金価格ディリーレポート(2020年7月30日)金価格は1980ドルを試した後にFOMCを終え株価が下げる中で弱含む
金価格は、今週の新たな史上最高値のトロイオンスあたり1980ドルから本日ロンドン昼過ぎに下げていました。
これは、昨夜の米連邦準備制度が新たな金融政策を打ち出すことなく終える中でした。
ジェローム・パウエルFRB議長は、政策金利をほぼゼロに据え置き、 緊急プログラムを来年3月末まで延長した上で、世界で最も重要な中央銀行であるアメリカ連邦準備制度理事会(FRB)は、 「イールドカーブコントロール」が既に行われていることを示唆し、Covid-19危機の低迷から世界最大規模の経済を回復させるために、あらゆる手段を駆使していくことを誓っていました。
それに対し、世界第4規模の経済国のドイツは本日、1970年以来のGDPの悪化に加えて、6週間で最も多いコロナウイルス感染者数を記録していました。
ロンドンの現物地金価格は、パウエル総裁が「私たちの生涯で」最も深刻な景気後退と戦うことを誓う中で、木曜日はトロイオンスあたり1954ドルと0.6%下げていました。
それに対し、ドルインデックス(主要通貨に対する米国通貨の価値を示す指標)は、2年ぶりの安値を記録した後、上昇に転じていました。
一方、世界基準である米国10年物国債の利回りは、債券価格が再び上昇したことで低下し、その金利は3月初旬に過去最低となった年率0.54%をわずか1ベーシスポイント上回る水準にまで低下していました。
「歴史的な(中央銀行の)流動性注入と記録的な低金利により、金の取引機会コストが大幅に削減されたため、Covid-19危機は金投資にとって 完璧な嵐となりました。」と、金鉱会社団体のワールドゴールドカウンシル(WGC)のルイーズ・ストリート氏は本日、新たな金需要レポートを発表しコメントしています。
「一方、消費者の需要は(対照的に)大打撃を受けました」とストリート氏は述べ、世界の宝飾品需要は6月までの6ヶ月間で昨年の同時期からほぼ半減し、WGCが集計したデータの2010年に遡っても最小規模に達しました。
また、WGCへこれらのデータを提供していたRefinitiv GFMSによると、第2四半期の宝飾品需要は少なくとも20年間で最低となったとのことです。
一方、金ETFの最大銘柄であるSPDRゴールドシェア(NYSEArca: GLD)は、水曜日の米連邦準備制度理事会(FRB)の発表を受けて、昨日利益確定の売りもあり0.1%縮小して1,242トンの残高となっていましたが、今月は既に5%以上の増加となっています。
それに対し、第2規模のiShareゴールド(NYSEArca: IAU)昨日も残高を増加させて0.3%増の489トンと再び新記録を達成していました。
銀価格は本日、4%近く下落し、トロイオンスあたり23.30ドルで取引され、火曜日の7年ぶりの高値から3ドル近く下落していました。
プラチナも下落し、木曜日のロンドン市場では2.3%安でトロイオンスあたり910ドルとなり、金に対するディスカウントはトロイオンスあたり1000ドル以上に拡大しました。
プラチナは、2008年のピーク時には、金よりもトロイオンスあたり1000ドル以上高い価格で取引されていましたが、それ以来、19世紀以来最長の割引価格で取引されるように下落しています。