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金先物への投機的資金(Hot Money)の流入

しかし、このような投機的資金(Hot Money)は、2014年の上昇傾向に変化があれば再び流出することでしょう。

ブリオンボールトのリサーチ主任、エィドリアン・アッシュが、金先物市場へ流入した資金について解説しています。

これらの資金は、金価格の上げ下げを追っています。そして、必ずしも成功をしているわけではないようです。

昨年夏に金価格が急落した際に、金先物市場においては、投機的資金が過去15年来の規模で、価格が下がるという賭けのポジションを増加させました。しかし、これらのポジションは、利益を出すことはありませんでした。

2014年に入り、金価格が上昇した際に、金先物・オプション市場の投機的資金は、同様に金価格が上昇するという賭けのポジションを増加させたのでした。

米国の先物市場の規制当局である米商品先物取引員会(CFTC)は、大規模な投機家を含む、商品市場のポジションを知りうる立場にあります。これは、「Commercial(商業的)」と分類される、銀行、精錬会社、金鉱会社、そして、先物ブローカーは「レポートの必要のない(Non-reportables)」と呼ばれる、小規模な投資家のポジションについても、この規制当局に届け出を出す必要があるためです。

このレポートは、毎週火曜日に米商品先物取引委員会(CFTC)によって発表されます。先週月曜日は、金価格は過去6ヶ月で最も高い水準へ上昇しました。これは、投機的資金(Hot Money)が流入したことからでした。

先週水曜日には、イエレンFRB議長が金利上昇時期について言及し、この時期はこれまで連邦準備制度理事会が示唆していた時期よりも早いものでした。

これは、投機的資金が流出をするきっかけとなりました。そのために、先週金価格が空気を失った風船のように下落したのでした。今年、金価格を1392ドルという高水準へ押し上げた大きな要因は、ヘッジファンドや高いレバレッジをかけた投機家の資金によるものでした。

先週火曜日に発表されたデータによると、金先物とオプションにおける投機家のグロスとネットロングポジションは2012年11月以来の高い水準となっていました。

更に注目すべき点は、昨年の急落前に最高水準を記録した2012年10月のネットポジションの半分の水準まで、いかに早く戻ってきたかということです。

そして、重要な点は、短期的には、小規模な投資家を含む投機家のネット・ロングポジションが、過去12週間中11週増加しているということです。

このような、長期に渡る強気傾向は稀な現象です。少なくとも2005年1月から見る限りは。そのため、投資家心理に大きな変化が起きたとも言えるでしょう。しかし、これは投機家が借りた資金で賭けをしているにすぎないとも言えます。レバレッジ無く取引を行う人々は、2013年よりも強気姿勢ではありますが、引き続き慎重な姿勢を崩していません。

金ETFの主要銘柄SPDRゴールドシェアの残高は、昨年12月の水準の816トンまで増加しています。ブリオンボールトにおいては、個人投資家は、先週の価格のピークではネットで売却を行い、その後価格を下げたところで購入をしていました。

私達は、金を購入し、金融資産の保険の位置付けからも、ポートフォリオに加えておくのは賢明であると考えています。しかし、金先物・オプション市場で見られるように、価格の上下を追いかけて取引をするのは賢明とは考えていません。しかし、この方法は、利益を追求し、より積極的な取引をするヘッジファンドやその裕福な顧客にとっては、相変わらず人気のある方法のようです。

エィドリアン・アッシュは、ブリオンボールトのリサーチ主任として、市場分析ページ「Gold News」を編集しています。また、Forbeなどの主要金融分析サイトへ定期的に寄稿すると共に、BBCに市場専門家として定期的に出演しています。その市場分析は、英国のファイナンシャル・タイムズ、エコノミスト、米国のCNBC、Bloomberg、ドイツのDer Stern、FT Deutshland、イタリアのIl Sole 24 Ore、日本では日経新聞などの主要メディアでも頻繁に引用されています。

弊社現職に至る前には、一般投資家へ金融投資アドバイスを提供するロンドンでも有数な出版会社「Fleet Street Publication」の編集者を務め、2003年から2008年までは、英国の主要経済雑誌「The Daily Reckoning]のシティ・コレスポンダントを務めていました。

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