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金価格ディリーレポート(2020年2月10日)新型コロナウィルスが「甚大なリスク」と異なる当局が警告する中で金は上昇

金価格は、月曜日昼過ぎにトロイオンスあたり5ドルほど上昇していました。

これは、中国政府が春節の休暇を終えた人々が仕事に復帰することを容認し、主要諸国や関連機関が新型コロナウィルスのリスクを警告する中での動きです。

金現物価格はロンドン昼過ぎにトロイオンスあたり1575ドルまで一時上げていました。この間、日曜日のみで97人の死亡者を出した新型コロナウィルスによる世界の死者数は908人へと上昇し、2002年~2003年に発生したSARSによる死亡者数を上回ったことが明らかとなる中で、アジア市場同様に欧州株式市場は全般下げていました。

この感染の発生源である中国においては、政府によって人の移動と職場への復帰への制限が解除され、中国人民銀行はウイルスに対応するためにビジネスへ貸し出す特別な資金を商業銀行へ提供したことからも、本日同国株価は上昇していました。

この中央銀行の動きは、先週同行が経済をサポートするために、貸出金利を下げて、市場に流動性をもたらすためにリバースレポによる資金供給等の政策をさらに広げるものでした。

「中国の経済規模からも最近の新型コロナウイルスの発生は中国の混乱につながり、世界経済に波及しかねない。」とFRBは先週金曜日に発表した半期に一度の金融政策報告書で懸念を示していました。

先週末に発表されたコメックスの金先物・オプションの資金運用業者のロングポジションは先週火曜日に金価格が1月半ばの水準へ下げた際に、減少しており、ショートポジションは昨年6月以来の高いものとなっていました。

そのために、ネットロングポジションは前週比18%減で8週間ぶりの低さまで下げていました。

しかしながら、金ETFの最大銘柄のSPDRゴールドシェアは、週間で13トン増加し、4週間連続の週間の上昇で、10月末以来の高い残高となっていました。

「(コメックスの金先物・オプションのネットロングポジションが大きく減少する中で、先週サポートラインのトロイオンスあたり1550ドルを割らず、金ETFへの資金の流入が見られたことは、市場に安堵をもたらした。そして、このサポートラインは引き続き堅固なものがある。」と先物プラットフォームを提供するSaxo BankのコモディティストラテジストのOle Hansen氏は述べていました。

今週パウエルFRB議長は、明日から金融政策について定例の半年に一回の2日間の議会証言(火曜日下院金融委員会、水曜日上院銀行委員会)を行います。

世界保健機関(WHO)のテドロス事務局長は、中国への渡航歴がない人々から新型コロナウイルスが広がった懸念されるケースがあるとして、同ウイルスに関して「われわれは氷山の一角しか見ていない恐れがある」とツィートしています。

また、英国政府も新型コロナウイルスは公衆衛生に「甚大で緊急な脅威」だと警告し、英国で感染が疑われる人々を隔離することができる条例を制定しています。

英国ポンド建て金相場は、本日ポンドが先週、年末の移行期間終了時の同意なき離脱への懸念から下げた1%の下落分を取り戻す中で、トロイオンスあたり1216ポンドと下げていました。

それに対しユーロ建て金相場は、トロイオンスあたり1440ドルと史上最高値へと上昇していました。この間欧州では、本日メルケル首相の後継者と見られていた与党キリスト教民主同盟のアンネグレート・クランプカレンバウアー党首が、来年の選挙を控え、党首の座を降りる意向を示したことが伝えられていました。

また、週末投票されたアイルランドの下院総選挙は、バラッカー首相率いる与党と2つの野党の計3党が得票率20%台前半で並ぶ混戦になり、この比例代表制では、野党第2党のシン・フェイン党が僅差で首位に立ち、中道右派で最大野党の共和党が2位で、与党統一アイルランド党は3位に沈み、躍進したシン・フェイン党がかつて南北アイルランド統一を訴えてテロ行為を繰り返したアイルランド共和軍(IRA)の政治団体が前身であることからも、与党統一アイルランド党と最大野党共和党が共にシンフェイン党と連立政権を組むことは否定しており、政治の混迷への懸念が広がっています。

本日他の貴金属においては、銀価格は2週連続でトロイオンスあたり17.70ドルへと下落後17.80ドル前後をロンドン昼過ぎに推移していました。

また、プラチナはトロイオンスあたり958ドルへと下落し、パラジウム価格は、トロイオンスあたり2340ドルと先週の史上最高値から7%下げていました。

ホワイトハウス佐藤敦子は、オンライン金地金取引・所有サービスを一般投資家へ提供する、世界でも有数の英国企業ブリオンボールトの日本市場の責任者として、セールス、マーケティング及び顧客サポート全般を行うと共に、市場分析ページの記事執筆および編集を担当。 現職以前には、英国大手金融ソフトウェア会社の日本支社で、マーケティングマネージャーとして、金融派生商品取引のためのフロント及びバックオフィスソフトウェアのセールス及びマーケティングを統括。

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