金価格が上げ、金投資家の興味は下がる
金投資家インデックスが、過去18ヶ月で最低の水準へと下げました。しかし、金価格は1月にドル建て、ユーロ建て、ポンド建てで5ヶ月ぶりに上昇しました。ブリオンボールトのリサーチ主任エィドリアン・アッシュが、その背景を解説しています。
個人投資家の金投資傾向を示すブリオンボールトがまとめている金投資家インデックスは、2012年7月以来の弱気なものとなりました。
2009年10月から算出されている金投資家インデックスは、個人投資家へのオン・ライン金投資サービスで世界有数のブリオンボールトを利用する顧客の金購入者と金売却者のバランスを表す数値です。
現在世界で5万1千人以上が利用するブリオンボールトの顧客の90%は、西欧及び北米に居住しています。そのため、このインデックスは、欧米の個人投資家の金投資の傾向を表す、世界でも数少ない指標であるのです。
この数値が50を超えると、金購入者数が売却者数を上回ったことを示します。この際、必ずしも購入された重量が売却された重量を上回ったことにはなりません。しかし、これは実際に売買が行われた状況を表している指標であり、単に金投資への興味をまとめるアンケートとは異なるものです。
金投資家インデックスは、2011年9月に71.7とピークを迎えた後、先月1月は51.9と、1月としては過去最低となりました。
金価格は、この間日本円建てを含むすべての価格建てにおいて上昇しました。ちなみに、月間平均上昇率は、米国ドル、ユーロ、ポンド建てにおいて、1.8%となっています。しかし、金投資家インデックスは、引き続き個人投資家が金投資に対して強気であることを示したものの、2013年の価格急落時の購入意欲の高さは失っています。
そして、重量においては、個人投資家が保有する金総量は1月に前月に続き減少し、0.4%減の32.175トンとなりました。これは、2013年7月以来の低水準です。
多くのメディアや投資アドバイス関連サイトにおいては、金価格の上昇が取り上げられています。しかし、個人投資家は、この上昇につられて金を急ぎ購入するには、まだ至っていないようです。