2022年9月26日 月曜日 18:02
本日ロンドン昼過ぎに米ドル建て金価格は、2年半ぶりの安値となる中で、英国ポンド建て金価格は、先週のリズ・トラス新首相の「小型補正予算」による新たな混乱の中、3月の史上最高値まで急上昇した後に下落していました。
世界の株式市場は20日間で15回目の下落となり、国債価格もドル建てのほとんどの工業用とエネルギー関連コモディティ価格とともに下落していました。
この間ユーロ建ての金価格は、19カ国の単一通貨が外為市場で対ドルで20年ぶりの安値を付け、イタリアで「ネオ・ファシスト」連合が選挙で決定的な勝利を収めたことから、0.2%高のトロイオンスあたり1700ユーロと横ばいで推移していました。
「ドル高が止まらない限り、そして市場がタカ派のピークに達し、利回りが頂点に達するまで、金はスタグフレーションに対する防御として機能するのに苦労するだろう」と、デリバティブプラットフォームのサクソバンクの戦略チームはコメントしていました。
「世界経済は
打撃を受けた」と国際機関である経済協力開発機構(OECD)が本日発表し、主要20カ国(G20)のほぼ全てのGDP見通しを引き下げ、OECDの2023年の世界見通しから、ロシアによるウクライナ侵攻前の見通しと比較して2兆8千億ドル相当の経済成長分が消えたとした。これは、フランスの経済規模と同等。
ドル建て金現物価格は、月曜日のアジア取引で1627ドルまで下げた後、トロイオンスあたり1640ドルで前後で安定し、米国債の利回りは再び上昇し、名目および物価連動債TIPS10年物金利をさらに10ベーシスポイント上昇させていました。
一方、
英国ポンド建て金価格は4.4%上昇し、今春のロシアによるウクライナ侵攻時につけた史上最高値の1580ポンドに達した後、イングランド銀行が英国政策金利を100ベーシスポイント緊急に引き上げするとの観測の広がりから、為替市場でドルに対してポンドが史上最安値を更新した後に上昇したことで、1511ポンドへと上げ幅を削っていました。
先週木曜日、イングランド銀行は、予定されていた9月の会合で50ベーシスポイントの引き上げにとどめ、為替市場を失望させていました。
金曜日には、クワシー・クワーテング財務相が「小型補正予算」で過去50年間で最も大幅な減税を発表し、財政刺激策として債券市場から多額の借金をすることで「成長に向かう」ことを試みました。
それは、所得税、国民保険、印紙税の最高税率を下げて、税収450億ポンド(年間GDPの約2%)に相当する減税を発表した後、クワーテング氏は日曜日に減税について「
まだある」と述べていました。
シドニーのあるストラテジストは、「ポンドの暴落は、
市場が英国に対して信頼感を欠き、その財政力が信用されていないことを示している」と述べていました。
米金融大手シティグループの為替戦略責任者、バシレイオス・グキオナキス氏も「英国は今、
通貨危機の真っ只中にある」と同意していました。
英国国債の価格は月曜日に暴落し利回りは10年以上ぶりの高さに上昇し、2年物のギルト債利回りは2営業日連続で50ベーシスポイント以上跳ね上がり、2008年9月以来の高値となる4.53%に達していました。
ロイターがRefinitivとイングランド銀行のデータを分析したところ、英国の債券価格は少なくとも1957年以来、暦年ベースで最大の下落になる勢いであることが明らかとなっています。
欧州の債券価格も下落し、イタリアの国債が先導していました。これは、イタリアで行われた総選挙で極右政党の「イタリアの同胞(FDI)」率いる連立政権が勝利し、前欧州中央銀行総裁マリオ・ドラギ氏の臨時首相就任を支持する政党を抑えたことからでした。
イタリア初の女性首相であり、ムッソリーニ以来の極右政権となったジョルジア・メローニ氏が率いるこの連合は、極右政党「同盟」のマッテオ・サルビーニ氏や「フォルツァ・イタリア」のシルヴィオ・ベルルスコーニ氏といった親ロシア派の政治家を含み、43%の票を獲得していました。
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