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金価格ディリーレポート(2022年6月13日)株価、債券、暗号通貨が急落し、金価格は米インフレの急騰の上昇分を失う


金価格は、本日先週の米国のインフレデータで4年ぶりの高水準となったことを受けた上昇分をほぼ失って推移しています。


 


この間、世界の株式、債券市場がさらに下落する中で、金価格は米ドル建てベースで金曜日の30ドルの急騰分をすべて消したものの、ユーロ、英国ポンド、その他ほぼ全ての主要通貨建てではロンドン昼過ぎに1ヶ月ぶりの高値を維持していました。


 


株式と暗号通貨は暴落し、ビットコインは、その最大取引所と暗号通貨の主要な貸し手が顧客の 引き出しを停止したため、18ヶ月ぶりの安値をつけていました。一方、コモディティ価格も下落し、ウクライナへの侵攻を続けるロシアに対する経済制裁で、先週14年来の最高値へと上昇を試みていた原油が下げ基調となっていました。


 


債券価格の下落により、米国債の2年物金利は2008年の世界金融危機以来の高水準に達し、10年物金利を上回ったため、イールドカーブが反転し、 3月の景気後退警告の再来となっていました。


 


ドル建ての金現物価格は、月曜のアジア時間に1カ月ぶりの高値となる1879ドルを付けた後、1840ドルまで下落していました。


 


先週金曜日ニ発表された米消費者物価は5月までの1年間で8.6%に上昇し、1981年12月以来の高水準となり、ミシガン大学消費者態度指数は6月に過去最低に急落していました。


 


ドイツの多国籍金融サービス企業Allianzのチーフエコノミックアドバイザーであるモハメド・エルエリアン氏は日曜日に、「私は (インフレが)まだ悪化することを恐れている」と述べていました。


 


米消費者物価と米フェデラルファンド金利の推移 出典元 セントルイス連銀


 


「私達は現在、低成長と高インフレが同時に進行するスタグフレーションの時代にいます。」


 


「最も暗い(見通し)とは、インフレが持続して9%に向かい、人々は10%や(それ以上の)インフレになるのではと心配し始めることです。」と続けていました。


 


英国のバークレイズ銀行が月曜日に、米連邦準備制度理事会(FRB)が水曜日の会合で主要なオーバーナイト金利を75ベーシスポイント引き上げると予測した最初の大手金融機関となりました。この利上げ幅は1994年以来の大きさとなります。


 


そこで、3年債、5年債、7年債の利回りは今日すべて 急上昇して30年債の金利に達し、2年債と10年債のスプレッドがほぼ平坦化するなど、債券投資家が将来FRBが金利を再び下げる必要があると考える、 景気後退への懸念が高まっていることを示唆するものとなっていました。


 


CME派生商品取引所の FedWatchツールによると、金利先物のトレーダーは、水曜日の会合で75ベーシスポイント引き上げられ1.75%になる確率を5分の1と見ており、1週間前の30分の1に過ぎない確率から急激に上昇していました。


 


今週行われるFOMCにおいて、FRBが金利をさらに0.5%引き上げるとの見方が広がる中で、ドルインデックス(米国の通貨価値を主要通貨に対して示す指標)は月曜日の朝に急上昇して104を超え、3週間ぶりの高値でこの春の20年来の高値に近づいていました。


 


ドルが強含むことで、日本円が7営業日連続で下げ、1ドル135円と24年ぶりの安値をつけていました。


 


日本銀行は明日、10年物国債の利回りを0%目標に対して0.25ポイント以内に抑える政策の一環として、5000億円(37億ドル)の日本国債を購入すると発表し、日銀と欧米中央銀行間の政策の相違が浮き彫りになっていました。


 


そこで、日本円が対ドル急激に弱含んだことで、日本円建て金価格は、月曜日の早朝にグラムあたり8,139円と、日本円建てにおいて史上最高値の8,174円となった4月19日以来の高値となっていました。


 


一方、英国ポンド建て金価格は、 英国経済が4月に縮小して、予測を下回り、1月以来パンデミック後の回復が停滞していたことが確認されたというニュースのが伝えられる中で、トロイオンスあたり1519ポンドとほぼ前週終値の水準で堅調に推移していました。


 


あるエコノミストは「英国は リセッションに危険なほど近づいている」と述べていました。


 


ユーロ建ての金価格は、月曜日に欧州株が急落し、ストックス欧州600指数が2.2%下落する中で、0.6%安のトロイオンスあたり1768ユーロへと下げていました。 


 


アジア株が大きく下落し、東京の日経平均株価が3%以上下落する中、上海黄金交易所(SGE)の金価格は5週ぶりの高さとなり、ロンドンにおける価格より割安であるディスカウントにひと月ぶりに転換して取引されていました。ディスカウントは中国における需要の減少を示唆し、貴金属の最大消費国である中国への世界最大の貴金属市場で保管場所である英国からの地金の新規輸入が抑制される状況となります。


 


月曜日に暗号通貨の暴落がさらに悪化し、暗号通貨貸し手のセルシウス(Celsius)が同社のプラットフォーム上での引き出し、スワップ、転送を一時停止した後に、デジタル資産の世界最大の取引所であるバイナンス(Binance)が全ての顧客のビットコインの引き出しを禁じたことからも、ビットコインは12%急落し24,000ドルを下回り、18ヶ月ぶりの最安値となっていました。 


 


あるアナリストは、「暗号通貨は独自のブラックマンデー(暗黒の月曜日)を迎えている。」と述べていました。


 

ホワイトハウス佐藤敦子は、オンライン金地金取引・所有サービスを一般投資家へ提供する、世界でも有数の英国企業ブリオンボールトの日本市場の責任者として、セールス、マーケティング及び顧客サポート全般を行うと共に、市場分析ページの記事執筆および編集を担当。 現職以前には、英国大手金融ソフトウェア会社の日本支社で、マーケティングマネージャーとして、金融派生商品取引のためのフロント及びバックオフィスソフトウェアのセールス及びマーケティングを統括。

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