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金価格ディリーレポート(2022年8月1日)中央銀行の利上げペース緩和観測の広がりで米ドルが下落し金価格は上げ幅を拡大

 
米ドルが引き続き下落し、米国のイールドカーブが景気後退の兆候をさらに強める中、金価格はロンドン昼過ぎに先週の上げ幅を拡大し、4週間ぶりの高値に達していました。
 
世界の株式市場はまちまちで、日経平均株価は0.69%上昇していましたが、スペインのIBEX 35は0.5%下落し、米国のS&P500はほぼ横ばいで、ハイテク株の多いナスダックは0.5%上昇していました。
 
3月以来の大幅な上げ幅を記録した金地金現物価格は、金曜日午後から1.1%上昇し、トロイオンスあたり1773ドルと7月5日以来の高値に達していました。
 
先週はドル建てで2.3%上昇したものの、金地金は7月に3.7%下落し、4ヶ月連続の下落となっていました。
 
一方、ドルインデックスは本日0.5%下落し、7月上旬の20年ぶりの高値から2.9%まで下落幅を拡大した一方で、主要国債価格は金価格と共に上昇を続けていました。
 
このため、米国債の10年物利回りは年率2.62%に低下し、4月初旬以来最も低い水準となっていました。
 
そして、2年債と10年債の利回りの差は、長短利回りが逆転した場合は景気後退を示唆するために注目されていますが、本日マイナス23bpに拡大し、2000年9月以来最も深いイールドカーブの逆転となっていました。
 
ドル建て金価格と米国2年物と10年物国債利回りの差の推移 出典元 セントルイス連銀データからブリオンボールトが作成
 
スイスの銀行クレディ・スイスは、リサーチノートの中で、「 イールドカーブの反転、インフレ率の上昇、住宅データの悪化、消費者センチメントの低迷などが、米国における (景気後退の)可能性を高めている」と述べ、今から6~12ヶ月後の間に米国が景気後退に陥る可能性を4分の1にまで高めているとしていました。
 
雇用が好調なため、エコノミストは米国の第1四半期と第2四半期のマイナス成長をリセッションと呼ぶ可能性は低いものの、クレディ・スイスは続けて、「政策金利の引き上げによってイールドカーブの逆転がさらに進み、経済データの悪化が続けば、今後数か月でリセッション確率がさらに上昇する可能性がある」と述べています。
 
デリバティブ証券会社ADMインベスター・サービスのチーフエコノミスト、マーク・オストワルド氏は、「市場は現在、インフレ抑制のために積極的に利上げしようとする中央銀行と角を突き合わせており、中央銀行は迫りくる景気後退リスクのためにインフレ追求を放棄しなければならないという 確信を深めている」と述べていました。
 
CMEのFedWatchによると、米FRB金利先物の投機筋は9月の中央銀行会合で0.5%の利上げの確率を70%と予想しており、3回目の75bpの引き上げがあり得るという従来の見方を大幅に引き下げていました。
 
ユーロ建ての金価格は、ドイツの小売業者が1990年代初頭以来最悪の売上減少を記録したにもかかわらず、ユーロが米ドルに対して上昇したため、トロイオンスあたり1730ユーロと多少ながら上昇していました。
 
英国ポンド建ての金価格はトロイオンスあたり1449ポンドと、40年来の高水準にあるインフレとイングランド銀行の利上げ担当者の 「タカ派」発言により、今週木曜日の会合で1995年以来の初めての0.5%という大きな利上げが行われる可能性が高まったことから、小幅な値動きとなっていました。
 
金を裏付けとする金上場投資信託( 金ETF)の最大銘柄のSPDRゴールドシェア(NYSEArca: GLD)の残高は先週金曜日に6月17日以来初めて増加に転じ、同ファンドの5週連続の資金の流出を止めていました。
 

ホワイトハウス佐藤敦子は、オンライン金地金取引・所有サービスを一般投資家へ提供する、世界でも有数の英国企業ブリオンボールトの日本市場の責任者として、セールス、マーケティング及び顧客サポート全般を行うと共に、市場分析ページの記事執筆および編集を担当。 現職以前には、英国大手金融ソフトウェア会社の日本支社で、マーケティングマネージャーとして、金融派生商品取引のためのフロント及びバックオフィスソフトウェアのセールス及びマーケティングを統括。

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