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金価格ディリーレポート(2022年1月10日)FRBによる利上げの3月開始が70%確率と見られ長期金利が上昇する中で金は堅固に推移

週明け月曜日長期金利が2年ぶりの高水準に上昇し、市場が2022年の米連邦準備制度理事会(FRB)による4回の短期金利引き上げを織り込む中で、金価格は今週注目の米国消費者物価指数を待つ中で、前週終値から多少下げて推移していました。
 
金現物価格は、ロンドン時間昼過ぎに0.2%下落し、トロイオンスあたり1792ドルとなり、米連邦準備制度理事会(FRB)の公開市場委員会(FOMC)の議事録における「タカ派」なコメントを受けて、先週の1.7%の下落を拡大していました。
 
米国債10年物利回り(政府だけでなく多くの金融や商業の借入コストのベンチマークとなる金利)は、2ベーシスポイント上昇し1.79%と2020年1月以来の高値となっていました。
 
その10年物金利は先週すでに27ベーシスポイント急騰しており、これは連邦準備制度理事会(FRB)による1回の利上げに相当し、2019年後半以来最大の急騰となっていました。
 
金価格と米10年物国債利回りの推移 出典元 LBMA、米財務省のデータからブリオンボールトが作成
 
デリバティブ・プラットフォームを提供するSaxo Bankのコモディティ・ストラテジストのOle Hansen氏は「市場は早ければ3月から利上げを開始し、2022年に4回の FRB利上げを織り込み始め、利回りは一晩でさらに上昇した」と述べていました。
 
先週発表されたFOMCの議事録で予想より早い利上げの可能性を示唆した後、CMEの FedWatchによると、市場は米中央銀行が3月にコロナ禍以来初の利上げを今年3月に行う確率を、1ヶ月前の35%から70%に引き上げ、年末までに3回の追加利上げを行う確率を30%から50%と引き上げて予想していました。
 
今週水曜日に発表される米国の消費者物価指数では、 コア消費者物価指数が5.4%と過去数十年で最高となることが経済アナリストの予想で示されており、この場合、早ければ3月に利上げが実施されることになると考えられています。
 
米国債の取引から推測される今後10年間の米国のインフレ率は、2週ぶりの最低値である2.46%まで先週木曜日に低下した後、月曜日には2.53%まで上昇していました。
 
10年物TIPS利回りから算出されるこの「ブレークイーブン・インフレ」率は、昨年11月に2.76%まで上昇し、2004年5月以来の高水準となっていました。  
 
「金と銀は伝統的に金利に敏感な資産クラスだが、価格はFRBが インフレに先行するか遅行するかで決まる」と、スイスの精錬・金融グループMKSパンプのトレーディングノートが先に述べていました。
 
そして、「金利上昇局面ではファンダメンタルズがより重要になる」とし、「市場が『テーパリングの恐怖』から『より積極的な利上げの恐怖』に移行する中で、割高、不採算、過剰投資の資産クラスは最も損失を被る立場にある」と述べていました。
 
インフレが考慮された10年物TIPS債が示唆する実質金利は、2022年初頭から約30ベーシスポイント上昇し8カ月ぶりの高水準となった後、本日マイナス0.76%に小幅低下していました。
 
「金はハイテクやビットコインに対して相対的に割高でも過剰投資でもない 」とMKSのノートは結論付けており、2020年3月にコロナ危機に対応した緊急財政経済支援のために超金融緩和政策がとられ、市場予想インフレ率と金利の差がさらに加速してマイナス圏に入って以来、米テクノロジー株のナスダック指数は金の20%上昇を6倍以上上回って上昇していると指摘していました。
 
約2年前にコロナ危機が始まって以来、89回の史上最高値を更新してきたナスダック100指数は、2022年第1週に4.5%の下落を記録していました。
 
12月のインフレデータで、19カ国からなるユーロ圏の住民3億4300万人の生活費が、単一通貨としては過去最高の年率5.0%で上昇したことを受け、ストックス欧州600指数は先週、過去最高値を付けた後に1.8%下落した後、本日も0.1%下落していました。
 
欧州の投資家向けの金相場は、月曜日にユーロが対ドル弱含んだことで、トロイオンスあたり1584ユーロと0.2%上昇していましたが、週末には欧州中央銀行の理事が、ECBは高いインフレを「見透かす」ことをやめ、物価上昇を抑えるために行動すべきとのコメントを発表していました。
 
一方、英国の金価格は、長期国債の利回りが10月のコロナ危機による暴落後の最高値である年率1.20%へと再び上昇したため、トロイオンスあたり1320ポンドと小幅な下落となっていました。

 

ホワイトハウス佐藤敦子は、オンライン金地金取引・所有サービスを一般投資家へ提供する、世界でも有数の英国企業ブリオンボールトの日本市場の責任者として、セールス、マーケティング及び顧客サポート全般を行うと共に、市場分析ページの記事執筆および編集を担当。 現職以前には、英国大手金融ソフトウェア会社の日本支社で、マーケティングマネージャーとして、金融派生商品取引のためのフロント及びバックオフィスソフトウェアのセールス及びマーケティングを統括。

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