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金価格ディリーレポート(2022年7月25日)ドルが下げる中で金価格は横ばい、主要中央銀行は対高インフレで「景気後退」を容認

金価格は、月曜日今週の米連邦準備制度理事会(FRB)の金利決定を前に、景気後退への懸念が高まる中で、ドル安からも英国ポンドとユーロ建てで下げているのに対し、ドル建てでは横ばいで推移していました。
 
ドル建てのスポット金相場は、先週木曜日のコロナ危機後の底値から50ドル上昇して、先週週間で5週ぶりに上昇を記録後、ロンドン時間昼過ぎにトロイオンスあたり1729ドルと前週終値から0.1%上昇していました。
 
一方、主要通貨に対する米国通貨の価値を示す指標であるドルインデックスは、欧州中央銀行が預金金利を予想を上回る50ベーシスポイント引き上げてゼロとしたことを受けて、月曜日に再びユーロに対して下落し、3営業日連続で下げていました。
 
オーストラリアの銀行であるANZのシニア商品ストラテジストであるダニエル・ハインズ氏は、「経済成長に対する懸念の高まりが、安全資産である金の購入を促した」と述べていました。
 
ユーロ建ての金価格は、金曜日の高値からトロイオンスあたり15ユーロ下落し1685ユーロとなり、英国ポンド建ての金価格も木曜日の5ヶ月ぶりの安値である1405ポンドから3%上昇した後に、本日は下落していました。
 
今週水曜日の米連邦準備制度理事会(FRB)の決定を前に、「政策担当者は、インフレ期待の高まりを許すわけにはいかないので、金利を引き上げるしかない」と、米FRB元理事のローレンス・メイヤー氏は述べていました。
 
米国の消費者物価上昇率が 6月に9.1%と40年ぶりの高水準となる一方で、フェデラルファンドレート(FFレート)は1.75%に過ぎず、現金貯蓄の実質リターンは1970年代の最悪の時期よりもさらに深くマイナスになっています。
 
今週火曜日と水曜日に行われる連邦公開市場委員会(FOMC)において、2ヶ月連続の75ベーシスポイントの利上げを金融市場は織り込んでおり、これはFRBのFFレート上限目標を2.50%に引き上げることを意味します。
 
FRBのフェデラルファンドレートと米消費者物価指数の推移 出典元 セントルイス連銀
 
「緩やかな景気後退は、現在我々がいる状況がいかに困難なものであるかを鑑みた際に、FEDにとっては良いことと言えるだろう。」とマイヤー氏は述べて、インフレ率が2024年にFRBの目標である2%に戻る中で、来年のGDPが0.7%低下し、失業率は5%に上昇すると予測しています。
 
米国の国内総生産(GDP)データは木曜日に発表される予定です。
 
アトランタ連銀の Economy Trackerは、2022年第2四半期の実質GDP成長率はマイナス1.6%を予想しています。
 
ムーディーズ・インベスターズ・サービスの最新のレポートでは、第2四半期のGDPが 年率換算で1%減少すると見ており、先のアトランタ連銀の見解に賛同していました。
 
ジャネット・イエレン米財務長官は日曜日に、「これは 不況に陥っている経済ではない」と述べていました。
 
「しかし、我々は成長が鈍化する移行期にあり、それは必要かつ適切なことだ」と述べていました。
 
先週金曜日に発表されたS&Pグローバル・マーケット・インテリジェンスの速報値によると、7月の米サービス部門PMIは前月の51.6から47と26ヶ月ぶりの低水準に落ち込んでいました。50を下回る数値は経済活動の縮小を意味します。
 
米製造業PMI速報値は6月の52.7から52.3に低下したものの、50以上は維持していた一方で、7月のPMI総合生産指数は47.5に低下し、少なくとも共に2年間を超える期間で最も急激な縮小となっていました。
 
「インフレを抑えるためには、 多少の景気後退を受け入れなければならないかもしれない」と、オーストリアの中央銀行総裁でECB理事のロベルト・ホルツマン氏は日曜のORFラジオで語っていました。
 
しかし、「我々はその必要がないことを望んでいる。」と続けていました。
 
 

ホワイトハウス佐藤敦子は、オンライン金地金取引・所有サービスを一般投資家へ提供する、世界でも有数の英国企業ブリオンボールトの日本市場の責任者として、セールス、マーケティング及び顧客サポート全般を行うと共に、市場分析ページの記事執筆および編集を担当。 現職以前には、英国大手金融ソフトウェア会社の日本支社で、マーケティングマネージャーとして、金融派生商品取引のためのフロント及びバックオフィスソフトウェアのセールス及びマーケティングを統括。

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