金価格ディリーレポート(2020年1月27日)金価格が中国のコロナウイルス危機で株価が下げる中で3週間ぶりの高さへ
金価格は月曜日にアジア市場開始と共に1%急騰しその上げを多少失って推移していました。
これは、中国のコロナウイルスによる新型肺炎による死亡者数が81人、感染者数が3000人とのその拡大への懸念が高まっていたことからでした。
そこで、世界株価が大きく下げる中で、金現物価格はトロイオンスあたり1588ドルと3週間ぶりの高さへと上昇していたのでした。
多くのアジア市場は春節の休暇で月曜日休場ですが、中国はこの祝日を来週まで延長して、人の移動を止めてさらなる感染を防ぐとしています。
ストックス欧州600指数は月曜日昼過ぎに2%下げ、これは日経225株価指数の下げ幅とほぼ同じくしていました。
「このような環境下では、株式市場が急落することがある。そのために、リスク回避のセンチメントが高まっている。」とインドのコモディティアナリストのコメントがブルームバーグで引用されています。
「そのために金の先行きは強気で、直近で今月トロイオンスあたり1610ドルを狙うだろう。」と続けています。
中国政府は、本日春節後もビジネスは、コロナウイルスの感染拡大を避けるためにも、休暇後追加1週間ほどの2月9日まで戻るべきではないとしています。この対象は、工業事業会社や医療関連やスーパーマーケットを除く全ての会社とされています。
さらに、北京の紫禁城や万里の長城の一部も観光客の立ち入りが禁止され、そして16の都市の公共交通網が遮断されています。
香港もまた、コロナウイルス感染患者が最初に見つかった湖北地方に過去14日間以内に滞在した人々の入国を禁止しています。
中国市場が休場中である中でも、人民元は本日昨年末以来の低さへと0.8%対ドル下げていました。それに対し、安全資産と見られる日本円は3週間ぶりの高さへと対ドル上昇していました。
また、主要国債も価格が上昇し、利回りが下げていましたが、今週水曜日のFRBによる政策金利発表を前に、米10年物国債は昨年10月の低さまで下げていました。
ユーロ建て金価格は月曜日昼過ぎまでに、ドイツのIFO企業景況感指数が予想外に悪化しユーロが市場開始時の対ドルの上げ幅を削る中で、0.8%上昇しトロイオンスあたり1437ユーロと、やはり3週間ぶりの高さへと上げていました。
そして、週末行われたイタリアの地方選挙で野党の極右政党「同盟」を中心とした右派が伸長したことで、現政権に圧力をかけて早期の解散総選挙を目指すなど伊政局の先行き不透明感は強くなったことで、イタリア国債10年物は3週間ぶりの低さへと下げていました。
このように主要国債価格が上昇するのとは対照的に、世界第2の消費国である中国が休暇を延長することによる悪影響などの懸念から、原油価格は3か月ぶりにバレルあたり60ドルを割っていました。
ポンド建て金価格は、今週木曜日のイングランド銀行の政策金利発表、そして金曜日の英国のEU離脱を前に、ポンドは対主要通貨大きく動いていないものの、トロイオンスあたり1212ポンドと0.8%上昇していました。