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金価格ディリーレポート(2023年1月9日)金相場は「最も強気なシグナル」を見せた後ドル安で急伸、中国はさらなる金購入へ

金相場は、中国の中央銀行が2ヶ月連続で金準備を増加させる中で、複数のアナリストによると「強気のシグナル」を見せた2022年を経て、2023年に強いスタートをした後に、月曜日ドル安からも上昇しています。
 
現物金価格は、ユーロと英国ポンド建てで週末につけた数ヶ月ぶりの高値から下落し、ドル建てにおいては月曜日の早朝にトロイオンスあたり1880ドルと5月初旬以来の高値に0.8%上昇した後に、ドルインデックスは7ヶ月ぶりの低さで安定しているものの、米国債の長期借入コストが上昇したことで上げ幅を失って推移していました。 
 
昨年米国ドルは7.9%上昇し、米10年債利回りは年率1.5%から3.9%へと1960年代からの記録でも最も急騰したにもかかわらず、金のドル建て価格は2022年に終値ベースで1.4%上昇後に、2023年の最初の週は2.3%上昇していました。
 
スイスの金精製・金融グループMKSパンプの貴金属戦略部長ニッキー・シールズ氏は、過去40年間で最も積極的な米国連邦準備制度の金融引き締めに対する金の強さを指摘し、「これが2023年の 最も強気のシグナルでないとすれば、他に何がそれを示唆するのでしょうか」と述べていました。
 
フェデラルファンドレートと金価格の推移 出典元 ブリオンボールト
 
米連邦準備制度理事会(FRB)は先月、1980年代初頭以来最も積極的な政策として、4回連続で3/4ポイントの引き上げを行い、基準金利を2022年初頭のゼロから上限4.50%まで引き上げました。
 
デリバティブ・プラットフォームのサクソバンクの商品ストラテジスト、オーレ・ハンセン氏は、「一般的に、投資用金属は2023年に良い環境であると見ています」と述べ、世界経済の後退と株式市場の評価リスク、中央銀行の金利が最終的にピークに達すること、さらにドル安とインフレ率が広く予想されている2.5%の水準ではなく、年4%前後に落ち着くと予想していることを指摘しました。
 
さらに、サクソバンクは、中央銀行からの強い需要が続くことで、金価格が底上げされると見ています。
 
中国人民銀行は、土曜日に公表されたウェブサイトのデータによると、12月に金保有量を30トン増やし、2019年9月以来の流入となる11月の金準備増加を繰り返し、世界第1位の金消費国の金準備高を合計2,010トンにし、世界第6位としました。
 
鉱業界のマーケティング団体の ワールド・ゴールド・カウンシルが発表した推計によると、中央銀行はグループとして2022年の第1四半期から第3四半期の間に純673トンを購入し、1967年以降のすべての年間合計を上回っていました。
 
中国の民間需要について、「中国の春節(1月22日前後の連休)を前にした新たな買いの可能性は確かにありますが、人々はまだコロナ感染の見通しに非常に神経質になっています」と、証券会社の地金アナリストのローナ・オコネル氏は述べています。
 
世界保健機関(WHO)は、 中国のコロナ関連データは入院と死亡の両方を過小評価していると発表したにもかかわらず、中国政府は日曜日、中国の国境の規制を緩和し、香港や海外から到着した旅行者の検疫の必要性を取り除くことを発表していました。これは、「零コロナ」対策への国民の激しい抗議運動の後に緩和したコロナ規制を更に進めるものでした。
 
上海黄金交易所の金価格は、人民元相場が3月以来の高値に上昇し、人民元がドルに対して8月中旬以来の高値になる中、ロンドン相場に対するプレミアムを拡大し、輸入業者にトロイオンスあたり19.60ドルのインセンティブを提供しています。
 
また、アジアと欧州の株式市場が週明けから上昇したことで、年間需要の60%近くを工業用で占める銀のドル建て相場は0.5%上昇しトロイオンス23.96ドルとなりました。
 
また、ガソリンエンジンから排出される二酸化炭素を削減するための自動車触媒が最終需要の5分の4を占めるパラジウム相場は、1.1%上昇してトロイオンスあたり1823ドルと4週間ぶりの高値をつけた後、50ドル下落し、引き続き他の主要貴金属相場から遅れをとっています。
 
 

 

ホワイトハウス佐藤敦子は、オンライン金地金取引・所有サービスを一般投資家へ提供する、世界でも有数の英国企業ブリオンボールトの日本市場の責任者として、セールス、マーケティング及び顧客サポート全般を行うと共に、市場分析ページの記事執筆および編集を担当。 現職以前には、英国大手金融ソフトウェア会社の日本支社で、マーケティングマネージャーとして、金融派生商品取引のためのフロント及びバックオフィスソフトウェアのセールス及びマーケティングを統括。

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