金価格 - 昨年との比較
ドル建て金価格は、昨年同月と同水準です。それでは、ユーロ建て価格はどのようになっているでしょうか?
今年7月13日の金曜日は、ドル建て金価格において、過去11年間で7回のみ起こったことが起きています。ブリオンボールトリサーチ主任のAdrian Ashは、ここで昨今の金価格の動向を分析しています。
それは、金は12ヶ月前とほぼ同水準で取引されているということです。そのため、もし昨年7月13日に金を買った場合、1年後の同日のロンドンAM Fix価格ベースでは、昨年以来の収益はゼロとなります。
しかしこの間、ドル建て資産の保険、ヘッジ、もしくは投機目的で金を購入した場合、より高い価格を支払うことになったはずです。
ドル建て金価格は、過去12ヶ月で取引された227日間において、7月13日の価格を上回りました。この227日のうちの半分は2011年内で、残りは2012年でした。そして、取引された25日間のみが、7月13日のAM Fix価格を下回ったのです。そのため、13日の価格は午後に1595ドルまで上昇しましたが、過去一年間の平均価格を下回るものとなりました。

それでは、ユーロ建て金価格と比べてみましょう。先のチャートでも分るように、7月13日の水準を上回ったのは、過去1年間の取引日において、45日のみです。ちなみに、13日のロンドンPM Fix価格はトロイオンスあたり1300ユーロと、過去一年間で16%上げています。
これは、もちろんユーロが対ドル値を下げたためですが、ドル建てで金投資を行った人々にとっては利益のでなかった1年であっても、ユーロ建てで金投資を行った、フランス、ドイツ、イタリアや他の14のユーロ圏の国々の人々は、利益を上げたということになります。そして、ユーロが対ドル下げた背景は、なぜ人々が金を購入するのか、そして何時購入するべきかということに改めてスポットライトを当てることとなります。
欧州の債務危機は、世界経済を停滞させたかもしれません。一国の破綻、もしくはユーロ圏からの脱退が、リーマンショック以来の、世界的な混乱を引き起こすこととなるでしょう。しかしそれまでは、ユーロ圏の問題は、ユーロ圏内に留まることでしょう。そのため、もし金を購入する目的が、ユーロ圏の債務危機の保険という位置付けなのであれば、ユーロ圏内のそれぞれの国の危機からも資産を守るための保険であることとなり、そのようなことは不可能であるかもしれません。
例えば、2002年から2008年の米国ドルの価値の下落は、外貨準備高に占める通貨として第一位の米国ドルの位置付けについて多くの議論がなされることとなりました。この間、金融危機が発生するまでは、ユーロ建て金価格は全く変化しませんでした。そして、当時は一国の問題であると考えられた、米国不動産不況、サブプライムローン問題は、世界的な問題となったことは、記憶に新しいことでしょう。
今日ユーロ圏の債務問題はより深刻になりつつあります。ワールド・ゴールド・カウンシルのMarcus Grubb氏が、「ambient temperature(債務危機の高まりを気温の高さに例えたもの)」と呼んだものが、長期的なものとなりつつあります。そのため、将来的に米国ドル、英国ポンド、日本円建て投資家にとっても、投資機会となるうるかもしれません。その間、金を保有するユーロ圏の人々にとっては、金価格は市場最高値になりつつあります。これは、この危機がもたらす「ambient temperature」や背景の問題が危機的水準に高まっていることを示唆しています。

もし、この危機が米国ドルへも派生したらどうなることでしょうか。もしくは、米国の財政問題へと移行したとしたらどうでしょうか。ゼロ金利政策、長期間にわたる米国内の50の州の破綻という場合はどうでしょうか。2001年以来、今日のように、ドル建て金価格の動きが少なかった過去7回の金価格と1年後の価格とその変動率を表す先のチャートを見ると、この価格を下げている時期が金投資のとても良い機会であったことが分ります。
このように価格が変動しなかった際に金を購入していた場合、1年後の最小の収益率は24.7%となっています。つまりは、ドル建てで金投資を行った人々は、金価格が変動しなかった際の底値で購入した場合、過去には平均して、33%の収益率を上げることができたということになる訳です。
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