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金価格ディリーレポート(2024年5月20日)イラン関連の中東での緊張が高まる中、中国とコメックスの取引で金価格は急騰、銀は32.50ドルに達する

中東での地政学的緊張が高まる中、コメックス先物・オプションの投機筋のショートスクイーズと中国の先物市場の取引によって、金価格が史上最高値と銀価格が12年ぶりの高値へロンドン月曜日早朝に急騰した後に、ロンドン時間昼過ぎには一旦その上げ幅を失っていました。
 
ロンドン市場の金スポット価格は、上海先物取引所で投機的な取引が再び活発化し、金曜の午後3時のロンドンの専門市場の世界指標価格でトロイオンスあたり2402ドルの史上最高値を更新した後に、月曜日にさらに1.4%上昇して取引時間内の最高値の2449ドルをつけていました。
 
一方、銀価格は金曜のロンドンの世界指標から9.5%急騰し、トロイオンスあたり32.51ドルを記録した後に、やはりロンドン時間昼過ぎにその1ドルの上げ幅を失って推移していました。
 
「このようなリスクが高まる中で、アジア取引時間開始時には、金曜日の価格の動き後であっても、さらなるショートスクイーズが起こる可能性がある」と、スイスの精錬および金融会社のMKS Pamp社のメタル・ストラテジストのNicky Shielsは述べ、日曜のイランのライシ大統領のヘリコプターが墜落したことに注目して述べていました。
 
銀相場は先週上昇し、米国商品先物取引委員会(CFTC)が先物・オプション市場のポジションデータをまとめる火曜日までに3年半ぶりの高値をつけたにもかかわらず、投機筋の弱気ポジションは長期的平均よりわずか7.1%縮小しただけでした。
 
それに対し、コメックス金先物・オプション取引では、地金価格が火曜日に4週間ぶりの高値をつけたにもかかわらず、弱気ポジションが5週間ぶりの高水準まで拡大していました。しかし、長期的平均の65.4%ではありました。
 
コメックスの金先物・オプションの弱気と強気ポジションの推移 出典元 ブリオンボールト
 
そのため、ヘッジファンド等の他の資金運用業者の金先物・オプションのネットのロングポジションは、先週のデータで6.0%のみの増加で、コロナ危機の第一波が始まり、金価格が1650ドルと7年ぶりの高値まで急騰した2020年2月の最近のピークと比べると30%ほど下回る水準にとどまっていました。
 
一方、銀市場の投機的なネットロングポジションは19.1%増加し、CFTCの最新データでは過去2年以上で最大となっていました。
 
上海黄金交易所と上海先物取引所の金の取引量は急増し、中国の金と銀の価格は、日本円建て、スイスフラン建て金、銀価格同様に史上最高値をつけていました。
 
イランの国営放送はライシ大統領とアブドラヒアン外相が共にヘリコプターが墜落して死亡したことを月曜日の朝伝えていました。
 
ザリフ前外相は、米国とEUがイランの核開発プログラムと中東のテロリスト集団への軍事支援をめぐってイランを制裁し、その結果、航空機の部品が不足したため、「米国は(悲劇の)主犯の一人だ」と月曜日述べていました。
 
世界第2位の経済大国であり、第1位の金属消費国である中国の共産党政府は、先週金曜日に不動産セクターを安定させるために1兆円(1380億ドル)の追加資金を調達し、住宅ローン規制を緩和する一方、地方政府に「一部の」売れ残りマンションを購入するよう呼びかけるなど、大規模な措置を発表したことも要因となり、工業用金属も前週に続きさらに急騰していました。
 
ロンドン金属取引所の銅先物は月曜日の取引開始早々に4%以上急騰し、アナリストによれば供給不足が深刻化するとの予測から、初めてトンあたり11,000ドルを超えていました。
 
これは先週のCME取引所グループが提供する米国の銅先物価格の急騰に続くもので、現物銅価格は水曜日にトンあたり11,414ドルの史上最高値を記録し、LMEの銅契約に対するプレミアムをトンあたり1,000ドル以上に押し上げていました。
 
月曜日の中国人民元建て金価格は2.4%上昇し、グラムあたり578円と史上最高値を記録していましたが、ロンドン相場に対するプレミアムは先週の平均30ドルからトロイオンスあたり24ドルに下落していました。しかし、この新たな輸入のインセンティブとなるプレミアムは、長期的な平均である8ドルの3倍ではあります。
 
英国ポンド建て金相場とユーロ建て金相場は、共に月曜日午前中に0.9%上昇したものの、5週間前に記録した史上最高値を更新することはできず、月曜日にそれぞれ1918ポンドと2241ユーロでピークをつけた後、上げ幅を縮小していました。
 
自動車触媒に代表される工業用途が需要の3分の2を占めるプラチナ価格は、月曜日の早朝に1%以上急騰し、トロイオンスあたり1097ドルと1年ぶりの高値を記録していましたが、その後ロンドン時間昼過ぎに1058ドルまで下落していました。
 
前週のロンドンのプラチナ・ウィークにおいて、業界団体によってプラチナが2年連続で供給不足となることが発表され、この白金族のメタルが約9%値上がりしてトロイオンスあたり1000ドルの壁を破り、CFTCのデータでは、Nymexのプラチナ先物・オプションの資金運用業者のネットロング・ポジションが3倍以上に増加し、ほぼ1年ぶりの高水準に達していました。
 
 

ホワイトハウス佐藤敦子は、オンライン金地金取引・所有サービスを一般投資家へ提供する、世界でも有数の英国企業ブリオンボールトの日本市場の責任者として、セールス、マーケティング及び顧客サポート全般を行うと共に、市場分析ページの記事執筆および編集を担当。 現職以前には、英国大手金融ソフトウェア会社の日本支社で、マーケティングマネージャーとして、金融派生商品取引のためのフロント及びバックオフィスソフトウェアのセールス及びマーケティングを統括。

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