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金価格ディリーレポート(2026年7月6日)インフレへの注目が金・銀相場を圧迫、シティはロンドン地金市場で事業拡大

 

金価格と銀価格はともに月曜日のロンドン市場で2週間ぶりの高値から反落しました。米ドルが上昇し、原油価格もイラン戦争前の水準を上回って安定推移したことで、米連邦準備制度理事会(FRB)がインフレ抑制のため近く利上げを開始するとの市場予想が後退する動きが一服したためです。

2026年末時点のFF金利に対する市場予想は1bp上昇して3.93%となりました。これは、トランプ大統領が指名した新FRB議長ケビン・ウォーシュ氏の下で初めて開催された6月のFOMC(連邦公開市場委員会)を前日に控えた6月16日以来の低水準近辺にとどまっているものの、FRB自身が示した2026年末の政策金利見通しである3.8%を依然として上回っています。FRBはこの見通しを、従来予測の3.4%から引き上げていました。

今週水曜日には、6月中旬のFOMCで政策金利を年3.63%に据え置くことを決定した際の議事要旨が公表されます。

先週ポルトガル・シントラで開催された中央銀行フォーラムで、新FRB議長のケビン・ウォーシュ氏は「過去4週間でインフレリスクは低下しました」と述べました。

1年先インフレ期待と実際のCPI 出典元 セントルイス連銀

「1年物米国インフレスワップは、5月の3.5%から足元では約2.1%まで急低下しており、インフレ圧力の緩和を示唆しています。これは貴金属価格の下値を支える要因となる可能性があります」と、デリバティブ市場の動向を踏まえ、CFD・スプレッドベッティング大手のサクソバンクは指摘しました。

インフレスワップ、米国債利回り、各種調査データを組み合わせたクリーブランド連銀のモデルベースによる1年先期待インフレ率は、5月の3.5%から6月には3.0%へ低下しました。

同指標は過去10年間で、米国消費者物価指数(CPI)総合指数の前年比伸び率が前月から上昇するか低下するかという方向性を約60%の確率で正しく示してきました。

5月の米CPIは前年比4.2%と4年ぶりの高水準を記録しました。6月分のCPIは来週火曜日に発表される予定であり、同日にはクリーブランド連銀による7月分のインフレ指標を反映した最新の期待インフレ率も公表されます。

金現物価格は本日、一時トロイオンスあたり4,200ドルを上回り、6月22日以来の高値を付けました。先週金曜日には5週間ぶりの週間上昇を記録していました。

一方、工業用途やテクノロジー分野が最終需要の約60%を占めるロンドン銀価格は、5月初旬以来初めて週間ベースで上昇し、本日朝には63ドルを上回ったものの、その後は62ドルを割り込みました。

金価格もその後反落し、本日朝に付けた2週間ぶりの高値から50ドル下落しました。

これに対し、北海ブレント原油は0.6%の下落から反発しました。ホルムズ海峡の海上輸送が引き続き改善するなか、OPECプラス加盟国7カ国が、先月の米国とイランの「停戦」合意を受けて協調増産目標を引き上げることで合意したことが背景です。

「市場心理は最近、金に対してより前向きになっています」と、ロンドンの貴金属清算銀行ICBCスタンダードは、先週発表された米雇用統計が市場予想を下回ったことを受けたレポートで指摘しました。一方で、「米金融政策の行方は、雇用情勢だけでなくインフレ動向にも左右されます」と付け加えています。

本日公表されたニュースリリースによると、米金融大手シティグループは、米J.P.モルガン、英HSBC、スイスのUBS、そしてICBCスタンダードとともに、**ロンドン・プレシャス・メタルズ・クリアリング(LPMCL)**の新たなメンバーに加わります。

現在のLPMCL加盟4行は、5月にロンドン地金市場参加者向けとして、金・銀取引を1日当たり約900億ドル相当清算していました。

LPMCLは、このシティの加盟について「シティの貴金属事業における大幅な事業拡大」であるとし、この構想は昨年10月に初めて報じられていたものの、「世界の貴金属市場インフラをさらに強化し、LPMCLが市場の中核を担う存在であることを改めて示すものです」とコメントしています。

ホワイトハウス佐藤敦子は、オンライン金地金取引・所有サービスを一般投資家へ提供する、世界でも有数の英国企業ブリオンボールトの日本市場の責任者であると共に、市場分析ページの記事執筆および編集を担当。 現職以前には、英国大手金融ソフトウェア会社の日本支社で、マーケティングマネージャーとして、金融派生商品取引のためのフロント及びバックオフィスソフトウェアのセールス及びマーケティングを統括。

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