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金価格ディリーレポート(2021年5月24日)ビットコインのボラティリティが高まる中で金のETFが7ヶ月ぶりに月間で増加へ

金価格は月曜日昼過ぎに4ヶ月半ぶりの高さを維持していました。
 
この間、投資家が金を裏付けとする上場信託へ資金を流入し、コメックスの金先物・オプションで資金運用業者が強気ポジションを増加させ、ビットコインを代表とする仮想通貨価格が大きく変動をしていました。
 
金現物価格は先週3週間連続で上昇した後、本日の取引開始時に更に0.5%上昇し、1月初旬以来の最高値のトロイオンスあたり1882ドル前後を堅調に推移していました。
 
StoneXグループのRhona O'Connell氏は、金価格と貴金属に関する最新の日刊レポートで、「最近の上昇の後、金は調整の準備ができている。」とした上で、「しかし、経済と地政学的な不確実性を反映して、市場の全体的な雰囲気は依然としてポジティブである」と述べていました。
 
中国とフィリピンが南シナ海の係争中の島々をめぐって 「友好的」な会談を行う一方で、 イスラエルとハマスの停戦は2週間の紛争を経て月曜日にも継続されていました。
 
一方、ロシアの隣国で同盟国でもあるベラルーシは、ギリシャからリトアニアに向かう民間機をテロリストの爆弾計画があると偽って軍用機で強制的にミンスクへ停止させて、ルカシェンコ政権に批判的なジャーナリストを他の4人の乗客とともに 拉致したたため、欧州連合の首脳陣から非難されていました。
 
金ETFの最大銘柄のSPDRゴールドシェア (NYSEArca: GLD)が1.4%増、そして第2規模の銘柄iSharesゴールド (NYSEArca: IAU)が0.5%増と、先週金曜日までの一週間で3週連続の増加を記録していました。
 
そこで、GLDとIAUはともに、2020年9月以来の月間での増加を記録する傾向となっています。
金ETFのSPDRゴールドシェアとiShareゴールドの週間残高の推移と金価格 出典元 ブリオンボールト
 
日本地金マーケット協会の代表理事の池水雄一氏は、「最近の金ETFの増加は、ビットコインから金への資金の逆流によってもたらされたものだ」と指摘しています。
 
そして、「現在のボラティリティー(ほとんどが下落)は、一部の人々がインフレに対するヘッジとして金と同じ役割を果たすと期待していたこの暗号資産の役割に疑問を投げかけている。」続けています。
 
フランスの銀行ソシエテ・ジェネラルのAlain Bokobza氏とArthur Van Slooten氏もまた、「不規則な価格変動のためにこそ、あらゆる投資ポートフォリオにおけるビットコインの位置づけは、依然として大きく議論されている」と同意している。
 
ソシエテ・ジェネラルのマルチアセット・ポートフォリオでは現在、「安定材料として」金を5%振り分けている。
 
中国政府が中国での仮想通貨のマイニングの取り締まりを改めて表明したことで、ビットコインは日曜日に1/5近くまで大きく急落していました。
 
そして、すでに4月中旬の史上最高値から50%近く下落していますが、本日月曜日にはテスラのCEOであるイーロン・マスク氏が、従来の法定通貨よりも暗号通貨を好むと ツイートしたことで、ビットコインは36,000ドルまで上昇していました。
 
ビットコインと金価格の推移 出典元 セントルイス連銀
 
再度金に話を戻すと、最新のデータによると、コメックスの金先物・オプションの資金運用業者は、先週5月18日までの一週間で、強気ポジションを5週連続で増加させ、弱気ポジションを3週連続で減少させていました。
 
これにより、ネットロングポジションは12%増加し、4ヶ月ぶりの高さとなっていました。
 
それに対し、コメックス銀先物・オプションの資金運用業者のネットロングポジションは、7週ぶりに減少させ、 プラチナ価格に対しても3週連続でネットロングポジションを縮小させていました。
 
主に工業用需要が高い銀の価格は、月曜日に0.5%上昇し、トロイオンスあたり27.69ドルを付けていました。一方、需要の3分の2が工業用であるプラチナは、先週60ドル近く下落した後、0.2%上昇し、トロイオンスあたり1174ドル前後を推移していました。
 
この間、ブルームバーグの工業用金属指数は4日連続で下落し、1ヶ月ぶりの低水準となっていました。これは、中国の共産党独裁政権が、「投機」を標的とすることで高騰する商品価格を 抑制する目的を繰り返したことからでした。
 
また、米国債の価格設定において、今後10年間の米国のインフレ率を示すブレークイーブン・インフレ率は、2.41%と1ヶ月ぶりの低水準となり、先週月曜日につけた8年ぶりの高水準である2.55%を大幅に下回りました。
 
また、主要通貨に対する米ドルの価値を示すドル・インデックスは、4.5ヶ月ぶりの低水準から多少下げて推移していました。
 
この間、欧州の多くの地域が聖霊降臨祭の祝日で休場していたため、株式市場は直近の記録的な高値付近で狭い範囲で取引され、NY市場の先物は0.5%の上昇を示していました。

ホワイトハウス佐藤敦子は、オンライン金地金取引・所有サービスを一般投資家へ提供する、世界でも有数の英国企業ブリオンボールトの日本市場の責任者として、セールス、マーケティング及び顧客サポート全般を行うと共に、市場分析ページの記事執筆および編集を担当。 現職以前には、英国大手金融ソフトウェア会社の日本支社で、マーケティングマネージャーとして、金融派生商品取引のためのフロント及びバックオフィスソフトウェアのセールス及びマーケティングを統括。

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