買戻しが48トン。
以上