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金価格ディリーレポート(2021年10月4日)「一過性」インフレが30年ぶりの高さで主要金ETFが残高を減少させる中で金価格は堅調に推移

月曜日金価格はロンドン時間午前中の下げ幅を取り戻し上昇しています。
 
これは、米国の主要な金ETFが引き続き残高を減少させ、最新データでインフレが「一過性のもの」であるかどうかを問うアナリストが増える中でのことでした。
 
金の現物価格は、水曜日と木曜日につけた2ヶ月ぶりの安値から回復し、金曜日に4週間ぶりの上昇を記録した後、ロンドンでは昼過ぎに0.7%減の1748ドルとなっていました。
 
その後、ドル相場が下げたことで、米国ドル建てでは1770ドルまで上昇しましたが、英国とユーロの投資家はそれぞれ1298ポンド、1519ユーロと、反発の幅は限定的となっていました。
 
銀も金と同様に下落し、ロンドン午前中に前週終値比1.1%安の22.29ドルを付けましたが、昼過ぎには下げ幅を取り戻し22.66ドルへと上げ幅を広げていました。これは、金曜日には14ヶ月ぶりの安値から回復し、週間で0.5%の上昇を記録した後の動きでした。
 
米金融グループのシティバンクは、「金地金のETFは引き続き純流出傾向を示しており、 価格を制限している。」と指摘しています。
 
ニューヨークに上場している金を裏付けとするETF信託ファンドの最大銘柄であるSPDRゴールド・シェア(NYSEArca: GLD)とiShareゴールド(NYSEArca: IAU)は、先週、売却量が購入量を上回る残高の減少が起こり、それぞれ0.7%と0.4%その残高規模を縮小していました。
 
そこで、GLDは2週連続で、IAUは5週ぶりに投資資金が流出したことになります。 
 
GLDの発行済み株式数は、金価格がトロイオンスあたり2000ドルを超える史上最高値を記録した直後の2020年9月をピークに23%減少し、一方IAUは、昨年11月の記録的な保有数から6%縮小しています。
 
金価格とスパイダーゴールドシェア(GLD)とiShareゴールド(IAU)の残高の推移 出典元 ブリオンボールトが作成
 
シティバンクのアナリストは、来年の金の平均価格を1585ドルとすることを目標とし、「ベースケースとして、我々は2022年の金市場に弱気であり続ける」と続けています。
 
この見解は、「世界の成長やインフレの見通しに大きな不確実性があり、株式やクレジットのバリュエーションがすでに高止まりしていることから、中程度の確信(60%の確率)である。」と述べています。
 
派生商品プラットフォームであるSaxo BankのコモディティストラテジストであるOle Hansen氏は、「 インフレはここにはないと市場参加者を説得しようとする人は、それは愚かな試みだ。」と述べ、中国と欧州の供給不足によるエネルギー価格の高騰は、成長と収益に打撃を与え、不安定な10月につながる可能性が高く、それが金を支えるだろうと付け加えていました。
 
金購入額第4位のドイツでは消費者のインフレ率が30年ぶりの高水準となっており、先週金曜日に発表されたデータでは、19カ国のユーロ圏全体のインフレ率が先月13年ぶりの高水準となり、米国の個人消費支出指数(PCE)は8月に4.3%に上昇し、生活費の上昇としては 過去30年間で最も急上昇していました。
 
また、世界第5位の金購入国であるトルコの9月のインフレ率は19.6%に上昇し、2.5年ぶりの高水準となったことが月曜日に発表されていました。
 
これは、トルコの中央銀行が先月、政策金利を100ベーシスポイント引き下げて18.0%とし、市場を驚かせた後のことで、貯蓄者にとっては実質金利をマイナスに押し戻すことを意味します。
 
「FRBはインフレは一過性のものだと言い続けているが、それはいつまで続くのだろうか。」 日本貴金属マーケット協会(JBMA)の代表理事である池水雄一氏は、最新のノートの中で、最新の急上昇しているインフレデータを指摘して質問していました。
 
欧州の株式は月曜日に反落後下げ幅を多少取り戻したものの、EuroStoxx 600指数は2ヶ月ぶりの低水準を維持しており、アジアの株式市場も、負債を抱えた中国の不動産大手恒大集団の株式市場での取引が 「主要な取引に関連する」発表を待っていることから、香港で停止されたことにより、下落していました。
 
なお、中国本土の市場は、ゴールデンウィークの祝日のため木曜日まで休場しています。 
 
原油は、4週間連続で上昇していたブレントが0.1%減の79.22ドルとなり、OPECとその同盟国による会議を前に堅調に推移しました。
 
一方、主要な国債は値下がりし、長期金利は上昇し、米国10年債利回りは先週の3ヶ月ぶりの高値である年率1.50%へと上昇していました。
 

ホワイトハウス佐藤敦子は、オンライン金地金取引・所有サービスを一般投資家へ提供する、世界でも有数の英国企業ブリオンボールトの日本市場の責任者として、セールス、マーケティング及び顧客サポート全般を行うと共に、市場分析ページの記事執筆および編集を担当。 現職以前には、英国大手金融ソフトウェア会社の日本支社で、マーケティングマネージャーとして、金融派生商品取引のためのフロント及びバックオフィスソフトウェアのセールス及びマーケティングを統括。

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