金市場ニュース

金価格ディリーレポート(2023年4月24日)重要な米国データを前に金は10ドルのレンジで取引され、ユーロ建てでは6週間ぶりの安値をつける

金価格は、週明け月曜日に、投資家、トレーダー、アナリストが来週の米国FRBと欧州中央銀行の金利決定前の主要なGDP、雇用、インフレデータを見据える中で、ドルが弱含んでいることからも、狭い10ドルのレンジで安定して推移していました。
 
CMEの先物市場では、5月3日に米連邦準備制度理事会(FRB)がフェデラルファンドレートを0.25%ポイント引き上げることが確実視されていますが、今週は、火曜日に米消費者信頼感指数、木曜日に第1四半期GDPと最新の週間新規失業保険申請件数、そして金曜日にFRBが注目しているインフレ指標の個人消費支出PCEコア・デフレーターが発表されます。
 
ドル建てでは、金は4月中旬の13ヶ月のピークを3.1%下回り、今日のスポット市場は、ロンドン時間昼過ぎにトロイオンスあたり1984ドルの上下に5ドルのみの動きとなっていました。
 
一方、ユーロ投資家向けの金地金は、ECBが19カ国からなるユーロ圏の金利を上げ続ける一方で、米国FRBは過去13ヶ月間の急な金利引き上げを一時停止し、その後戻し始めるという期待が高まる中、1800ユーロまで下落し6週間ぶりの安値となっていました。
 
ドルインデックスは、米国の通貨の価値を主要な通貨に対して示す指標ですが、6セッションぶりの安値に下落し、昨年のこの時期から変わらないものの、2022年夏に13%上昇し20年来の高値をつけた水準からは下げています。
 
ドルインデックスとドル建て金価格の推移 出典元ブリオンボールト
 
ブルームバーグの 最近の調査によると、一部のプロの投資家は、来週の利上げに続くFRBの利下げ幅を市場が「過小評価」しているため、ドルはさらに下落すると見ています。
 
米国の中央銀行は2022年に4回連続で政策金利を75ベーシスポイント引き上げましたが、11月には利上げを半減させ、2月と3月にはそれぞれ4分の1パーセントポイントに減速させていました。
 
デリバティブ・プラットフォームであるサクソバンクの商品ストラテジスト、オーレ・ハンセン氏は、「FRBのピーク金利が確認されると、歴史的に過去20年間に3回、その後の数ヶ月と数四半期の金の強い上昇を支えてきた」と、貴金属に対する長期強気の見通しを説明していました。
 
一方、年間需要の60%近くを工業用で占める 銀価格は、ロンドン時間午前中の1%以上の損失を回復し、先週終値のトロイオンスあたり25.11ドルで安定して推移し、4月に入ってからの月間上昇率は5%を維持していました。
 
一方、プラチナは先週7.7%上昇し、金曜日につけた13ヶ月ぶりの高値1134ドルから30ドル引き下げたものの、4月の上昇幅は15%以上に達していました。
 
プラチナの需要の3分の2は工業用で、ディーゼルエンジンの自動車触媒を筆頭に、グリーンエネルギーである水素燃料電池の需要も高まっています。
 
 

ホワイトハウス佐藤敦子は、オンライン金地金取引・所有サービスを一般投資家へ提供する、世界でも有数の英国企業ブリオンボールトの日本市場の責任者として、セールス、マーケティング及び顧客サポート全般を行うと共に、市場分析ページの記事執筆および編集を担当。 現職以前には、英国大手金融ソフトウェア会社の日本支社で、マーケティングマネージャーとして、金融派生商品取引のためのフロント及びバックオフィスソフトウェアのセールス及びマーケティングを統括。

注意事項: ここで発信される全ての記事は、読者の投資判断に役立てるための情報です。しかし、実際の投資にあたっては、読者自身にてリスクを判断ください。ここで取り扱われる情報及びデータは、すでに他の諸事情により、過去のものとなっている場合があり、この情報を利用する際には、必ず他でも確証する必要があることを理解ください。Gold Newsの利用については、利用規約をご覧ください。

SNSで最新情報を入手

Facebook   TwitterYoutube

 

貴金属市場のファンダメンタルズ