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2017年のリスクから金投資傾向が5年ぶりの高水準へ

個人投資家は、トランプ次期大統領の2017年のリスクを感じているようです。

欧米の金投資センチメントは、11月にドナルド・トランプ氏が大統領に選出されることで金価格が下落する中、2011年末以来の5年ぶりの高水準へと上昇していました。ブリオンボールトのリサーチ主任エィドリアン・アッシュがここで11月の金投資家インデックスの数値を解説しています。

世界有数のオンライン貴金属投資サービスを提供するブリオンボールトにおける、金の月間の購入者数は前月から29.8%増加し、売却者数は8.3%増加していました。

そのために、個人投資家の金投資傾向を、それぞれの月にネットで金を購入した顧客数とネットで金を売却した顧客数のバランスから算出している金投資家インデックスを、金融危機後のピークの2011年12月以来の高い水準へと押し上げることとなり、前月の56.8から11月に59.3へと上昇し、2016年の最大の上昇率となりました。

この数値は50の場合は、その月に金をネットで購入した顧客数と売却をした顧客数が完璧に一致したことを意味し、金投資家インデックスは、2011年7月に71.7と最高値を、そして2014年から2015年の冬には50.5という最低値を記録しています。

2016年は継続して市場のコンセンサスを揺るがしています。そして、直近は米国大統領選後の金価格の下落ですが、個人投資家はトランプ氏が大統領に就任後の世界経済への懸念を高めており、金融システムの保険としての金の価格の下げを購入の機会と見ているようです。

2017年は、国民総生産が今年のペースで成長することは難しいと考えます。英国のEUからの離脱と米国の保護主義の悪影響が出始め、フランスとドイツの総選挙等からも投資商品市場でもボラティリティの高まりが見られることとなると予想します。

金相場は2016年の始まりの水準へと現在は戻しつつありますが、今年は必ずしもポジティブではない金への市場のコンセンサスで始まったものの、金価格は上昇をしました。そして、再び市場のコンセンサスは市場リスクを甘く見始めているように見受けられます。

世界の中央銀行の金準備と比較すると、ブリオンボールトの顧客がブリオンボールトで保管している金総量は現在世界で47位の量となり、前月比0.8トン増で過去最高の37.1トンとなっています。

ブリオンボールトは2005年にそのサービスを開始し、世界の183ヶ国の64,000人の顧客が現在このサービスを利用しています。

金投資家インデックスとは異なり、銀投資家インデックスは10月の3年ぶりの高水準の57.2から11月に56.2へと下げています。

しかし重量においては、ブリオンボールトの顧客の銀保管総量は、11.7トン増の644トンと、史上最高の量となり、前年末からは18%増となっています。

11月には、米国ドルが強含み、米国株式が上昇し、銀価格も金価格同様に下落することとなりました。しかし、金価格とは異なりその下げは、今年6月の水準にとどまっていました。

それに対し金価格は、月間平均ベースで2月以来の低い水準まで下げていました。これは、8月の3年ぶりの高水準から8%下げとなります。これは、ドナルド・トランプ氏が大統領に選出された場合のアナリストの市場予想とは大きく異なるものでした。

資金運用業者やヘッジファンドは、金ETFの残高を急激に減らしています。そして、コメックスの金・銀先物・オプションのネットロングポジションも減少しています。金は2016年のように、2017年を始めることとなりそうです。これは、今年必ずしもポジティブではない金への市場のコンセンサスで始まり、金が上昇をしたように、再び市場のコンセンサスは市場リスクを甘く見始めているとも言えるかもしれません。

エィドリアン・アッシュは、ブリオンボールトのリサーチ主任として、市場分析ページ「Gold News」を編集しています。また、Forbeなどの主要金融分析サイトへ定期的に寄稿すると共に、BBCに市場専門家として定期的に出演しています。その市場分析は、英国のファイナンシャル・タイムズ、エコノミスト、米国のCNBC、Bloomberg、ドイツのDer Stern、FT Deutshland、イタリアのIl Sole 24 Ore、日本では日経新聞などの主要メディアでも頻繁に引用されています。

弊社現職に至る前には、一般投資家へ金融投資アドバイスを提供するロンドンでも有数な出版会社「Fleet Street Publication」の編集者を務め、2003年から2008年までは、英国の主要経済雑誌「The Daily Reckoning]のシティ・コレスポンダントを務めていました。

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