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ダウ平均株価が史上最高値を更新?

今週、ダウ平均株価が史上最高値を記録しています。しかし、この指標は、確かに史上最高値に至ったのでしょうか。この指標が見せる幻影の可能性を、ダウ平均株価をインフレ調整したもの、また金とのレシオとで比較し、ブリオンボールトのリサーチ主任エィドリアン・アッシュが解説しています。

米国の主要企業となったアップル社が含まれていないのは、ダウ平均株価の不可解なことの一つのです。

そして、新株の発行などの理由により連続性が失われないために設定されている、この指標を算出するために使われる除数(Dow divisor)が、特定な規則なく頻繁に変更されていることも不可解な点の一つです。しかし、先の二つの点は、この株価を表す指標が現在史上最高値を記録しているという、最も不思議な事実を変えるものではありません。

もしこの指標を正しく読み取らなければ、米国経済が急激に回復していることを示唆していると考えてしまうかもしれません。

そのため、どのような方法論を利用したとしても、ダウ平均株価は、他の資産価格を長期で計る数値同様の問題を抱えていることに注意するべきです。その問題とは、インフレーションが考慮されていないということです。そのようなことから、実際には、その価格は同等もしくは下げているにもかかわらず、この指標のみを見る限りは、資産価格が上昇しているように見えるのです。

そこで、ここでは、より身近な消費対象である朝食にかかる費用で調整した、インフレを考慮したダウ平均株価と、ダウ平均株価の推移を見てみましょう。

先のチャートからは、今世紀に入り、インフレーションのために、ダウ平均株価(紫色)が3000ポイント上昇したことが分かります。しかし、インフレを考慮した数値(茶色)においては、今世紀始めの価格を上回っていないことは明らかです。1960年代半ばにピークを迎えたインフレ調整後のダウ平均株価は、それを回復するために30年要しています。

それでは、ここではさらに株式市場と最も相関性が低い金と比較してみましょう。ダウ平均株価と金のレシオは、トロイオンスあたりの金のダウ・ジョーンズ工業株30種平均価値を表し、計算上は単純にダウ平均株価を金価格で割ったものです。

先のチャートを見ても分かるように、昨今の金価格の下げとダウ平均株価の上げは、過去13年間の傾向に多少変化をもたらしています。この13年間に、金は米国の選ばれた最も大規模な公開企業の平均株価を85%削ったのでした。そして、金を信望する人々が、頻繁に言及する、歴史的最低水準である1オンスがダウ平均株価の1ユニットの水準へと向かっているかに見えました。

しかし、今回株価は2011年後半から上昇し、対金価格でも上げたために、そのレシオは過去20年間で最も低い6.3オンスから9トロイオンス以上へと今週上げたのでした。

もちろん、これらのチャートから、今後の朝食にかかる費用、金価格、株価がどのように推移するかを予想することはできません。しかし、ダウ平均株価が史上最高値に至っていることに注目が集まる中、その数値の持つ意味を正しく理解する必要はあると考えます。

昨今の長期にわたるゼロ金利や金融の量的緩和の環境下において、先の朝食費用などでインフレ調整されたダウ平均株価やダウ平均株価と金のレシオは、少なくともダウ平均株価の幻影を取り除くことを可能とするのです。

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エィドリアン・アッシュは、ブリオンボールトのリサーチ主任として、市場分析ページ「Gold News」を編集しています。また、Forbeなどの主要金融分析サイトへ定期的に寄稿すると共に、BBCに市場専門家として定期的に出演しています。その市場分析は、英国のファイナンシャル・タイムズ、エコノミスト、米国のCNBC、Bloomberg、ドイツのDer Stern、FT Deutshland、イタリアのIl Sole 24 Ore、日本では日経新聞などの主要メディアでも頻繁に引用されています。

弊社現職に至る前には、一般投資家へ金融投資アドバイスを提供するロンドンでも有数な出版会社「Fleet Street Publication」の編集者を務め、2003年から2008年までは、英国の主要経済雑誌「The Daily Reckoning]のシティ・コレスポンダントを務めていました。

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