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金価格ディリーレポート(2019年10月28日)FOMCを前に、トランプ大統領の予定より早い米中貿易部分合意のコメントで米株価は新記録を付けて金価格は1500ドルを割る

金価格は月曜日のお昼過ぎに、トランプ大統領が米中貿易戦争が部分合意で中断すると述べたこと、EUが英国の離脱期限を延長し、金融市場が今週水曜日の米中央銀行の政策金利を待つ中で下落していました。

現物金地金価格は、先週金曜日に2週間ぶりに心理的節目のトロイオンスあたり1500ドルを取り戻していましたが、本日はそこから0.8%下げて1493ドルを推移していました。

銀価格もまた金曜日の5週間ぶりの高さから50セント下げてトロイオンスあたり17.84ドルを付けていました。

「中国との部分合意を予定よりも早く行うことができるだろう。これを第一フェーズと呼ぶが、かなり大きな部分ではある。」とトランプ大統領はレポーターに日付を明言することはなく述べていました。

原油価格は、米財務長官のスティーブン・ムニューシンがイランへのさらなる経済制裁を行うことを述べたにもかかわらず、下落しています。

なお、ドナルド・トランプ米大統領は27日朝、過激派勢力「イスラム国」(IS)の指導者がシリア北西部の逃亡先で、米軍に追い詰められ自殺したと発表しています。

本日は主要国債価格が下げて利回りが上昇していました。

そして、アジアと欧州株価は上昇し、S&P500種は先週の史上最高値をさらに更新していました。


「貿易協議に関する進展は中期的に金に影響を与えるだろう。」とNational Australia BankのエコノミストのJohn Shamaは述べています。「(しかし)状況は簡単に解決できるようなものではない。」と続けています。

10月30日の米国政策金利発表で0.25%の利下げが行われるという予想は、CMEのFEDWatchツールでは94.1%まで上昇しています。

「フォワードガイダンスを継続することが、最も無難な方法だろう。」とファイナンシャルタイムズはバンク・オブ・アメリカ・メリルリンチのエコノミストのMichelle Meyer氏のコメントを取り上げています。そして、ここではFOMCの声明で鍵となる言葉「act[ing] as appropriate to sustain the expansion(景気拡大維持のために適切に行動)」が含まれているかどうかが重要とも述べています。それは、「経済データが悪化していることからも、彼らはこの政策を是認するだろう。」と続けています。

 

また、投資家は日本銀行の木曜日の金融政策決定会合も注目することとなります。それは、さらなる金融刺激策が行われるかという点からです。

ポンド建て金価格は、月曜日にトロイオンスあたり1165ポンドとポンドが対主要通貨上昇する中で下げていました。これは、EUが英国の依頼に沿って、2020年1月31日までの離脱期限延長を承認したことからでした。

しかし、マクロン仏大統領は、英国離脱期限をより短くすることを主張していたと一部伝えられています。これは、英国議会がEUとジョンソン政権が合意した離脱協定案に合意すれば可能となります。

なお、本日英国下院ではジョンソン首相が12月12日の総選挙実施の動議を提出しその採決が行われる予定になっています。しかし、この動議を可決するには議会の3分の2の賛成が必要となることから、労働党が反対に回ることが伝えられる中で困難な状況となっています。

ユーロ建て金相場は、本日ドラギECB総裁が、本日フランクフルトのECB本部での退任式で、元IMF専務理事のラガルド氏へ総裁職を譲る中で、トロイオンスあたり1349ユーロへと下げていました。

本日の中国のロンドン金価格との差であるプレミアムは8.87ドルと、先週の6-7ドル後半より上昇していましたが、過去の平均の9ドルには及びませんでした。

なお、香港の陳茂波(ポール・チャン)財政官は昨日、約5カ月にわたる反政府デモの影響で香港経済が第3・四半期にリセッション(景気後退)に陥ったと指摘したことが伝えられています。また、2019年の成長率がプラスになる可能性は低いとの見方も示しています。

ホワイトハウス佐藤敦子は、オンライン金地金取引・所有サービスを一般投資家へ提供する、世界でも有数の英国企業ブリオンボールトの日本市場の責任者として、セールス、マーケティング及び顧客サポート全般を行うと共に、市場分析ページの記事執筆および編集を担当。 現職以前には、英国大手金融ソフトウェア会社の日本支社で、マーケティングマネージャーとして、金融派生商品取引のためのフロント及びバックオフィスソフトウェアのセールス及びマーケティングを統括。

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