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金価格ディリーレポート(2022年3月14日)ウクライナ危機と高インフレの中で欧州株上昇とFRBによる利上げ観測が広がる中で金は下げる


本日金相場はロシアとウクライナの停戦交渉を楽観視して欧州株式市場が上昇する中下落していました。


 


この間、昨今の数十年来の高いインフレ率により、米国連邦準備理事会が今週から積極的な利上げサイクルに入るという憶測から、国債利回りが上昇していました。


 


米国のインフレ率は年率7.9%で、1982年の深刻な世界的不況以来最悪であり、米中銀FRBは水曜日に主要金利をゼロから25ベーシスポイント引き上げると予想されています。


 


月曜日の米国債の値下がりは、10年間の借入コストを年率2.09%に押し上げ、2年物利回りを1.81%に上昇させ、共に2019年7月以来の高値となっていました。


 


一方、ドル建ての金価格は1.1%下落のトロイオンスあたり1966ドル、英国ポンド建て金価格は1.3%下落の1506ポンド、ユーロ建て金価格は1.5%下落の1794ユーロとなっていました。 


 


英国の証券会社Brewin Dolphinのシニア・インベストメント・マネージャーのJohn Moore氏は、「(貴金属は)株式とは ほぼ逆の需要サイクルで動いている」と述べていました。


 


「懸念が高まっているときに金の需要があり、もし私が世界について非常に楽観的であれば、金を売って株を買うかもしれない」と続けていました。


 


汎欧州のストックス欧州600指数は、2022年の初めから2月末までに11%下落した後、月曜日の取引開始時に0.7%上昇していました。ちなみに、ドイツのダックスは年初来14%下落し、フランスのCac40は同期堪忍12.5%下落していました。


 


対照的に金はユーロ建てで2022年にこれまで9.5%上昇しています。


 


ストックス欧州600指数とユーロ建て金価格の推移 出典元 LBMAとEuroStoxxのデータからブリオンボールトが作成


 


「戦争は、それ自体では金の持続的な強気要因にはならない」とBrewin DolphinのMoore氏は述べ、「最初の一押しはあるが、生活費のインフレ圧力がこの新年の高騰を後押ししている。」と続けていました。


 


欧州中央銀行は、先週の金融政策会合時に2022年の欧州連合(19カ国)全体のインフレ率見通しを3.2%から5.1%に引き上げる一方、成長率見通しを4.2%から3.7%に引き下げていました。


 


ECBのクリスティーヌ・ラガルド総裁は先週木曜日、 金利をマイナス0.5%に据え置いた後、「ロシア・ウクライナ戦争の影響は、十分な政策支援に支えられたユーロ圏経済の堅調な基礎状況という観点から 評価されなければならない」と述べていました。


 


ユーロ圏の消費者物価は2月に5.8%上昇し、20年間のユーロ圏の歴史の中で最も高い数値となっていました。 


 


中国の世界的な製造拠点である深センは本日、1750万人の住民の間でCovid-19の感染が拡大しているために、少なくとも1週間はロックダウンを行うことを発表していました。一方、香港と上海の株式市場は、中国のハイテク企業に対する米国の規制当局の監視が厳格化される中でハイテク株が9%急落することで全般下落していました。


 


一方、上海黄金交易所の金相場は、人民元が対米ドルで1カ月ぶりの安値となったことから、貴金属取引と保管の中心であるロンドンの相場よりトロイオンスあたり8ドル安く、昨年6月以来最大の幅を記録し、4セッション連続でロンドンに対するディスカウントをつけていました。


 


中国で販売されている金価格の割引が示唆する需要の弱さとは対照的に、米国の 金上場投資信託(ETF)は先週残高を増加させ、SPDRゴールドシェアー(NYSEArca: GLD)とiShareゴールドETF(NYSEArca: IAU)の両方が週間で資金流入を見せていました。


 


鉱山業界のマーケティング団体であるワールド・ゴールド・カウンシルのデータによると、インフレ懸念とウクライナ侵攻を前にした数週間の緊張の高まりが相まって、金ETFは2月末までに年初より 5%以上残高を増加させていました。


 


フィナンシャル・タイムズ紙は、ある資産管理会社の最高投資責任者の言葉を引用して、「投資家は、地政学的な不安とインフレの高まりの中で 安全な価値の保管場所と見なされる金を求めている」と述べていました。


 


 

ホワイトハウス佐藤敦子は、オンライン金地金取引・所有サービスを一般投資家へ提供する、世界でも有数の英国企業ブリオンボールトの日本市場の責任者として、セールス、マーケティング及び顧客サポート全般を行うと共に、市場分析ページの記事執筆および編集を担当。 現職以前には、英国大手金融ソフトウェア会社の日本支社で、マーケティングマネージャーとして、金融派生商品取引のためのフロント及びバックオフィスソフトウェアのセールス及びマーケティングを統括。

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