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金価格ディリーレポート(2021年7月12日)消費者物価指数及びパウエルFRB議長議会証言を前に金価格は下げる

金相場は月曜日の朝、今週発表の米消費者物価指数とパウエルFRB議長の議会証言を待つ中で下落していました。
 
これは、米国のFRBとECBが大規模な金融緩和政策の継続を約束し、中国の中央銀行が新しい融資規則を緩和する中のことでした。
 
パウエルFRB議長の議会証言は水曜日と木曜日に行われ、市場は今後の金融政策及び経済見通しに関わるコメントに注目することになります。
 
先週1%上昇し、主要通貨ベースで3週連続の上昇を記録した金現物価格は、月曜日のロンドン昼過ぎに0.6%下落し、トロイオンスあたり1800ドルを割っていました。
 
ドルインデックス(主要通貨に対する米ドルの価値を示す指標)は、先週水曜日に3ヶ月ぶりの高値を記録した後週後半で下げていたものの、本日は上昇していました。
 
一方、長期金利は低下を続けており、米10年債利回り(債券価格に反比例して動く)は、金曜日8営業日ぶりに上昇した後、本日は年率1.3%近くまで低下していました。
 
サクソバンクのコモディティストラテジストであるオーレ・ハンセン氏は、「先週の米国債価格の上昇(利回りの低下)で金がさらに上昇しなかったのは残念だが、米ドル高と、特に短期のブレーク・イーブン・インフレ率の急落が貴金属の重荷になっている」と述べていました。
 
金価格と長期金利とインフレ期待率 出典元 セントルイス連銀
 
ブレイク・イーブン・インフレ率(通常の米国債利回りとインフレ保護された米国債利回りのギャップから算出される一種の予測値)は、5月初旬に8年ぶりの高水準を記録した後に、現在は約0.3%ポイント後退し、10年見通しで年率2.3%を下回っています。
 
明日発表される米国の消費者物価指数は、変動の激しい燃料および食品価格を除いて、6月の生活費が前年同月比で4.0%上昇すると予想されています。これは、1992年1月以来の最も早いペースとなります。
 
今週のパウエル議長の証言に先立ち、先週金曜日に掲載されたFRBの金融政策レポートでは、「新型コロナウィルスのパンデミックの影響は引き続き米国経済に重くのしかかり、雇用はパンデミック前の水準を大きく下回っている」と述べています。
 
G20諸国の財務責任者は土曜日、前回4月に開催された会合以降、経済の見通しは改善したと述べたが、新たな新型コロナウィルスの 変異種が回復を脅かす可能性があると警告していました。 
 
一方、欧州中央銀行のクリスティーヌ・ラガルド総裁は日曜日、投資家は10日後に発表される金融刺激策に関する新たなガイダンスに備えるべきだと述べ、現在の緊急国債プログラムが終了した後、ユーロ圏19カ国の経済を支えるために来年新たな措置が導入される可能性があることを示唆した。
 
欧州中央銀行は先週、インフレ目標を修正し、短期間の「移行」期間中は消費者物価が 2%を「適度に」オーバーシュートすることを認めることを決定していました。
 
ユーロスタットの推計によると、単一通貨圏の消費者物価指数は6月に年率1.9%上昇し、2年以上の高水準であった5月の2%から低下した。
 
一方、中国では人民銀行が貸し出しを促進するために、木曜日から銀行の貸し手に対する預金準備率を0.5ポイント引き下げることが伝えられる中、上海黄金交易所の金価格は今日もロンドンに対してプレミアムを示しており、先週金曜日に世界最大の金消費国の卸売り地金の新規輸入に対するインセンティブが1.5ドルに低下した後、月曜日にはトロイオンスあたり4ドルまで上昇していました。
 
ユーロ建て金相場は、本日0.1%安のトロイオンスあたり1519ユーロとなり、ポンド建て金相場は、本日午後にボリス・ジョンソン英首相が、イングランドが7月19日に予定されているロックダウン最終解除であるステップ4に移行する発表を前に、トロイオンスあたり1300ポンドと横ばいで推移していました。
 
イングランド銀行の健全性規制庁(PRA)は金曜日、専門金地金市場の世界の中心であるロンドンで、金の取引を清算している銀行は、2022年1月に予定されている 資本規制の強化からの免除を申請することができると発表していました。
 
PRAは、「相互依存的な貴金属許可」を導入し、銀行が金の取引活動に対して準備しなければならない追加資本の規模を縮小するとのこと。
 
新しい銀行規則は、バーゼルIIIとして知られる包括的な国際協定の一部であり、6月28日から欧州の銀行に適用され、2022年の新年からはロンドンの銀行にも適用されます。
 
しかし、各国の規制当局には一定のルールを設定する余地があり、英国の「カーブアウト(独自の裁定)」では、バーゼル3の枠組みでUnallocated(帳簿上で特定の現物を伴わない)金のポジションに課される NSFR(Net Stable Funding Ratio:安定調達比率)の85%の準備金積立は適用されないことになっています。
 
ロンドン貴金属市場協会のCEOであるルース・クロウェル氏は、「貴金属の取引データ全体のリポジトリを作成するなど、LBMAとそのメンバーが10年以上かけて取り組んできたことが、今日の 大きな勝利につながりました。」と述べています。
 
 

ホワイトハウス佐藤敦子は、オンライン金地金取引・所有サービスを一般投資家へ提供する、世界でも有数の英国企業ブリオンボールトの日本市場の責任者として、セールス、マーケティング及び顧客サポート全般を行うと共に、市場分析ページの記事執筆および編集を担当。 現職以前には、英国大手金融ソフトウェア会社の日本支社で、マーケティングマネージャーとして、金融派生商品取引のためのフロント及びバックオフィスソフトウェアのセールス及びマーケティングを統括。

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