金市場ニュース

金価格ディリーレポート(2022年8月22日)長期金利がほぼ3%でドルが5週ぶりの高さに上昇し、中国の需要は増加しているものの、金は3週ぶりの低値へ

金相場は、月曜日ロンドン時間昼過ぎに、米国債利回りが1ヶ月ぶりの高水準で安定し、ドルが5週間ぶりの高値となる中で3週間ぶりの安値となっていました。この間、中国の金価格のプレミアムが上昇し、中国への金輸入の急増からも、金需要の増加を示していました。
 
金現物価格は、先週3%下落して5週間ぶりの週の下げを記録後、今週月曜日に0.9%下落しトロイオンスあたり1731ドルと、7月27日以来の安値となっていました。
 
先週金曜日、米連邦準備制度理事会(FRB)の高官数人がインフレ抑制のために 金融引き締めを継続行うことを改めて表明したことを受けて、政府機関や多くの金融機関、企業の借入コストのベンチマークである米10年債利回りは3%をわずかに下回る高さで、7月21日以来の高水準となり、本日堅調に推移していました。
 
本日米国通貨の主要通貨に対する価値を示す指標であるドルインデックスは、ロシアがノルドストリーム1パイプラインを通じた欧州のガス供給を2022年8月末まで3日間停止すると発表し、この地域のエネルギー危機を悪化させたため、ユーロは米ドルに対して5週間ぶりの安値に下げる中で、5週間ぶりの高値をつけていました。
 
ユーロ建ての金価格は、FX市場で ユーロが米ドルに対して同価値(パリティ)に下げたことから0.5%下落し、米国ドル建てと同水準の1731ユーロとなり、ポンド建ての英国金価格は0.8%下落し1465ポンドとなっていました。
 
一方、中国の人民元は、中央銀行がCOVID-19の締め付けと不動産危機で揺らぐ経済を支えることを目的とした一連の金融緩和策に加え、主要な貸付金利を引き下げた後、米ドルに対して約2年ぶりの水準まで下落しました。
 
中国の中央銀行が月曜日に行った月次定時株主総会で、1年物ローン・プライムレート(LPR)は5ベーシスポイント引き下げられ3.65%、5年物LPRは15ベーシスポイント引き下げられ4.30%とされていました。
 
上海黄金交易所(SGE)の金価格はロンドンに対するプレミアムを過去3週間で8-9ドルで安定した後、月曜日には6週ぶりの高さのトロイオンスあたり14ドルに上昇していました。
 
中国の上海黄金交易所のロンドン価格との差とロンドン価格の推移 出典元 LBMAと上海黄金交易所のデータを元にブリオンボールトが作成
 
SGEのロンドンに対するプレミアムは、3月と4月に数週間のディスカウントを記録し、2021年11月以来初めて 中国への新規輸入の動機を無くさせた後、今年これまで平均4ドルとなっています。
 
「中国はすべてが閉ざされた状態から、半平常に戻った」と、コンサルタント会社Metals Focus Ltdのマネージングディレクターのニコス・カバリス氏は述べていました。
 
「現在の市場は良いものではないが、 4月に比べればかなり改善している。」と続けていました。
 
スイスの精錬会社の金属戦略部長であるMKS Pamp社のニッキー・シールズ氏は、「米国ドルが堅調に推移し、このように金と銀の下落が続くことは、世界の 地金現物とその小売需要にとっては前向きな要因ではある。」とアジアの金需要について述べていました。
 
金地金の世界第一の消費市場である中国への金輸入は、7月に主要な精錬拠点であるスイスから、 過去5年以上で最も高い水準に急増していました。
 
スイス連邦関税庁によると、中国は7月にスイスから80トン以上の金を輸入していました。 これは、2012年までさかのぼったデータでも、月間で2番目に高い数字でした。
 
中国への出荷の急増により、スイスの7月の金輸出総量は186.2トンとなり、2016年以来最多を記録していました。
 
ワールド・ゴールド・カウンシルも、スイスの中国向け金輸出が大きく増加し、前月から 147%も急増したことを報告しています。
 
スイスからの国別金輸出量の推移 出典元スイス連邦関税丁のデータを元にワールドゴールドカウンシルが作成
 
このように中国などの現物購入需要の急増は価格を上昇させる力はほとんどないが、欧米の投資家が売却する際に底値を提供することができるとされています。
 
コメルツ銀行のストラテジストは、「金ETFからの持続的な資金流出は 中国の購入需要が相殺している。」と述べていました。
 
金上場投資信託(ETF)の最大銘柄のSPDRゴールド・トラスト(NYSEArca: GLD)と第2銘柄のiShareゴールド(NYSEArca: IAU)は、先週それぞれ3週及び12週連続の週間の残高減少を記録していました。
 
米商品先物取引委員会がまとめた 最新のデータによると、ヘッジファンドやその他のレバレッジを効かせた投機家が、8月16日までの週に、コメックス金先物・オプションにおいて、グループとして金に対する強気のポジションを減らし、弱気のポジションを増やしたことが示されていました。
 
その結果、資金運用業者のネット・ロングポジションは、過去2週間で200トン近く増加した後、先週は12%想定重量20トン減少していました。
 
ドル高と同様に、中国の需要見通しが原油価格の重荷となっている原油市場では、ニューヨーク原油価格が1バレル90ドルを割り込んでおり、トレーダーは、供給増につながる可能性のあるイランの核協議を注視していると伝えられています。
 
 

ホワイトハウス佐藤敦子は、オンライン金地金取引・所有サービスを一般投資家へ提供する、世界でも有数の英国企業ブリオンボールトの日本市場の責任者として、セールス、マーケティング及び顧客サポート全般を行うと共に、市場分析ページの記事執筆および編集を担当。 現職以前には、英国大手金融ソフトウェア会社の日本支社で、マーケティングマネージャーとして、金融派生商品取引のためのフロント及びバックオフィスソフトウェアのセールス及びマーケティングを統括。

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