金価格ディリーレポート(2020年10月12日)ETF残高が増加する中金と銀は3週間ぶりの高さを削り、プラチナはネットショートを積み上げる中で下落 2020年10月12日 月曜日 18:47 金価格は、月曜日ロンドン時間午前中に週末の3週ぶりの高値から下落し、1920ドルの水準を推移していました。 これは、米国追加経済対策合意の不透明さの中で米ドルが反発していたことが背景にありました。 金地金現物価格は、3週間ぶりの高値となるトロイオンスあたり1933ドルをつけた後、前週終値から0.5%の下げで1918ドルとなっていました。 この間ドルインデックスは、中国の中央銀行が、直近の 人民元の上昇を抑えるための措置を取ったことで、金曜日に3週間ぶりの安値へと急落した水準から上昇していました。 そのため、両通貨が対ドル下落したことで、英国建て金価格はトロイオンスあたり1478ポンドまで多少ながら下落し、ユーロ建て金価格は、トロイオンスあたり1631ユーロと横ばいで推移していました。 この間 プラチナ価格はさらに0.8%下落してトロイオンスあたり886ドルと、他の貴金属とは異なり過去3週間で失った水準を取り戻す水準へ至っていませんでした。 最新のデータによると、Nymex先物・オプションのヘッジファンドやその他の投機家の間では、先週もプラチナに対する弱気ポジションがさらに増加し、資金運用業者全体のポジションは、2週連続でネットショートとなっていた。 規制当局である商品先物取引委員会(CFTC)がまとめた最新のデータによると、金は資金運用業者のネットロングポジションが増加しましたが、銀とパラジウムはプラチナ同様に資金運用業者がネットロングポジションを減少させていました。 本日はコロンバスデーの祝日で米国債市場が休場となっています、米国株式市場は開場する予定で、その動向を示唆する先物市場では、中国株価市場が習近平主席が地域振興策などで海外投資を促す期待で上昇し、その流れを受け継いで欧州株が上昇したことで、高値圏で推移していました。 UBSグローバル・ウェルス・マネジメントのチーフエコノミスト、ポール・ドノバン氏は、「米国の財政政策交渉は、EUと英国の離脱交渉に似てきており、 退屈で長引きそうだ」と述べています。 日曜日にナンシー・ペロシ下院議長は、トランプ政権の提案を「 惨めで致命的な失敗」と呼び、 トランプ氏は、「選挙に影響を与える」ためにこの協議を無駄に長引かされていると下院議長を非難していました。 金曜日に金価格が上昇した際に、SPDRゴールドシェア(NYSEArca: GLD)はその残高を変えず、iShareゴールドETF(NYSEArca: IAU)は多少ながら残高を増加させていました。しかし、金を裏付けとするETFは、その拡大ペースを減速させていました。 10月は先週金曜日までに、GLDは0.2%増の1,272トンへと残高を増加させ、これは9月21日に記録された史上最高値を0.6%下回っていましたが、IAUは0.5%増の521トンとなり、史上最高値を更新していました。 9月に 金ETFは10ヶ月連続でその残高を2%増加させていましたが、銀ETFの最大銘柄のiShareシルバー(NYSEArca: SLV)は776トン(4.4%)の下落となっていました。 しかし、10月の金ETFとは対照的に、SLVは2.1%増で17,426トンへと残高を増加させていました。しかし、この残高ですらも8月中旬に記録した史上最高値を2.8%下回っています。 銀価格は、本日ロンドン時間午前中に3週間ぶりの高値となる25.56ドルに達した後、0.2%下落してトロイオンスあたり25.12ドルを昼過ぎに付けていました。 これにより、金と銀の相対的な価格を追跡する 金銀比価は、さらに低下して77弱となり、金と銀の価格は3週間で最も低い値を記録していました。