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金価格ディリーレポート(2021年11月22日)コメックスのネットロングが金の最高値以来の高さとなる中、金価格はサポートラインを割り30ドル下げる

本日金価格は、ロンドン時間昼過ぎに「サポートライン」のトロイオンスあたり1835ドルを割って下げることとなりました。
 
この間、米国の民主党ジョー・バイデン政権が、米連邦準備制度理事会(FRB)議長のジェローム・パウエル氏の2期目就任を承認し、よりハト派的なラエール・ブレイナード氏が後任になる期待が外れたこともあり、金曜日の下げ幅を拡大していました。
 
ホワイトハウスの プレスリリースによると、「アメリカは連邦準備制度理事会(FRB)において、安定した独立した効果的なリーダーシップを必要としている」とし、「インフレ率を低く抑え、物価を安定させるという2つの目標を達成するために、また、より良い仕事と高い賃金で労働者に広く利益をもたらす強い労働市場を作り出すために」と、パウエル氏の2期目就任理由を伝えていました。
 
木曜日が感謝祭の祝日で、その翌日がブラックフライデーであるために、世界最大の金融市場にとって今週は短い3日間の週になります。
 
前週金曜日には、金を裏付けとするETFへ投資資金が流入し、コメックスの先物・オプションの資金運用者のポジションが、2020年夏の終わりに金価格が2000ドルを超えてピークに達して以来の最も強気のポジションを取っているにもかかわらず、本日金価格はトロイオンスあたり30ドルも急落していました。
 
これは、先週金曜日に米連邦準備制度理事会(FRB)の政策担当者2人が、インフレ率が3年ぶりの高水準で推移していることから、米中央銀行は量的緩和策をより迅速に縮小するべきだと示唆したことも要因となっていました。
 
FRBのクリストファー・ウォーラー総裁は金曜日の講演で、「労働市場の急速な改善とインフレデータの悪化により、私 はテーパリングのペースを速め、2022年に緩和策をより迅速に終了することを支持するようになった。」と述べていました。
 
その後、リチャード・クラリダ現副議長は、インフレに「 アップサイド・リスク」があると見ていると別途述べ、また、2021年第4四半期の経済成長は「非常に強い」と予想していると述べていました。
 
金曜日に金価格が下落したことで、 金を裏付けとするETFの信託財産が拡大し、価格と同じ方向に動くという通常のパターンを破って、SPDRゴールドシェア(NYSEArca: GLD)は0.8%と6月以来最大の1日の伸びを記録していました。
 
また、GLDに次ぐ世界第2規模のiShareゴールドETF(NYSEArca: IAU)も0.3%の残高を増加させていました。 
 
米国の規制当局であるCFTCが発表した最新のデータによると、ヘッジファンドやその他のレバレッジの効いた投機家のコメックス金先物・オプションに対する強気の賭けは先週火曜日に前年金価格が最高値を付けた時以来の高さへ増加していましたが、弱気の賭けはほぼ横ばいで3ヶ月ぶりの少なさとなっていました。
 
コメックスの先物・オプションの資金運用業者のネットロングポジション 出典元 LBMAとCFTCデータからブリオンボールトが作成
 
この結果、マネージドマネーのネットロングポジションは、金価格が約100ドル高だった2020年9月15日の週末以来の大きさとなっていました。
 
これは、米連邦準備制度理事会(FRB)金融政策の発表、10月の米雇用統計や米消費者物価指数のデータを市場が消化する中でのことで、わずか2週間で65%も拡大し、資金運用者のネットロングポジションは、地金500トン分に達していました。
 
金の短期的な最大のリスクは、過去7週間の間にファンドが保有していた先物のロングポジションが3倍の14ヶ月ぶりの高さとなったことにある」と、月曜日の朝に派生商品プラットフォームであるSaxo Bankのストラテジーチームは最新のトレーディングノートで警告していました。
 
「その買いのほとんどは技術的に引き起こされたものであり、1830-1835ドルのサポートレベルを下回れば、ロングの清算のリスクが迫っている。」と続けていました。
 
今日の金スポット価格は、11月10日に発表された米国の消費者物価指数の衝撃的なインフレデータを受けて、 1835ドル付近にあったサポートラインを突破した後、先週金曜日の終値から30ドル近く下落し、ロンドン昼過ぎにトロイオンスあたり1816ドルを付けていました。
 
ユーロ圏の19カ国でCovid-19感染者が急増し、オーストリアでは4回目のロックダウンが実施されることが発表されたために、ドル・インデックス(主要通貨に対する米国通貨の価値を示す指標)は金曜日に16ヶ月ぶりの高値を更新していました。
 
米国政府や多くの金融機関、商業施設の借入コストの基準となる10年物米国債利回りは、3日連続の下げから転じて、本日は3ベーシスポイント上昇し、年率1.60%へと上昇していました。
 
先月の米国の消費者物価指数は、 前年比6.2%に達し、1990年以来の速いペースでの上昇となっていました。
 
コメックスの金の先物・オプションの総取引枚数は、2020年11月10日以来の80万枚以上を記録し、1年ぶりの高水準となっていました。これは、ファイザー社のコロナワクチンの良好な臨床試験結果のニュースが伝えられて、 金価格が1日で100ドルも押し下げられた直後のことでした。
 

ホワイトハウス佐藤敦子は、オンライン金地金取引・所有サービスを一般投資家へ提供する、世界でも有数の英国企業ブリオンボールトの日本市場の責任者として、セールス、マーケティング及び顧客サポート全般を行うと共に、市場分析ページの記事執筆および編集を担当。 現職以前には、英国大手金融ソフトウェア会社の日本支社で、マーケティングマネージャーとして、金融派生商品取引のためのフロント及びバックオフィスソフトウェアのセールス及びマーケティングを統括。

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