2023年3月20日 月曜日 16:09
金価格は、週末にスイス銀行のUBSがライバルであるクレディ・スイスを「ショットガン・ウェディング」的な緊急救済することに合意したことによって、欧米の金融システムが広く不確実性に直面したことから、月曜日の早朝に急騰し、米国ドル建てでトロイオンスあたり2000ドルを超え、多くの主要通貨で史上最高値を更新した後に、当初の上げ幅を失っていました。
ドル建て金地金現物価格は、トロイオンスあたり2009ドルと1年ぶりの高値をつけた後、50ドル下落し、前週金曜日夕方のロンドンの終値からわずかな上昇にとどまっていました。
他の通貨建て金地金も、ユーロ建て金地金が1885ユーロまで上昇し、史上最高値まで0.9%以内となった後に上昇幅を縮小し、また、英国ポンド建て金価格は1648ポンドで、日本円、オーストラリアドル、インドルピー、中国元建て金価格と同様に、史上最高値を更新後に上げ幅を失って推移しています。
スイス当局の仲介で、金曜日の終値から大幅に値引きした32億5000万ドルでクレディスイスを買うことに合意しました。同日米国FRB、欧州中央銀行、スイス国立銀行、イングランド銀行、カナダ銀行、日本銀行が、それぞれの管轄区域内の商業銀行に対し、毎日オークションでドルの流動性を提供する
協調介入を開始することを発表していました。
このオペレーションは、本日から4月の末まで行うことが予定されいるとFRBは述べていました。なお、同中銀は今週水曜日の政策決定会合で主要な政策金利を
0.25ポイント引き上げて、年末までに金利を4%に引き下げると予想されています。
スイスの精錬・金融グループMKSパンプの金属戦略責任者ニッキー・シールズ氏は、日曜日の発表を受けて、「このUBSとCS(クレディ・スイス)のショットガンウェディングが、さらなる金融市場の連鎖を防ぐことができるかどうかはわからない」と述べていました。
「この複雑な提携のような安心感は
危険だ。不安を和らげることもできるし、不安を確認したり加速させたりすることもできる。」と続けていました。
欧州の銀行株は市場開始とともに5%下げ、クレディ・スイス(SWX: CSGN)の株価は一時63%下げて、買収先のUBS(SWX: UBSG)の支払う価格へと近づいていました、また、UBSの株価も13%近く下げていました。
ドイツの大手銀行であるドイツ銀行(ETR:DBK)は3.1%、フランスのBNPパリバ(EPA:BNP)は3.7%下落し、より広範な欧州ストックス600指数はニューヨークの取引開始前に回復をするまでに1.6%下落していました。
スイスの規制当局であるFINMAによって
押し通されたUBSのクレディ・スイスの緊急救済は、クレディ・スイスの株主はある程度の価値を保持することができるものの、想定価格170億ドルの債券は価値を失い、「その他Tier1(AT1債)」の債務の貸し手は全てを失うこととなります。このAT1債とは、世界金融危機後に、破綻銀行の救済費用を納税者が負担しないように作られた偶発転換社債の形態です。
「スイスは、金融機関にとって重要な資金調達の一角を
潰してしまった」と、英国の銀行CEOはブルームバーグに語っていました。
「普通株式は最初に損失を吸収するものだ」と、欧州の銀行監督当局は、AT1の価格が地域全体で下落した月曜日の朝に声明を発表しました。
「その後にのみ、追加的Tier 1の評価減が必要となる...過去の事例で
一貫して適用されている。」と続けていました。
スイス中央銀行はまた日曜日に、UBSの取引には、新たに拡大されたUBSに対する
1000億スイスフランの流動性支援と、90億スイスフランの損失保証の
政府保証が含まれていると述べていました。
米国の銀行であるファースト・リパブリックは先週の株式市場で72%下落し、先週米国の大手金融機関グループから
300億ドルの預金があったにもかかわらず、日曜日にはS&Pグローバルによって信用格付けがジャンク状態へとさらに格下げされていました。
金ETFの最大銘柄であるSPDRゴールドシェアを裏付ける金地金の量は、先週週間で4週ぶりに資金の流入となり、12ヶ月前にロシアのウクライナ侵攻が金融市場を襲って以来、最も速いペースで急増し、金ETF全体でも
今年最大の資金流入量となっていたことが明らかとなっていました。
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