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金価格ディリーレポート(2022年5月16日)ウクライナ紛争、インフレ、世界経済減速を背景にドル高が進み、金価格は3ヶ月ぶりの安値へ

金価格は月曜日ロンドン時間午前中に、3が月半ぶりの低値を付けていました。
 
これは、本日発表された中国のデータが予想を遥かに下回るもので、米国ドルが為替市場で20年来のピークに近い最近の高い水準に値を固め、世界の株式市場はリスクの高い債券とともに再び下落していることが背景となっていました。
 
金現物価格は、2月初旬以来の安値であるトロイオンスあたり1787ドルまで1%以上下落し、その後ロンドン昼過ぎに1804ドルまで上昇していました。
 
先週、金地金は4%近く下落し、4週連続の下落を記録し、昨年6月中旬以来の週足での急落を記録していました。
 
ドルインデックス(主要通貨に対する米国の通貨価値の指標)は、6週連続で週間の上昇を記録後先週金曜日に105と20年来の高値をつけた水準を維持し、104で堅調に推移していました。
 
中国の4月の小売売上高は、中国政府の新型コロナ感染を封じる都市閉鎖政策により前年比 11.1%減となり、アナリスト予想のほぼ2倍の下げで、鉱工業生産は前年同月比2.9%減と、予想の増加を下回っていたことが本日明らかになっていました。
 
どちらのデータも、パンデミック開始以来最悪の水準となっていました。
 
中国の小売売上高の前年比伸び率グラフ 出典元  TradingEconomics
 
中国は、低迷する住宅市場を支えるため、週末に新規住宅ローンの金利を事実上引き下げましたが、1年間の政策貸付金利は月曜日に据え置いていました。
 
野村證券のチーフ・エコノミスト、ティン・ルー氏はメモの中で、「新型コロナの件数は4月中旬のピークから著しく減少しているが、地方政府の警戒感もあり、ロックダウンの解除は極めて遅れている」と述べていました。
 
「地方の閉鎖は5月も経済の生産部門に 深刻な影響を与え、早期の好転はほぼ不可能と見られる。」と続けていました。
 
しかし、上海市は日曜日、レストランを徐々に再開させることを開始すると発表し、月曜日には6月中旬までに通常の生産と生活を再開することを目指すと発表していました。
 
一方、上海金取引所の金価格は今朝、ロンドンに対するプレミアムを示し、金地金の世界最大の消費国が先週の週平均が前週の0.45ドルのディスカウントから3.40ドルのプレミアムに転じた後、月曜日にトロイオンスあたり4.50ドルまで上昇していました。
 
上海のロンドンに対するプレミアムは、2021年11月以来初めて3月と4月に数週間のディスカウントを記録し、中国への新規輸入のインセンティブを阻害する中で、今年これまで平均で2.61ドルとなっています。
 
ちなみに昨年度の平均は5ドル、歴史的には9ドルのプレミアムとなっています。
 
アジア太平洋地域の株式は、MSCIの日本以外のアジア太平洋地域の株式を対象とした最も広い指数が0.2%上昇する一方で、中国本土の株式が下落したため、月曜日はまちまちで終了していました。
 
ブリュッセルの欧州委員会が、ロシアがウクライナへの侵攻を続ける中、 地域の成長予測を下方修正し、インフレ見通しを引き上げたため、ユーロストックス600指数は0.8%まで下落した後、多少ながら上昇に転じていました。
 
欧州委員会のパオロ・ジェンティローニ経済委員は、「(ウクライナ)戦争はエネルギー価格の高騰を招き、サプライチェーンをさらに混乱させたため、インフレはより長く高止まりすることになるだろう」と述べていました。
 
フィンランドとスウェーデンは共にNATOへの加盟を申請すると日曜日に発表し、この発表を前に、ロシアのエネルギー供給会社RAO Nordic Oyは、フィンランドへの エネルギー供給を停止させると発表していました。
 
ロシア政府のドミトリー・ペスコフ報道官は先週初め、「これまで何度も言ってきたように、NATOの拡大は世界をより安定、安全にはしない」と述べていました。
 
ユーロ建ての金価格は、月曜日に0.5%下落し、トロイオンスあたり1732ユーロと3月末以来の安値となり、ポンド建ての金価格は0.3%下落し1473ポンドと1ヶ月ぶりの安値となっていました。
 

ホワイトハウス佐藤敦子は、オンライン金地金取引・所有サービスを一般投資家へ提供する、世界でも有数の英国企業ブリオンボールトの日本市場の責任者として、セールス、マーケティング及び顧客サポート全般を行うと共に、市場分析ページの記事執筆および編集を担当。 現職以前には、英国大手金融ソフトウェア会社の日本支社で、マーケティングマネージャーとして、金融派生商品取引のためのフロント及びバックオフィスソフトウェアのセールス及びマーケティングを統括。

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