GFMS最新レポート: 2013年前半期に日本の金需要が8年ぶりにプラスに転じる
貴金属専門コンサルタント会社のGFMSトムプソン・ロイターが昨日発表した、2013年前半期の金市場を分析した最新レポートGold Survey 2013によると、今年4月と6月の価格の急落で需要が高まり、2013年前半期に日本の金需要が8年ぶりにプラスに転じたことが明らかとなった。
このレポートによると、世界の金需要においては、2013年前半期の価格の下げから、宝飾品は22.8%増となったものの、産業用は1.3%減、中央銀行などの公的機関は32.0%減、投資においては28.3%減となり、2009年以来の低い水準となっている。
投資需要は重量にして517トン減少し、評価価値にすると約2500億ドル減(34%減)となっている。これは、機関投資家が上場投資信託(ETF)や先物ポジションを解消したことから456トン減となったため。この背景として次のようなものが上げられている。
- 10年に及ぶ金の強気市場が終焉するという予測
- 株価上昇
- ECがキプロスの債務難に対して、金準備の売却を提案したこと
- 米連邦準備制度理事会(FRB)が量的緩和縮小が早期に行なわれるという観測
しかし、下記の表でも分かるように、金現物投資の金地金と金貨においては、52%増の725トンと記録的な水準に達している。
この現物投資需要において、価格の下げを投資機会としてドイツの需要が伸びた半面、フランスでは前年比50%減となった以外は、欧米市場では全般的に緩やかな増加となった。それに対し、インドの需要は155トンと前年比倍増している。また、中国においては、前半期に230トンと67%増となった。特に、第2四半期においては、価格の下げや中国国内に妥当な投資商品が不足していることなどから、148%増となっている。
そして、日本の需要については、第1四半期と第2四半期が全く異なるものとなったとのこと。第1四半期は、価格がグラムあたり5000円を超え、30年来の高水準となったことから、2.8トンマイナス需要となったものの、その後第2四半期にグラムあたり3800円と、2011年半ばの水準まで下げたことで、4.4トンの需要が見られ、前半期全体では8年ぶりに1.6トンのプラスの値となった。
供給サイドにおいては、2013年前半は、鉱山よりの産出量は3%上昇したものの、価格の下げから世界のリサイクル量は14%減となっている。
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