金ETFの最大銘柄SPDRゴールドシェアの残高が昨年5月以来最低水準へ
ファイナンシャル・タイムズ紙によると、今週25日に、このファンドが設定以来6年間で最大の資金引き上げが行われたとのこと。これにより、資金残高は昨年5月以来の最低水準に落ち込んだ。金の上場投資信託(ETF)は、過去5年間にその残高を大幅に増加し、金価格の上昇を後押ししてきた。
ブルームバーグによると、ETFを提供する10社の保有量は、25日に31トン減の2043.09トンと昨年8月以来の低水準となっている。この、減少率は2008年10月以降で最大。過去最高水準の2114.6トンに達した昨年12月20日以降、3.4%減少している。
米金融大手ゴールドマン・サックスの在ニューヨークアナリスト、デビット・グリーリ氏は、投資家が市場の調整局面での損失拡大防止を狙ったプット(売る権利)・オプション購入で金下落に備えた自衛策を取り始めたと述べ、また、クレディ・スイスの貴金属アナリスト、トム・ケンドール氏も、ヘッジファンドが1つか2つ、長期的な出口戦略の検討に入ったと、ファイナンシャル・タイムズ紙に述べている。
しかし金の売り持ちを勧めるストラテジストはほとんどいないとのこと。新年に入ってからの数週間、インフレ率が急上昇するアジアで金の需要は引き続き強いことが、スタンダードバンク東京支店長の池水雄一氏のブルースレポートにおいてレポートされている。
各国中央銀行も手持ちの金売却を中止し、ロシア中央銀が、外貨などからなる国際準備高に閉める金の割合を現行の約8%から引き上げることを今月20日に明らかにしたように、むしろ大口の買い手になっている。
さらに投資家の中には、FRBが「金融の量的緩和政策」を適切に制御ができず、米国は長期的に高インフレに直面すると予測する者もいる。高 インフレの下では名目金利が引き上げられても実質金利は低水準にとどまる。このシナリオでは投資家が金への投資を続けることも予想される。
GFMSのフィリップ・クラプウィク会長は、ファイナンシャルタイムズ紙とのインタビューで、仮にユーロ圏の信用危機が拡大した場合も金の上昇は続くと見る。巨額の債務を抱えた米国の州政府が新たな金融危機の引き金になる可能性があるとの見方すらある。
ドイツ銀行のダニエル・ブレブナー氏も、同紙に「市場は世界経済が低利の資金を利用せずともやっていけると信じ始めているが、我々はまだそれを確信できていない」とコメントしている。




