金市場ニュース

金相場の見通しとバーゼルIIIとそれに関わる意見について

市場はあらゆる意見と主張で溢れています。そして、それらは必ずしも全てが正しいものではないようです。ブリオンボールトのリサーチ主任のエィドリアン・アッシュが、今週に入って下落した金価格について解説しています。

金に関する意見は、常に市場に溢れています。現在も同様です。しかし、その意見には様々なものがあるようです。

「私を含み、強気傾向の人々が多すぎるのです。」と、著名なヘッジファンド設立者で、コモディティーの専門家でもあるジム・ロジャーズは、CNBCのOvernightで述べています。

投資銀行のモーガン・スタンレーは、「強気見解」を持っています。それは、ゴールドマンサックスの見解である、2013年初旬に新たな最高値後に下落するであろうというものとは異なるものですが。

スイスの投資銀行であるUBSは、先週2013年の金相場の見通しを、トロイオンスあたり平均1900ドルと据え置きました。これは、2012年の平均から14%増となります。それに対し英国のバークレー銀行は、2013年の金相場の見通しを1815ドルと、それまでの見通しから引き下げています。

バンク・オブ・アメリカは、2013年の金相場は平均2000ドル、2014年は2400ドルであると予想しています。また、Capital Economicsは、2013年後半に2200ドルと最高値となるであろうと予想しています。これは、それまでの予想を10%引き上げるものです。

ロンドンを拠点とするこのコンサルタント会社は、2011年時点では、2013年に2500ドルとなることを予想していました。また、他の多くの金市場の強気傾向を支持する人々同様に、世界の銀行の健全性を維持するための自己資本規制、バーゼルIIIにおける金の位置づけが、「金市場の心理的な押し上げ要因」となるであろうと予想しています。

それはなぜなのでしょうか。「欧州の規制当局は、金が流動性の高い良質の資産であるという認識を高めているのです。」と、Capital Economicsのコモディティーリサーチの主任であるJulian Jessopはそのレポートで次のように説明しています。

「他の規制においても金のこの側面を認めることとなるでしょう。そして、厳しい規制を満たすために金の需要が増加することで、何れ主要中央銀行がその金融政策を引き締めた際に、市場から例外的な流動性が取り除かれたとしても、金価格を支えることとなるでしょう。」

先のような意見は、インターネット上で多く見ることができます。しかし、金が近い将来「中核自己資本(Teir 1)」となると言及しているアナリストは注意すべきです。特に、その時期が新年早々などと言うアナリストの分析は信じるべきではありません。

それは、大部分の先進諸国は、先の規制の前段階であるバーゼルIIの基準を満たすことに困窮しているのです。そのため、バーゼルIIIを2013年に導入することは、志の高いものであっても、大部分の国レベルの規制当局は、その規制を導入することを意図的に遅延させているのです。そして、これらの規制下の金の位置づけは、未だに明確ではありません。規制当局は、金の価値の50%をその銀行の資本として認めるかもしれません。もしくは、その価値の100%を認めるかもしれません。その場合、その価値が市場価格の動きと共に変動することを現実的にどのように処理をするかを考慮しなければならないことでしょう。

しかし、金を「良質の流動性の高い資産」として認める可能性は、12年間の価格の上昇の後、大きなステップであることには変わりありません。これは、Capital Economicsが述べるように、金の「担保としての利用の増加」を意味することとなります。そして、銀行システムの中への復帰を意味することとなることでしょう。それは、1975年の正月に、米国市民にとって金が投資資産として復帰したように。

30年以上の間、米国で金を保有することは違法だったのです。ジェラルド・フォードの大統領令により、金の保有が許されたことは、1970年代の金の上昇から1980年の急騰に至った要因の一つといえるでしょう。米国の貯蓄家は、既に5倍となった金価格による、収益機会を逃したのでした。そして今日、世界の富裕層は金市場に参加することが可能となったのです。

しかし、「金価格は、1970年代に600%上げています。」とジム・ロジャーは2007年に述べています。「そして、金価格はその後2年間毎月下落したのです。そのために、大部分の人々は金投資をあきらめたのです。」

1975年から1977年に金投資をした人々が、金投資を行わなくなったことは理解できます。この間金価格は半分に下落したのです。しかし、ジム・ロジャーは「強気市場にはこのようなことが起こるのだ」と述べています。そして、実際「1977年から1980年の間には、850%上げているのです。」とも。

それでは、2012年末へ早送りして見ましょう。「金価格は調整の時期なのです。」とジム・ロジャーズは今週述べています。「過去15~16ヶ月間、価格の調整が行われています。そして、それは本来行われるべきものだと考えます。そして、この状態は今後も継続するでしょう。」それは、1970年代の強気市場で、一時的に調整期間があったものと類似しているかもしれません。

そして、その調整期間が終わる時期は、バーゼルIIIの基準を満たすために、商業銀行が金の購入を始める時期と重なるという意見も市場には出ているようです。

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資産保護のために金の購入をお考えですか。金の調査団体であり、金現物市場を開拓しているワールドゴールドカウンシル(WGC)が資本参加をし、一般投資家へそのサービスを推薦している、オンライン金取引において世界一の実績を持つブリオンボールトでは、日本のお客様にスイスでの金保管サービスを提供しています。

エィドリアン・アッシュは、ブリオンボールトのリサーチダイレクターとして、市場分析ページ「Gold News」を編集しています。また、Forbeなどの主要金融分析サイトへ定期的に寄稿すると共に、BBCに市場専門家として定期的に出演しています。その市場分析は、英国のファイナンシャル・タイムズ、エコノミスト、米国のCNBC、Bloomberg、ドイツのDer Stern、FT Deutshland、イタリアのIl Sole 24 Ore、日本では日経新聞などの主要メディアでも頻繁に引用されています。



弊社現職に至る前には、一般投資家へ金融投資アドバイスを提供するロンドンでも有数な出版会社「Fleet Street Publication」の編集者を務め、2003年から2008年までは、英国の主要経済雑誌「The Daily Reckoning]のシティ・コレスポンダントを務めていました。

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