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金価格ディリーレポート(2020年4月27日)金価格が日銀の新型コロナウイルスによるデフレを防ぐ無制限の量的緩和で下げる

金価格は本日日銀の追加緩和と欧米諸国で経済活動が近く再開するとの期待もあり下げることとなりました。

金現物価格は0.7%下げのトロイオンスあたり1716ドルと先週の2.7%上昇から下落しています。この間、先週金曜日に3週間ぶりの高さへ上昇したドルインデックスは多少下げて入るものの、その水準を保持しています。

日本銀行は本日国債購入をこれまでの上限の80兆円を撤廃して事実上無制限にすること、コマーシャルペーパーと社債の購入上限を20兆円と約3倍とし、ゼロ金利資金供給オペの担保範囲を拡大し、中小企業の資金繰りを支える新たな資金供給手段を検討することを発表しています。

日銀はすでに米連邦準備制度理事会、欧州中央銀行、イングランド銀行と比較しても対GDP比で最も巨大な規模のバランスシートを保有しており、それに加えて今年第1四半期に、30兆円の国債、株式、他の資産を購入しています。

それに加えて35兆円に及ぶ流動性の供給をレポ取引やドル建てローンで日本の金融システムを通して行っています。

「今デフレが再発するとは思っていない。」としたものの、「インフレ期待が短期で大分落ちているが、長期においてはそれは少ないもので、今後も注視していく。」としています。

「デフレは金にとってポジティブなのは、大規模な経済刺激策と将来のインフレ懸念があった際のみです。」とカナダの金融サービスグループのScotiabankの最新レポートで述べられています。

本日ストック欧州600指数はロンドン時間昼過ぎまでに1.8%上昇し、他の主要国の株価インデックスも上昇していました。これは、MSCIアジア・パシフィック指数も1.9%、TOPIXも1.8%上昇して終えていました。

ユーロ建て金価格は、ユーロが対ドル強含む中で先週の最高値のトロイオンスあたり1612ユーロから1.9%下げて1582ユーロとなっていました。この間ECBの7500億ユーロを上限としたパンデミック緊急購入プログラム(PEPP)を拡大することへの意見が高まっています。

先週欧州委員会は新型ウイルス対策として1超ユーロ規模の復興基金を設けることで合意したものの、その詳細は未だ協議中です。

ポンド建て金価格もまた、先週金曜日の史上最高値のトロイオンスあたり1406ポンドから1.8%下げの1381ドル前後を推移していました。本日ボリス・ジョンソン首相は公務復帰しましたが、ロックダウンの早期の解除については否定していました。

それに対しニューヨークのアンドリュー・クオモ知事は、新たな入院患者の数が2週間に渡り減少し続けることなどを基準にして、経済活動を早ければ5月15日にも段階的に開始することを昨日発表していました。

銀価格は本日昼過ぎにトロイオンスあたり15.22ドルとほぼ横ばいで推移し、プラチナ価格は1.4%下げのトロイオンスあたり765ドルを付けていました。

 

ホワイトハウス佐藤敦子は、オンライン金地金取引・所有サービスを一般投資家へ提供する、世界でも有数の英国企業ブリオンボールトの日本市場の責任者として、セールス、マーケティング及び顧客サポート全般を行うと共に、市場分析ページの記事執筆および編集を担当。 現職以前には、英国大手金融ソフトウェア会社の日本支社で、マーケティングマネージャーとして、金融派生商品取引のためのフロント及びバックオフィスソフトウェアのセールス及びマーケティングを統括。

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